中林賢二郎さんが残したこと

2020年9月 6日 (日)

『続・現代労働組合組織論』の本づくり

 『現代労働組合組織論』(中林賢二郎著、労働旬報社、1979年6月刊) の続編の意味で、以下のように編集してUPした。

 

 新「中林賢二郎のページ」をオープンした。

   http://e-kyodo.sakura.ne.jp/nakabayasi/nakabayasi-index.html

 ▽主な単行本(『追憶 中林賢二郎』など)
 ▽ 労働組合運動への提言
 ▽ ヨーロッパの運動から学ぶ
 ◇本ページは、ご家族の了承を得てすすめています。

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 プロローグ:「同志は斃れぬ」(佐藤一晴稿、1987年2月、『追憶 中林賢二郎』より)

 ▽第1部:『現代労働組合組織論』(中林賢二郎著、労働旬報社、1979年6月刊)で明らかにしたこと
  第1章 現代労働組合運動の現状と課題
  第六章 わが国労働組合運動の組織論的課題――未組織の組織化と地域共闘
  補論 イギリス運輸一般労働組合の教訓と一般労働組合の課題(PDF版)
 ▽補論《1》
 企業別組合の歴史的形成と弱点の克服
 掲載誌:日本の労働組合組織の問題点をえぐる――企業別組織の歴史的形成と弱点の克服、今日の組織問題(創刊6周年記念総特集)中林賢二郎・切山登。労働・農民運動、74号、1972年5月号(PDF版)
 ▽補論《2》
 新しい組織形態ー「一般労働組合」の意義――その現実的基礎と必然性について
 掲載誌:労働法律旬報、労働旬報社、(通号 951) 1978.05.10  (PDF版)
 ▽補論《3》
 地域共闘の意義について
 組織論的視点の再検討と地域共闘問題、中林 賢二郎、労働運動、(通号 156) 1978年12月
 現代労働組合運動と職種別団結・職業別団結の意義
 掲載誌:労働旬報社、賃金と社会保障、1982年9月号 (PDF版)
 労働組合運動内の諸潮流と意見の相違について 
 労働組合運動内の諸潮流と意見の相違:原題――〔連載シリーズ〕労働組合 その歴史と役割―3―組合運動内における諸潮流と自覚的活動家の任務、中林賢二郎、労働運動、(通号 231) 1985年02月号     (PDF版)
 ▽13/09/26
 メーデー――その闘いの歴史に学ぶ、中林賢二郎、1985年3月、『学習の友別冊』  (PDF版)

 ▽第2部:企業別組合と現代労働組合運動の組織論的課題――『日本の労働組合運動』、(第5巻、大月書店、1985年6月)
  『日本の労働組合運動』の刊行にあたって
  第二巻の課題と構成
 ▽上記の組織論的課題(PDFで読めます)

 ▽第3部:ヨーロッパにおける地域・職場組合運動の主軸は⁉ ――サンジカ、ショプスチュワードの役割

 フランス労働組合の組織形態と企業内における組合活動の権利――『ドゴール体制下の労働運動と五月ゼネスト――国家独占資本主義下の政治闘争と経済闘争、フランス総同盟、1968年5月ゼネストの闘争記録』(中林賢二郎・井出洋・小森良夫・坂本満枝 編訳、労働旬報社、A5判、1969年3月)
 イギリスのショップ・スチュワード――イギリス労働組合運動における職場組織と職場委員
掲載誌:研究資料月報 / 法政大学社会労働問題研究センター、法政大学大原社会問題研究所 、(通号 278) 1981.08(PDF版)

 『イギリス通信――経済危機と労働運動』(中林賢二郎著、学習の友社、新書版、1981年9月25日)
  日本の組合とイギリスの組合/労働組合組織の特徴/発達した職場組織(ショップ。スチュワード shop stewards)/労働運動と「民主的対案」

 イギリスのショップ・スチュワード――イギリス労働組合運動における職場組織と職場委員(「研究資料月報」 法政大学社会 労働問題研究センター、法政大学大原社会問題研究所 、通号 278) 1981.08、PDF版)
 その歴史/組合とショップ・スチュワードショップ・スチュワードが獲得した諸権利/現在のショップ・スチュワードの任務/ショップ・スチュワードのタイプ/スチュワードの戦術/プラントにおけるスチュワードの組織/組合との関係/ショップ・スチュワードの企業別組織
 イギリスの対案的経済戦略AES(the Alternative Economic Strategy)、原題:〔イギリス労働運動の新たな画期――その背景と運動の諸相、中林 賢二郎、法政大学〕社会学部創設30周年記念論文集、社会労働研究、28(3・4)1982年03月 (PDF版)

2019年12月 1日 (日)

『斗う労働者のど根性』、『東京争議団物語』から学ぶ《PART Ⅰ》

  「東京争議団物語」、そしてその後

   東京争議団共闘会議が生まれて50年余。『斗う労働者のど根性』(労働旬報社)、『東京争議団物語』(東京地方争議団共闘会議編、労働旬報社)の両者が発刊されたのは、1960年代半ば。「東京争議団共闘の15年一ほんものの労働組合をつくるたたかい」(市毛良昌・佐藤一晴, 労働旬報社)は1970年代半ば。

  http://e-union.sakura.ne.jp/tokyo-sougidan/index.html#sougidan15nen

 この論文は、中林賢二郎先生(法政大学社会学部教授)が編集していた『危機における労働運動、労働運動史研究58号』(1976年 労働旬報社)に所収したもの。

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http://e-union.sakura.ne.jp/tokyo-sougidan/index.html

 

 当時を担った実践家、編集者はすでに多くが鬼籍に入っている。

 私は、労働旬報社で1960年代末から数年アルバイトをしていたが(その後編集部へ)、港区芝西久保巴町にあった社屋の中で、編集アシスタントをやりながら、本棚の『斗う労働者のど根性』、と3号雑誌と言われた『労働世界』(A5判、60pぐらい。別の機会に後述)を発見し、机にもっていって、読んで感動した思い出がある。

 その当時、法政大学を中心とした「どうどうめぐり研究会」で「労働組合運動史研究の分析視角の研究・指導」をしていただいたのが中賢さん(愛称)だ。そのメソッドを応用して「東京争議団運動の意義とその課題」をまとめたのが、「東京争議団共闘の15年一ほんものの労働組合をつくるたたかい」だった。

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 そのなかの「東京争議団共闘会議の結成」の場面では、どんなに労働者の運動・争議が低迷しても、必要に応じた組織運動が必ずおこる、とまとめている。

 「一九六二(昭三七)年五月十七日の夕暮、東京新宿小滝橋の新宿自動車教習所に、東京の長期争議組合の代表が三々五々、集まってきた。ここも、企業閉鎖、全員解雇の争議現場で、暴力団の乱入があったために、二階建の古い建物は組合の張った有刺鉄線で守られている。部屋の中には、すりきれた毛布が積み込まれや裸電球がプラさがっていて、頼りない光を投げかけていた。 

 定刻の六時をすこしすぎて会議がはじまり、自己紹介、簡単な規約の承認、共闘強化、交流の活発化など箇条書きの方針の採択、役員の確認で議事を終わり、畳の上に起ち上がってガンバローを三唱した。ひっそりとした、明るさも活気もない集会だったが、お互いに、もうあとにはひけないと決意していることを信じあっている連帯感が、ひしひしと感じられた。当日の出席は三○組合。役員には、金融共闘の日本信託、化学のエスエス、全印総連自立経済、全自交新宿自動車教習所、全国一般の正路喜社、東京信用金庫の各労組、及び日電栗橋守る会、地下鉄松尾守る会等が選出された。」

 その注で、執筆者の佐藤一晴さんは、「(2)こうして、本来の労働組合運動が、組織的にも運動的にも正常な機能を果たしていれば不必要な組織、歴史的にも国際的にも前代未聞の組織が生まれた。『本来は』不必要な、従って好ましくない組織でも、労働者の闘争が必要とすれば、 労働者の闘争の必要が既存の組織で満たされなければ、あらたに誕生するしかない。労働組合運動では、いつでも、最初に闘争ありき、つづいて組織が、である」とまとめている。

 21世紀に入った現代でも、労働運動史の弁証法はうまずたゆまず、その萌芽を育んでいる。

 そこで、編集子として、いま残しておかなければいけない諸文献を以下のようにPDFで読めるように整理・UPした(全部ではないが)。《このページはつづく》

   http://e-union.sakura.ne.jp/tokyo-sougidan/index.html

 ◆『東京争議団共闘の15年一ほんものの労働組合をつくるたたかい』(市毛良昌・佐藤一晴、労働旬報社,1976年)。最初、中林賢二郎先生が編集していた『危機における労働運動, 労働運動史研究58号』(1976年労働旬報社)に所収したもの。1970年代から80年代にかけて、東京争議団運動の進路を激励した論文。

 ◆1960年代から始まった東京争議団――「闘う労働者のど根性」

 ◆『たたかう個人加盟労働組合 : ルポルタージュ』――(山岸一章著、太郎書店、1967年)――この本が高度成長期の日本において「産業別個人加盟労働組合組織化」を描いた初めての本。うずもれている歴史から新たな光を!

 ◆『砦にひるがえる 勝利の旗 正路喜社闘争九年の総括』――(正路喜社労働組合支援共闘会議編、19672)――のちの『東京争議団物語』を書いた佐藤一晴さんたちの奮闘記。

 ◆『東京争議団物語』(東京地方争議団共闘会議編、労働旬報社、1965年)――「闘う労働者のど根性」以後の経験を総括し、あらたな前進の武器にすることをめざして、全争議団で組合員の手記を書く運動を進め、一年ごの一九六五年夏、『東京争議団物語』が出版された。このルポルタージュも、けっして理論的に整備されているとは言えないし、混迷の跡も多く残っている。しかし、大討論集会からの一年の歳月とその間の情勢の変化、大衆的総括運動の健康な反映、執筆過程で徹底した。

 ◆「ドレイ工場 たたかう労働者の長編劇映画」で全国へ――「ドレイ工場シナリオ」(山本薩夫・武田敦監督、1968年、労働旬報社)。「ドレイ工場東京争議団物語より 戦う労働者の長編劇映画シナリオ」、(19661版、労働旬報社)

 ◆1970年代向かって、新たな青年たちの闘い――『コブだらけの勝利』(全国一般神奈川地本油研分会、今崎 暁巳著、労働旬報社、1969年)。『良心の歴史をつくりたい』(報知新聞労働組合、報知印刷労働組合、報知印刷大阪労働組合編、労働旬報社、1970年)。

 ◆1970年代~80年代へ、主な東京争議団運動関連の出版物――『争議組合物語 828日の日本製紙闘争』、『早く高く勝利を 報知闘争の記録』、『石流れ木の葉沈む日々――三菱樹脂・高野事件の記録』、『大映 ふたたび不死鳥は翔ぶ経営再建・映画復興への挑戦』、『めしと団結 大阪生コン労働者の闘争』など。

 ◆ベストセラー『どぶ川学級』(須永茂夫著)の誕生――全金日本ロールの闘いの中で。映画「どぶ川学級」で日本全国へ 。

 ◆感動を呼んだ、『友よ! 未来をうたえ 日本フィルハーモニー物語』など日本フィル闘争3部作!(今崎 暁巳著)と映画化.

 ◆争議団運動めぐる図書と研究者・運動家の発信

 「労働者の闘いの記録――神奈川の事例を中心として」(光岡博美、駒沢大学教授、駒沢大学経済学論集、第11巻第3・4号)/ 「ニチモウキグナス労資紛争史 1 :  70年代における企業合理化と労働組合運動」→23、4へ(山本興治 下関市立大学、下関市立大学論集、公開日 2010-03-03)/ 「大映研究序説 ――映画臨戦体制と大映の創設」(井上雅夫、立教経済学研究第64巻第3号、2011年)/ 造船産業合理化から地場産業を守る闘い 元全日本造船機械労働組合中央本部書記長 大河内俊雄、静岡社会文化協会 

 

2018年7月20日 (金)

『企業別組合は日本の「トロイの木馬」』(宮前忠夫著、本の泉社、2017年4月)を読んでみた。

 (敬称略)

 少し時間がたったが、本書を読んでみた。著者とは面識がないが、下山房雄のHPづくりで、青木慧の本の書評(『「日本的経営」の裏舞台を描く――【書評】『ニッポン丸はどこへ行く』、朝日新聞社、1983年、「朝日ジャーナル」、1983916日号)を送っていただいたことがある。

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/simoyama/120915aokibook.pdf

 

 著者は全編通じて、「戸木田嘉久批判」を「中林賢二郎」(労働運動史研究者)の論に依拠し展開しているが、ここにも後継者が生まれているのかと驚いたのが、第一。

 ちなみに『戸木田嘉久著作集』(198812月から全5巻)の編集・企画をになったのが、編集子(会社の企画で立ち上がったが、その当時、戸木田論文を読んでいる人がいなかったので)。

 

 第二に、宮本顕治(共産党議長)の論をはじめ、荒堀広(1970年代から1990年代までの共産党労働対策部)幹部の文章を、「企業別組合論」から切っている。

 編集子が目を通してきた過去論文・単行本等では、4人目。個人の役割が大きいという認識があるので、指摘したい。

 

 ●201712 3 ()「日本における『福祉国家』と労使関係」(猿田正機稿)を再紹介する

  http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/post-3dee.html 

 ●2016710 ()『あたりまえの労働組合へ』・全造船石川島――議論は続く。

  http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-7f4c.html

 ●木下武男著『格差社会にいどむユニオン―21世紀労働運動原論』(花伝社、2007年09月)       http://e-kyodo.sakura.ne.jp/kinoshita/workers_union.html

 

 第三に、著者は“企業別組合(会社組合)と「団結体としての(個人加盟、職業別・産業別を原則とする)労働者組合」の本質的相違が明らかになれば、「日本における企業別組合体制の克服」が課題となるでしょう”(376p)と書かれているが、そうはいかないのが現状だ。


 企業別組合には、戦後からの長い経験値(「職場」を基礎に階級的・民主的強化論の流れ)や反合理化闘争の実践、倒産などの自主管理闘争の経験、地域闘争における「拠点論」などの経験など多数ある。

 

 東京レベルで見て、千代田総行動、東京総行動で1980年代に力を発揮した東京争議団の人たち(報知印刷、日本フィル、浜田精機、パラマウント製靴など)の成功例は「地域共闘」「統一行動」の思想だった。

 またマル生攻撃と闘い、「現場協議制」を獲得した国労など旧公共企業体労組は、「企業別組合」だったのが現実だ。

 

 総評内部には、高野実の影響で、全国金属(当時)や全港湾などには、プロ専従者による産業別指導部づくりが成功していた(今も)歴史がある。

 私鉄総連などでは、北海道地連出身の幹部が、総評議長になったこともある。

 現在でも著名な闘いを組んでいる私鉄広電支部は、私鉄中国地連を基礎に企業別組合として統一し、非正規労働者の正規化をみんなの合意で取り組んでいる。
 現段階で「中小企業労働運動の領域」で、組織拡大を進めているのは全国一般東京東部労組をはじめ「企業別組合の連合体」だ。

 

 本書は、階級的民主的労働運動を主張している人たち向けに書かれているが、1960年代以降、残念ながらその影響力は大きいとは言えない。

 その流れを引き続いている全労連傘下の医労連、生協労連、全労働(国公労連)、JMITUなどは、びくともしない「企業別組合」だ。
 編集子は今研究・実践が始まっている「業種別職種別ユニオン運動」がそれと併存する形で、推移していくと予測している。

 

 すべての担い手に、納得できる提起をするように著者に期待したい。

 

 本書に展開されている「戦前以来の政府・財界・官僚の取り組み、戦後直後の労働組合法制」などは、読んでいただきたい。(敬称略)

 《注》以下のような、著者のプレゼンが書かれている。

 企業別組合(会社組合)と「団結体としての(個人加盟、職業別・産業別を原則とする)労働者組合」の本質的相違が明らかになれば、「日本における企業別組合体制の克服」が課題となるでしょう。(中略)

 この原則・結論の適用・応用にあたっては、既存分野・領域――①企業別組合をめぐる取り組み(主として大企業企業別組合の内部・関係部署での取り組み)、②(主として個人加盟の)諸形態の「企業別組合」でない労働者組合(合同労組、一般労組、地域労組、専門職労組など)と、新規に組織化する分野・領域(従来、「未組織労働者」とよばれた、現時点で組織を持たない「無組織労働者」の組織化運動)の両者を、その区別と連関・統一においてしっかりと位置づける戦略・戦術が必要とされるでしょう。

 一般的対応論として言えば、当面は「共存的組織論」の範囲にとどまるのか、それとも、当初から個人加盟の職業別・産業別組合を前提条件として既存組織再編と新規組織化に取り組むのか、を明確にすることが大切です。「共存的組織論」を排して、職業別・産業別組合組織化に取り組む場合は、いずれの職業別・産業別組合も全国規模・レベルとなるので、適切な全国的センターの設置が必須となるでしょう。さらに、同センターが必要とされる権限や機能(組織力、財政力など)を持つことも要請されるでしょう。また、企業別組合とその支配的体制の法的根拠となっている現行労働組合法とその関連法制の根本的改定問題も浮上するでしょう。376p)

 

《別掲》企業業別組合は日本の『トロイの木馬』」(宮前忠夫著)をめぐって[20171118 ()

 http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/post-e777.html

 

2017年11月18日 (土)

「企業別組合は日本の『トロイの木馬』」(宮前忠夫著)をめぐって

 ◇追加(2018.07.20)

 『企業別組合は日本の「トロイの木馬」』(宮前忠夫著、本の泉社、2017年4月)を読んでみた。

  http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/20174-abab.html

 

 ▽ここから本文。

 20177月に出版された、「企業別組合は日本の『トロイの木馬』」(宮前忠夫著)で論議が出回っているようだ。

出版社サイトによると、以下のような本だ。編集子は残念ながら未読(2018.07.20に読んだ)。関心がある方はどうぞ。

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http://honnoizumi.shop-pro.jp/?pid=117022708

 

【書籍説明】

 日本の常識となっている「労働組合」という用語・概念も、「企業別組合」という組織形態も、財界と支配階級が労働者・国民を欺くために、贈り物を装って送り込んだ社会的偽装装置・「日本版トロイの木馬」であり、世界の非常識であることを歴史的・理論的に検証。この視座に立って、戦前・戦後の内外の議論を批判的に分析・総括し、21世紀日本における企業別組合体制克服をめざす様々な「蠢動」を紹介しつつ総合的戦略の構築を訴える。

 【目次】

 第1章 「日本にはトレード・ユニオンがない」 ――問題の原点・「団結体としての(個人加盟、職業別・産業別を原則とする)労働者組合」

 第2章「トレード・ユニオン」が「労働組合」になるまで

 第3章 企業別組合は誰が、どのように創り出したのか ――日本版「トロイの木馬」(その1) 第二次世界大戦期まで

 第4章 企業別組合は誰が、どのように創り出したのか ――日本版「トロイの木馬」(その 2) 第二次世界大戦直後の法制化と法認

 第5章 米欧主要国の団結権と労働者組合 ――世界の常識と「企業別組合」

 第6章 外国から見た日本の「労働組合」とその実体としての「企業別組合」

 第7章 「企業別組合」をめぐる21世紀の闘い(1) ――今日の「企業別組合」論

 第8章 「企業別組合」をめぐる21世紀の闘い(2)――新たな対応の開始

 付録編 日本の「労働組合」運動に関する訳語・誤訳・不適訳問題

 

紹介したいと思ったのは、Tさんが「労働総研・労働運動部会」(20176月)で報告されているメモがWEB上に出ていたことと、編集子が「現代労働組合研究会のページ」にUPした中林先生他の諸文献が議論のベースになっていること。

 

小川善作など「組織論研究にあたって」

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/140215sosikiron.pdf

 

長船の経過論文、鈴木博の石川島・浦賀研究など2000年の神奈川県委員会の文書http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/120112yunionsyopu.htm#communist

 

  河西氏の少数派労働運動論、戸塚章介(「ロストユニオン」)、木下武男氏(「格差社会にいどむユニオン」)、中村浩爾・寺間誠治氏など京都での組織論研究会(「労働組合の新たな地平」桜井善行論文)、浅見和彦氏など「『一企業一組合』の弊害」「複数組合主義」の主張は多い。中林賢二郎氏の「一企業一組合」論の提起にもとづく整理が必要。

 

◇資料・中林賢二郎=大月・日本の労働組合運動⑤「現代労働組合運動の組織論的課題」および「労働組合組織論」抜粋

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/nakabayasi/nakabayasi-ronkou.htm

 

 ◇浅見和彦、「戦後日本の労働者と労働組合運動――その現段階と課題」、『唯物論』、東京唯物論研究会、201511月、No.89」をUP。

   http://e-kyodo.sakura.ne.jp/asamikazuhiko/index.htm

 

 ▽追記(2016.07.10):『あたりまえの労働組合へ』・全造船石川島――議論は続く。(「労働組合の新たな地平」桜井善行論文)

http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-7f4c.html

 

2016 730日(土):労働組合運動の再生・強化と日本型産業別組合の可能性 小林宏康[3]、特集●労働運動の再生と産業別組織の課題、「労働総研クォータリー」、2015年夏号(20157月発行) (PDF版)

20140706日:非正規・未組織労働者の組織化と産業別組合の強化―すべての労働者のための労働組合へ―、労働総研クォータリ-No.7677、小林宏康[2](PDF版)。全国金属―JMIUの産業別統一闘争―「日本型産業別組合の可能性」について―、小林宏康[1]](PDF版。

  http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/sorezorenoroudou-4.htm#jmiu1

 
 
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/sorezorenoroudou-4.htm#jmiu2

 

 

[議論の出所サイト]kouichi31717さんの「憲法とたたかいのブログトップ」のメモより。2017082921:54

 

  ▽2018.11.26 12:25(新ページ)

◆◆宮前忠夫著「企業別組合は日本の『トロイの木馬』」読書メモ

https://setani621.amebaownd.com/posts/5309742

 

🔵🔵憲法とたたかいのblogトップ

https://blog456142164.wordpress.com/2018/11/29/憲法とたたかいのblogトップ/

 

労働総研・労働運動部会(20176月)で報告した読書感想です。企業別組合克服論についてたいへん独創的・刺激的な提案がされており、とくに国際的な視点について傾聴すべき提起がふくまれています。しかし、それを具体化した日本での克服方向については、一面的な主張が多々ふくまれています。それらをあえて指摘させていただきました。

筆者の見解に異論のある方もいらっしゃると思いますので、このブログで反論その他を掲載いたしますので、投稿していただければ幸いです。投稿欄から御連絡下さい。 

 

宮前忠夫著「企業別組合は日本の『トロイの木馬』」読書メモ、憲法とたたかいのブログトップ、

 

[別の書評サイト]hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)、宮前忠夫『企業別組合は日本の「トロイの木馬」』、2017429 ()

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/post-732d.html

 

2017年11月12日 (日)

中賢さんと私――《編集子のことなど 2》

  この世からなくしてはいけない《「Windows95」以前の労働組合運動史》で、ぜひ、次の世代に伝えたい労働組合運動研究者のひとりが中林賢二郎さん(当時、法政大学社会学部教授)だ。

 

 当時から尊敬をこめて「中賢さん」の愛称で数多くの学生、労働組合運動家から慕われ、年齢差を超えて真摯に学びあった(学んだ)。

 「中賢さん」は、19861月に亡くなり、あれから25年もたつ。誠に残念なことだった。遅い時期(50代?)に教授職に就きながら、少なくない研究者や労働組合活動家を育てた。

 

 出版物では『世界労働運動の歴史』(上・下、労働旬報社、1965年)が有名だが、同時期の友人だった木檜哲夫さん(1960年代の労働旬報社代表)が編集・出版した。

 

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 この本を読んで初めて「組織のきっかけは、一杯の黒ビールを飲む会から始まった」「ラダイト運動」「チャーチスト運動」「労働組合、その過去、現在、未来」などを新鮮に学んだ人が多かったのではないだろうか。

 

 「中賢さん」は、それから数多くの著作を出版したが、私は編集者として、『現代労働組合組織論』(19796月)の編集に参加した。

 

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 問題意識は、「1970年代後半の、連続する春闘敗北の原因は、政府・財界の危機管理戦略の展開と日本における労働組合組織論が十分、議論されていないからではないか」というテーマだった。

 

 後者のテーマについて、やはり「企業別組合」ではない、全国につながる組織づくり(業種別・地域別一般労働組合)を担う労働組合活動家を育てる必要があるのではないかという、先生の問題意識の緒論(本論の端緒となる議論。本論にはいる前の、総括的な、また手がかりを示す論。序論)を書いてもらった。


 亡くなる最後の仕事になってしまったが、企業別組合についての議論を旺盛に展開している(『日本の労働組合運動』第5巻、「企業別組合と現代労働組合運動の組織論的課題」、大月書店、19856月)。

 

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  木下武男:「労働運動「自己改革」の議論」のページにUP

       http://e-kyodo.sakura.ne.jp/kinoshita/jikokaikaku.html


 さてその後について、歴史は変化・発展したのか?

 

  「中林賢二郎のページ」

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/nakabayasi/nakabayasi-ronkou.htm#dai5kan

  up 20120429日(この時期に書いたはずだ)

 

2017年11月11日 (土)

木下武男さんの「労働組合「自己改革」期論」について

2017114日(土)に開催された第2回「業種別職種別ユニオン運動」研究会で提出された木下武男さんのコメント(「労働組合「自己改革」期における出版労連の先駆性」)を読みながら、私が「現代労働組合研究会のページ」で編集してきた人たちが、「4.労働運動「自己改革」の運動家」として紹介されているのには、びっくりした。

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/111210roudou-index.htm

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/union-top.html

 

先生とは、分野が違う編集者として飯を食った時期が多く、いくつかの飲み会で会うぐらいだった。それにしても注目していた人は同じだった。

「木下武男のページ」より。

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/kinoshita/index.html

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/171104dai2kaireikai.html#kinoshita171110

 

 そのお名前と注釈は、以下の通り。URLをクリックしてもらうと、当該のページにリンクしている。

1)改革の運動家(そして改革の研究者)

  ◇小川善作(元全造船機械調査部長)→「第一組合主義者」

      「いずれ職場の多数派になるといっても、それは百年河清をまつに等しい」

     「造船産業における少数派運動」、造船問題研究家・小川善作、『労働法律旬報』(1186)、1988225

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/140215sosikiron.pdf

      (1970年石川島播磨 7500 vs 2900 → 30

 

 ◇石垣辰男(元電機労連調査部長)→「産業別活動家集団論」

      「栴檀は双葉より香し」

     「わが国労働組合の組織問題」、『現代の労働と生活Ⅲ 労働組合の民主的変革』、深井龍雄(黒川俊雄編、19853月、労働旬報社)

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/sorezorenoroudou-3.htm#ishigaki

  ◇佐藤一晴[「佐藤一晴遺稿集」のページ ](元日本音楽家ユニオン事務局長)→「職能ユニオン論」

  「法律と役人と警察がいて労働者の利益が守れるならば、この世に労働組合は要らない。」

  「職能ユニオンの可能性――開かれた労働市場と「企業社会」の乗り超え」、佐藤一晴、初出:「賃金と社会保障」(労働旬報社、199611月上旬号)。

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/sorezorenoroudou-3.htm#satou2017-11

  「音楽家ユニオンの供給事業」『労働法律旬報』19852月下旬号

 2)改革の波の退潮(1990年代-2000年代)

      ◇関西生コン支部の分裂・脱退(1983年)

      ◇ナショナル・センターの発足(1989年)

 

 ▽以下は「当日のレジュメ」より

Ⅰ.労働運動「自己改革」の議論

   ◇出版労連の組織改革は、労働運動「自己改革」の時期になされた。

   ◇「業種別職種別ユニオン運動」研究会は「自己革新」の波の退潮のなかで再登場した。

  1.『講座 労働組合運動の理論』(全7巻)……分岐 (大月書店刊、1969年)

  (1)批判→労働組合組織論の提起

   ◇資本蓄積→労働組合の発展の条件:①社会的貧困、②労働者の数の増大

       ―→ 「労働者をいかに思想的に強化するか」

   ◇「労働者の組織化の形態の問題」や「企業別組織の問題について、十分に考慮しない傾向」

      ―→中林賢二郎『現代労働組合組織論』(労働旬報社、1979年)

  (2)企業別組合で「あるべき論」と反論

   ◇宮本顕治「労働組合」は「私どもはある職場、ここでは一組合であるべきである」(1980年)

   ◇戸木田嘉久「企業別組合」、「それは組織形態上は資本と賃労働に対峠する直接的な場を基礎にした、『一企業・一組合』の組織原則にかなった組織」

   「日本における『企業別組合』の評価と展望」、『巨大企業における労働組合』、大月書店、(1976年)

   ◇中林賢二郎「工場のなかに一つの企業別組合をつくるという意味ではなく、一工場の労働者を一つの産業別組合の地域組織に結集する意味であった」(1979年)

   ★一組合で「あるべき論」 →企業別組合擁護 →個人加盟組織の否定論

 

  *労働組合組織論のスケッチと提言――運輸・建設部門労組の組織合同を機に、浅見和彦、賃金と社会保障、1183号、19968月上旬号

 

  2.『日本の労働組合運動』(全7巻) (大月書店、1985年)

   第5巻の課題と構成(中林賢二郎)

    「企業別組合」と現代労働組合運動の組織的課題 (中林賢二郎)

   ◇「一般労働組合」方式の提起と実践

    ・1973年「建設一般」、1978年「運輸一般」、1978年「化学一般」

      運輸一般一関西生コン支部

    ・イギリス運輸一般の紹介文献

   ◇業種別職種別ユニオンの提唱

    「企業横断的組合運動の発展と業種別、職種別団結の今日的意義」(加藤佑治)

   (「未組織労働者の組織化は戦略的課題」木下武男/三瀬勝司)

     第5巻「労働組合組織論」

  3.『労働問題実践シリーズ 1から8巻』(大月書店、1990年)「自己改革」の事例研究:頂点

  (1)民間大企業における少数派運動

   『労働問題実践シリーズ6 組合運動の新展開』(大月書店、1990年)

   ◇「4組合分裂・組織破壊とインフォーマル組織」

     〔事例1〕インフォーマル組織の攻撃

          雪印食品のばあい(「インフォーマル組織の過去・未来」、現代労働組合研究会のページ)

     ◇「5 民間大企業における労働者支配への挑戦」

       〔事例1〕日本鋼管鶴見造船「希望の会」/〔事例2〕地銀連と全銀連絡会/〔事例 3〕全造船機械・三菱重工支部

  (2)職能ユニオンの運動

    『労働問題実践シリーズ1 就職・転職・失職』(大月書店、1990年)

     ◇「10 専門的技能労働者の雇用」

        〔事例1〕出版産業での取り組み

       〔事例2〕業界にも影響を与える観光労連の取り組み

    『労働問題実践シリーズ5 労働組合を創る』(大月書店、1990年)

     ◇「3 産業別・職能別組織化のめざましい発展」

      〔事例1〕プロ野球労組 /〔事例2〕音楽家ユニオン /〔事例3〕東京土建

      〔事例1〕出版労連 / 〔事例2〕電算機関連労働組合協議会(電算労)

 

2016年5月16日 (月)

ショップ・スチュワードに注目していた出版物――中林賢二郎さんのページ更新

3年前になるが〈2013415 ()〉、「ショップ・スチュワード、サンジカなどヨーロッパの労働組合を紹介――中林賢二郎さんのページ更新」をUPしたが、毎月、10人ほどROMで入ってくる人がいる、

http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-1247.html

 

WEB上の検索でも、「ショップ・スチュワード情報」は、ほとんどUPされていない状況にもよるだろうが、日本の労働組合運動の再生を願っている人には、「職場に労働運動を形成する」ヒントとして「ショップ・スチュワード」があるのではないかと考え始めている――だから読み手が生まれていると編集子は考えている。

 

忘れていたわけではないが、故中林賢二郎さん(法政大学)が1980年初頭にイギリス留学時代のレポートが1冊の単行本になっている。

書名は『イギリス通信――経済危機と労働運動』(中林賢二郎著、学習の友社、新書版、1981925日)だ。

 

160512england

  その中でもショップ・スチュワードが「職場委員」という項目で書かれているので、サイトにUPした。

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/nakabayasi/shopstewards.html

 

読み返してみると、その量的多さにビックリした。

 「一九七一年の推定では、全イギリスで二五万から三○万におよぶ職場委員が選出されており、七三年にはこれが組合の存在する全経営の八○パーセントで活動しているものと推定されています。」


  イギリスの人口は2013年時点で推計6,410万人、日本のほぼ半分。

人口に占める労働者の割合は、今特定できないが、日本社会なら「50万人を超える職場委員」がいることになる。

 

その職場委員は、以下のような人たちだという。
 [
一九六○年代半ば頃の調査では、その典型は、「四五歳の熟練工で、会社内でも組合でも『出世』する気のない労働者」だとされていましたが、その後の調査によると、もっと若い層が選出されるようになっており、最近、シェフィールドの機械産業労働者についておこなわれた調査では、四○歳以下がその半数を占めていたといわれます]

 

 また職場委員像として、以下のようにタイプ化して書かれている。

 

 [第一は、組合運動の原則を身につけ、組合員からも信頼されて、職場労働者をひっぱっていくような、いわゆるリーダー型職場委員です。かれらは原則を身につけているだけでなく、休憩時間には職場労働者の誰とでも話をし、ジョークをとばし、ゲーム(チェスなど)もすることで、職場労働者の全員に親しまれ信頼されていると同時に、こうしているあいだに、組合員の要求や意識の程度を敏感にとらえてゆく能力をもった人たちです。

  第二は、原則によって行動し、リーダーシップを発揮するのでなく、職場労働者の平均的な意見に従っているだけの職場委員です。

  第三は、状況しだいでどのようにでも言動を変える、信頼のおけない職場委員です。

  第一の型がもっとも職場委員らしい、また成果をあげることのできる職場委員です

  このリーダー型職場委員は、民間企業の現場にもっとも多く、事務労働者や公務員では第二の型の比率がふえることも、調査の結果明らかにされています。

  職場委員のすべてがリーダー型であるわけではなく、第二、第三の型をふくんでいることは、職場組織が企業内の組織であるだけに、重要な問題をのこしています。

  というのは、リーダー型職場委員でさえ、ときには経営側との交渉に深入りしすぎて、組合員から浮きあがり、企業側のとりこになって、職場労働者の利益を裏切る例もでてきているからです。

  そして、今日では民間企業だけでも、五○○○人、公務・公企体をふくめると一万人以上の常任職場委員(有給で、仕事をはなれ、職場委員の仕事に専念する。その大部分は、職場委員でつくられる職場委員会の代表)がいるといわれるだけに、職場労働者がうっかりしていると、企業側が手をまわして、職場委員会と組合とを切りはなし、これを企業側のとりこにしてしまうという可能性は、おおいにありうることなのです。]

 

 故中林さんは、「日本の組合とイギリスの組合」なかで以下のように、イギリスの労働組合運動をとらえている。

 

[イギリスの労働組合運動にとって伝統的な多数組合制(いくつもの組合が同一企業の労働者を組織していること)や地域別・産業別、もしくは地域別・業種別の団結の原理(そうしたいくつもの組合に分属する労働者が、企業の枠をこえて団結し行動すること)]

 [企業の枠をこえて団結し、同一職種や同一産業の労働者の賃金・労働条件を守る――これが労働組合だという意識・常識が、労働者のあいだにひろく根づきました。]

[なぜイギリスでは日本とちがってこうした企業の枠をこえた組織が発達し、今日なお力をもっているのでしょうか。

 最大の理由は、一九世紀の六○~七○年代にイギリス労働組合運動が確立し、運動をささえる伝統、意識、習慣が形成されたことにあるものと思われます。]


  このような伝統と産業の変化などに対応していると「職場委員」の前に書かれている。

 

 さて35年前のレポートだが、このような「職場委員」(ショップ・スチュワード)は今どうなっているのか、知りたいものだ。

  ▽追記:13/04/15➡
16.05.26(本文をスキャンして、このページでも読めるようにした)

   http://e-kyodo.sakura.ne.jp/nakabayasi/shopstewards.html#shopstewards-2

 

イギリスのショップ・スチュワード――イギリス労働組合運動における職場組織と職場委員

  現在(2013年)の労働組合組織率は、「17.9%(前年比0.2ポイント減)と、昭和22年の調査開始以降、過去最低を更新した」と報じられているなかで、その労働組合員の7割が大企業社員・公務員だ。

 大部分は連合加盟の単産だが、ヨーロッパのように複数の産業別組織が地域にあるわけではなく、職場における労働条件の交渉や人員配置について、だれがになっていくのか――日本の組合活動家も、昔は勉強していたようで、今はあまり聞かれなくなった。それは団体交渉や労働協約闘争がなくなった組合しか見えていないからだ。

 

 1800万人に及ぶ非正規労働者をどのように組織するか、これが時代のテーマだし、「大企業官制高地論」を昔から信じていなかったが、未来に「新しい産業別・地域別のユニオン」ができることを期待している。

  これからは、地域を軸に職場に攻め上るしかない。

  その暁に登場してほしい話がこの論文だ。

 中賢さんは『現代労働組合組織論』(1979年刊)を書いているが、それ以後にイギリスにおける職場レベルの担い手=ショップ・スチュワードshop stewardについて、大原社研の室報に書いているので、ここに再現したい。

  柱立ては、

 その歴史

 組合とショップ・スチュワード

 ショップ・スチュワードが獲得した諸権利

 現在のショップ・スチュワードの任務

 ショップ・スチュワードのタイプ

 スチュワードの戦術

 合同協議制とショップ・スチュワード

 プランにおけるスチュワードの組織

 組合との関係

 ショップ・スチュワードの企業別組織

2013年9月26日 (木)

『現代労働組合組織論』(中林賢二郎著、1979年刊)の今日的意味

 ▽追記(20209 6 ()):『続・現代労働組合組織論』の本づくり

  http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2020/09/post-48dd2d.html

 

 1980年代に向けて中林賢二郎先生が分析した『現代労働組合組織論』(19796月刊)について、労働組合の組織率が低下してきている現在、若い世代に読み直してほしいと願って、本書の半分ほどをPDFでUPした。

 

 中林賢二郎のページ  (PDFで読めます)

 

 そして大月書店版の『労働組合組織論』(日本の労働組合運動 519856月刊)の「企業別組合と現代労働組合運動の組織論的課題」については、出版社が別なので今の段階ではUPできないが(追加訂正、PDFで読めるようにしてあります。18.05.01)目次を掲げた。

 

 同論文で中林先生は、1980年代の労働組合運動で解決が求められていた「6 企業別組合克服の組織論的課題」の柱として、「総評組織綱領草案と春闘、新しい客観的・主体的条件、組織論的課題」を書き、その実現に向けた提言をしていた。

 

 3番目の「組織論的課題」こそが、「労働組合選択の自由」を説いたもので、「現代労働組合研究会のHP」をつくりだした大事な課題意識だ。

 その部分だけは、以下、UPしておく。

 

中林賢二郎のページ  (PDFで読めます)

 

 目次(全ページ)

 1970年代の労働組合運動の到達点をどうみるか

原題:第1章 現代労働組合運動の現状と課題

 第一章 労働組合運動の現状と課題

  一 わが国労働運動の現状

  二 構造不況下における運動の高揚と停滞

   1 組合員数の増減

   2 ヨーロッパにおける闘争の前進.

 三 わが国における闘争発展の阻害要因は何か

   1 考えられるいくつかの要因

 2 わが国労働組合運動のもつ闘争エネルギー

 四 ヨーロッパ諸国とわが国の組合の組織形態と運営方法のちがい

  1 組織形態と運営のちがい

  2 新しい情勢への組織形態の適応と組合民主主義の強化

 五 わが国労働組合運動おける組合民主主義と地域共闘の強化の課題

 

 現代労働組合組織論の提起

原題:第六章 わが国労働組合運動の組織論的課題

 ――未組織の組織化と地域共闘

  一 現代労働組合運動の一般的諸課題

  二 同盟と総評の組織方針

  三 組織論的視点の再検討

  四 未組織の組織化と一般労働組合

   l イギリス運輸一般労組の影響

   2 未組織の組織化の必要性

   3 組織化の条件の成熟

  五 産業別組織内における地域的団結の強化の課題

  六 地域共闘の強化と統一戦線

   むすび

 

 1970年代におけるイギリス運輸一般労働組合から学ぶ

  原題:補論 イギリス運輸一般労働組合の教訓と一般労働組合の課題

  一 はじめに

   1 当面する組織化運動の問題点

   2 建設労働や清掃労働に起こった変化

  二 イギリス運輸一般の組織化運動と教訓

   1 運輸一般労働組合の発足

   2 今日の運輸一般労働組合

   3 建設労働者の組織化過程

   4 運輸一般労働組合の組織化運動の教訓

   (1) 職業別労働組合の成立と限界

   (2) 半熟練・不熟練労働者の組織化の条件の拡大

   (3) 建設産業と半熟練・不熟練労働者の組織化

  5 運輸一般労働組合の階級的強化

  6 一般労働組合の組織形態 

  (付) 主要労働運動関連統計指標

 

  『日本の労働組合運動』の刊行にあたって

  第二巻の課題と構成

  一  企業別組合と現代労働組合運動の組織論的課題 中林賢二郎

 

  はじめに

   1 労働組合組織の現状

    大企業の組合員数の減少/中小零細企業労働者の組織化の進展

   2 企業別組合運動後退の諸要因

   3 企業別覿織形態の特異性

    職業別組合/一般労働組合/産業別労働組合/企業別組合/企業別組合の会社組合化

   4 歴史にみる資本と企業別組合

    日経連の企業別組合礼讃/戦前のエ場委員会と労働組合しめだし/自主的工場委員会か会社組合か

   5 企業別労働組合の成立と企業別組合諭

    日本人論/年功的雇用関係との関連/階級闘争的視点/戦後企業別組合の成立/労働者階級のなかの特殊な層と企業別範合/下請支配の構造

   6 企業別組合克服の組織論的課題

    総評組織綱領草案と春樹/新しい客観的・主体的条件の成熟/組織論的課題

   

  ◇追記 以下を参考にしてください。

    日本における産業別一般労働組合の再検討のために 

     「労働組合選択の自由」を論ずる 明日へのうた――労働運動は社会の米・野菜・肉だ(戸塚章介のブログ

2013年4月15日 (月)

ショップ・スチュワード、サンジカなどヨーロッパの労働組合を紹介――中林賢二郎さんのページ更新

  ▽追記(2016.05.18

  ショップ・スチュワードに注目していた出版物――中林賢二郎さんのページ更新

  http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-35a6.html

 

 わが国でも1980年代までは、イギリスやフランス、イタリアなどのヨーロッパの労働組合の活動がたえまなく紹介されていた。

まだ「労働」に関心を寄せる人たちが多く、これらを紹介する本・労働雑誌などの読者は、総評系の労働組合活動家が多かったのではないか。この当時は、まだ「幹部闘争から職場闘争へ」「統一と団結」など、職場に根を張った労働組合づくりがテーマだったからだ。

 その時代に中林賢二郎さん(当時・法政大学社会学部教授)は、イギリスの「ショップ・スチュワード」やフランスの「サンジカ」の紹介を論文として発表している。

 

 いまではインターネット上に2つのキーワードが紹介されている論文・エッセイは数少ない。

 前者は、日本大百科全書(小学館)で「職場委員(しょくばいいん)――
職場ごとに選出された組合員の代表者。労働組合の組合民主主義の徹底を図る一環として欧米の労働組合においてとくに発達した制度で、ショップ・スチュワードshop stewardともいう。職場委員の任務は、組合中央機関の指令・決定を末端の職場において周知徹底を図る一方、労働協約が規定どおり守られているかを監視したり、職場における組合員の苦情・要求を処理し、または職場の組合員の声を組合中央に連絡・報告することにある。この意味で職場委員は、職場の組合員と組合中央機関をつなぐパイプの役割を担っている。職場委員の多くは信頼の厚い組合員であり、その活動はほとんど無報酬である。[執筆者:吉田健二 ]」と紹介されている。

 

 後者のサンジカを紹介している「フランスの労働組合・労働運動――長い後退期を経て活性化のきざし、独立行政法人 労働政策研究・研修機構」では、「労組の基本単位は、サンジカと呼ばれ、一定の地域の産業または職種別に置かれる。そのサンジカの下部組織として地区の支部、さらに支部の下に企業別、事業所別の分会を置くのが一般的。そのため、中小を含む多くの企業、事業所内に、小規模の組合が複数存在することになる。これら労組は、組合費の徴収、企業内での団体交渉などを主な活動とし、ライバルでもある他労組と日常的に顔をつき合わせて勢力争いをしている」と書いている。 

http://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2004_12/france_01.htm

 

 1989年にイタリアのトリノのCGILに調査・取材に行ったとき、先に来ていたのは「韓国の青年労働者たち」だった。

 国労の方の「複数ある職種別組合の企業内統一がなぜテーマにならないのか」という質問に対して、トリノの地域組合リーダーは「韓国の労働者は、産業別地域組織が職場にどのように力を入れていくのかという話が中心だった」と、言っていたのを記憶する。

 

 何か違っていたのではないか。

さて、いまさらでは遅いかもしれないが、その違いを考えるためにも。以下に「中林賢二郎のページ――労働組合運動への提言」を新規に起こし、UPした。

 コミュニティ・ユニオンや地域ユニオンに参加している青年・女性たちが、「職場」「地域」「職種別」「産業別組織」をつなげ運動を展開し、未来を語る上で参考になる情報ではないかと確信している。 

 
  中林賢二郎のページ

  http://e-kyodo.sakura.ne.jp/nakabayasi/nakabayasi-index.html

 

  中林賢二郎のページ――労働組合運動への提言(新規ページ)

  http://e-kyodo.sakura.ne.jp/nakabayasi/nakabayasi-ronkou.htm

 

13/04/15

イギリスのショップ・スチュワード――イギリス労働組合運動における職場組織と職場委員

掲載誌:研究資料月報 / 法政大学社会労働問題研究センター、法政大学大原社会問題研究所、(通号 278) 1981.08(PDF版)

フランス労働組合の組織形態と企業内における組合活動の権利

初出掲載:『ドゴール体制下の労働運動と五月ゼネスト――国家独占資本主義下の政治闘争と経済闘争、フランス総同盟、19685月ゼネストの闘争記録』(中林賢二郎・井出洋・小森良夫・坂本満枝 編訳、労働旬報社、A5判、19693月)  (PDF版)

企業別組合の歴史的形成と弱点の克服

掲載誌:日本の労働組合組織の問題点をえぐる――企業別組織の歴史的形成と弱点の克服、今日の組織問題(創刊6周年記念総特集)中林賢二郎・切山登。労働・農民運動、74号、19725月号(PDF版)

 

追記――「芹澤寿良のページ」でくわしい書評があるので、いっしょに紹介しておきたい。

《書評》イギリス労働運動の現状をどうとらえているか

日本の社会科学者が現地にみた現代イギリス労働運動の最近の動向――中林賢二郎著『イギリス通信――経済危機と労働運動』を中心にして、芹沢寿良、昭和57年(1982331日発行、高知短期大学『社会科学論集』第43号抜刷

 

 はじめに

   一 現代イギリス労働組合運動の基礎知識

  (イ)イギりス労働組合運動の組織的特徴

  (ロ)職揚委貝(ショップ・スチュワード)

  ニ イギりス労働運動の今日の発展の背景と指標 

  三 イギりス労働党の左旋回―その状況

  四 イギりスにおける労働運動の現状(一九七九年)の評価をめぐる論争

  五 イギりスの労働者の「連帯」・ストライキと市民・生活水準

  (イ)イギりスの労働者の「連帯」―労働組合の力の源泉

  (ロ)ストライキと市民の反応

  (ハ)生活水準

  六 イギりス労働運動と市民社会の展望についての感想

 

▽現代労働組合研究会のHP

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/111210roudou-index.htm

 

2012年5月 4日 (金)

中林賢二郎さんのHPをオープン―現代労働組合研究会Ⅷ

この世からなくしてはいけない《「Windows95」以前の労働組合運動史》で、ぜひ、次の世代に伝えたい労働組合運動研究者のひとりが中林賢二郎さん(当時、法政大学教授)だ。

当時から尊敬をこめて「中賢さん」の愛称で数多くの学生、労働組合運動家から慕われ、年齢差を超えて真摯に学びあった(学んだ)。

「中賢さん」は、19861月に亡くなり、あれから25年もたつ。誠に残念なことだった。

遅い時期(50代?)に教授職に就きながら、少なくない研究者や労働組合活動家を育てた。

 

出版物では『世界労働運動の歴史』(上・下、労働旬報社、1965年)が有名だが、同時期の友人だった木檜哲夫さん(1960年代の労働旬報社代表)が編集・出版した。

この本を読んで初めて「組織のきっかけは、一杯の黒ビールを飲む会から始まった」「ラダイト運動」「チャーチスト運動」「労働組合、その過去、現在、未来」などを新鮮に学んだ人が多かったのではないだろうか。

 

「中賢さん」は、それから数多くの著作を出版したが、私は編集者として、『現代労働組合組織論』(19796月)の編集に参加した。

 

問題意識は、「1970年代後半の、連続する春闘敗北の原因は、政府・財界の危機管理戦略の展開と日本における労働組合組織論が十分、議論されていないからではないか」というテーマだった。

後者のテーマについて、やはり「企業別組合」ではない、全国につながる組織づくり(業種別・地域別一般労働組合)を担う労働組合活動家を育てる必要があるのではないかという、先生の問題意識の緒論(本論の端緒となる議論。本論にはいる前の、総括的な、また手がかりを示す論。序論)を書いてもらった。

亡くなる最後の仕事になってしまったが、企業別組合についての議論を旺盛に展開している(『日本の労働組合運動』第5巻、「企業別組合と現代労働組合運動の組織論的課題」、大月書店、19856月)。

さてその後について、歴史は変化・発展したのか?

 

中林賢二郎のページ

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/nakabayasi/nakabayasi-index.html

 

《追加しました》2012.05.10

4 中林先生と私たち

五十嵐仁の転成仁語(TOPページ右肩で「中林賢二郎」と入力して検索)

大久保史郎教授オーラルヒストリー

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