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編集子のことなど

2018年4月26日 (木)

レオ・ヒューバーマンなどの著作を指導された――川﨑教授の教養ゼミ一期生

 一九六〇年代末、私は虎ノ門近くにあった労働旬報社でアルバイトをしながら大学に通い始めた。そのころ『労働法律旬報』『賃金と社会保障』を主に発行していたので、アルバイトはその宛名印刷と都内の法律事務所・労働組合への集金であった。

 大学では、石母田正先生の「歴史学」や早川元二先生の「心理学」など、それまで学んでいなかった講義を自由に聴き、楽しんでいたが、全国に吹き荒れた全共闘諸君の大学封鎖のあおりで、ほとんど行くことがない状況になった。


 その折、木檜哲夫さん(当時の代表)から、「川﨑君の下で編集の勉強をしなさい」と命令に近い声がかかり、労旬新書の校正にあたった。ただし条件付きで、「毎月レポートを書くこと」ということで、川﨑教授の〝教養ゼミ演習〟が始まった。内容は、毎月何冊かの岩波新書を読み、そのなかからレポート(半ペラ一〇枚ほど)を書くことだった。今でも記憶している本は、渡辺洋三先生の『法というものの考え方』(一九五九年)のレポートと審問だ。

 小さな応接間で川﨑さんから「法学者としてどのようなスタンスを持って書かれたのか、位置付けがない」という厳しい指摘だった。まったく分かっていなかったので本当に困っていた時、木檜さんから「いや十分、本を理解できているレポートだ。これから勉強すればいい」という発言があった。


 次に記憶しているのが、レオ・ヒューバーマンの『資本主義経済の歩み』(一九五三年、〈上・下〉、雪山慶正訳、岩波新書)、『労働組合入門』 (1956) 、全日本損害保険労働組合大阪地方協議会青年婦人部、 青木新書、1956、『アメリカ人民の歴史〈上・下〉』 小林良正、雪山慶正訳、岩波書店〈岩波新書〉、1954とアレーン・オースチン『アメリカ労働運動の歩み』 (一九五四年、〈上・下〉、雪山慶正訳、青木新書)であった。

  前者はアメリカ資本主義がどのように生まれ、変化・発展し、現在どのようになっているのか、それに対抗する人民・労働組合の歴史をわかりやすく書かれた本。後者はアメリカにおける労働運動の誕生と発展、その担い手の運動を詳細に教えてくれた本(この成果は『メーデーの話』〈一九六九年、絲屋寿雄著〉だが、雪山慶正さんが好きだったのではないか)。

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 この過程で『世界労働運動の歴史』(一九六五年、〈上・下〉、労働旬報社)の著者・中林賢二郎先生宅に一緒に連れて行っていただき、〝インテリゲンチャー〟といわれる階層の人と初めて出会った。そのうえ、『労働運動と統一戦線』(一九六九年、労働旬報社)の編集に参加でき、のちに法政大学グループの「どうどうめぐり研究会」のきっかけまで、川﨑教授につくっていただいた。


 いつも川﨑さんを思いだすのが、全共闘諸君の全学封鎖で大被害を及ぼされた大学院棟や大原社会問題研究所の封鎖解除の日、大原所蔵の稀覯書、『資本論』第一巻の初版本などを救出し、麻布の中央労働学院に一緒に運び出したことである。            

                (元労働旬報社編集部、シーアンドシー出版代表)

 

  ▽追記:本文は『回想の川崎忠文』(『回想の川崎忠文』刊行委員会刊、20111214日)に書いたものです。

 

  『回想の川﨑忠文』(PDF版)

 

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2014427 () 雪山慶正さんと川﨑忠文さんのこと

http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-151a.html

 20111126 () 『回想の川﨑(川崎)忠文』を出版する――PARTⅡ

 http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/cat22989866/index.html

 20111114 () 『回想の川﨑(川崎)忠文』を出版する。

 http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-b250.html

 

2017年11月12日 (日)

中賢さんと私――《編集子のことなど 2》

  この世からなくしてはいけない《「Windows95」以前の労働組合運動史》で、ぜひ、次の世代に伝えたい労働組合運動研究者のひとりが中林賢二郎さん(当時、法政大学社会学部教授)だ。

 当時から尊敬をこめて「中賢さん」の愛称で数多くの学生、労働組合運動家から慕われ、年齢差を超えて真摯に学びあった(学んだ)。

 「中賢さん」は、19861月に亡くなり、あれから25年もたつ。誠に残念なことだった。遅い時期(50代?)に教授職に就きながら、少なくない研究者や労働組合活動家を育てた。

 

 出版物では『世界労働運動の歴史』(上・下、労働旬報社、1965年)が有名だが、同時期の友人だった木檜哲夫さん(1960年代の労働旬報社代表)が編集・出版した。

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 この本を読んで初めて「組織のきっかけは、一杯の黒ビールを飲む会から始まった」「ラダイト運動」「チャーチスト運動」「労働組合、その過去、現在、未来」などを新鮮に学んだ人が多かったのではないだろうか。

 

 「中賢さん」は、それから数多くの著作を出版したが、私は編集者として、『現代労働組合組織論』(19796月)の編集に参加した。

 

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 問題意識は、「1970年代後半の、連続する春闘敗北の原因は、政府・財界の危機管理戦略の展開と日本における労働組合組織論が十分、議論されていないからではないか」というテーマだった。

 後者のテーマについて、やはり「企業別組合」ではない、全国につながる組織づくり(業種別・地域別一般労働組合)を担う労働組合活動家を育てる必要があるのではないかという、先生の問題意識の緒論(本論の端緒となる議論。本論にはいる前の、総括的な、また手がかりを示す論。序論)を書いてもらった。

 

 亡くなる最後の仕事になってしまったが、企業別組合についての議論を旺盛に展開している(『日本の労働組合運動』第5巻、「企業別組合と現代労働組合運動の組織論的課題」、大月書店、19856月)。

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  木下武男:「労働運動「自己改革」の議論」のページにUP

       http://e-kyodo.sakura.ne.jp/kinoshita/jikokaikaku.html

 

 

 さてその後について、歴史は変化・発展したのか?

 

  「中林賢二郎のページ」

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/nakabayasi/nakabayasi-ronkou.htm#dai5kan

  up 20120429日(この時期に書いたはずだ)

2017年11月 5日 (日)

「現代労働組合研究から障害者等も共働・協同する街を探る飯島さん」――編集子のこと(その1)

 

 104日[2017年](水)の午後1時から2時間ほど、「職場参加ビューロー・世一緒」(NPO障害者の職場参加をすすめる会・越谷市)で毎週恒例の「すいごごcafé」で「越谷在住10年の中で」という話をした。

 

 それが事務局長・山下浩志さんの「ブログ:共に学び・働く―「障害」というしがらみを編み直す」で写真付きで紹介された。(作成日時 : 2017/10/19 17:48 )

 http://yellow-room.at.webry.info/201710/article_4.html

 「世一緒のページ――すいごごcafé

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/syokubasanka/suigogo.html

 




 先に提出していたレジュメは以下の通り。

 

   越谷在住10年の中で

                 インターネット事業団・飯島信吾

                   20171004(水)

1 60歳の手習い

 

 DTP(PCで単行本・雑誌・新聞のページ編集ソフト)のスキル獲得

   「Adobe InDesign CS5」のアプリ・ソフトの活用

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   その前に、「MACのQuarkXPress (クォーク・エクスプレス)3.3」を習得。

   ⇔3冊の追悼文集(単行本)の編集・制作のため

    「さいたま高齢協」の広報ニュース(A4判・8p)

 WEB制作のスキル獲得

   ⇔ホームページ・ビルダー(サイト編集ソフト)でHPを立ち上げ、編集・制作。

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2 なにがこれからできるのか、と思って。

 残された「私の課題」を実現する。

  Windows95以前の「日本の労働問題・労働組合運動」に関するページのUP。

  イ なぜはじめたのか――コンセプト

  ロ 最近、青年からの「激励」の温かいメール

  ハ 社会政策・労働問題・労働法・協同組合・社会的経済などの「私が出会った」研究者群のUP

  ニ インフォーマル組織の追及!

  ホ 全日自労・全国金属・食品関連労組・中小労組・地区労などの紹介。

  ヘ 大企業労働組合・総評などの歴史UP。

 40個人・団体などのページ

 越谷エリアの「自主的・自立的まちづくりと人と人をつなぐ」努力を、WEBを活用して、UP。

  世一緒のページ

  水辺の市のページ

  ワーカーズコレクティブの事業組織――キッチンとまとリフォームいと協同購入・そら

  仕事おこし懇談会のページ

  視覚障害者・草加虹の会

 

 

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 この写真は、当日のもの。50年近く編集者生活を送り、数多くの写真を撮影し書籍・雑誌・新聞・WEB等にUP・編集をしてきたが、このような写真は珍しい。というか気恥ずかしい。 

 話した後、事務局長の山下浩志さんから長文の「取材・質問」がメールで送られてきた。中身の中に「困ったな」と思ったテーマもあったが、割合正直に返信したつもりだ。

 

 

 良くも悪くも、今の編集子を表現していると思う。

 

▼プロフィール

 

 19482月、東京・浅草生まれ。1970年代初頭から労働旬報社編集部、その後シーアンドシー出版設立。この間、単行本100点以上、生活文化情報誌、医療・健康雑誌、医療・健康新聞、労働者協同組合雑誌など、チームを組んで仕事。現在インターネット事業団主宰。

 

現代労働組合研究会のサイト、「業種別職種別ユニオン運動」研究会の運営委員・HPを制作

 

 

(注)「山下さんのブログ」の最後に「自己実現を求める方はどうぞご自由に」という発言が書かれているが、私にとって「日本の労働組合を乗っ取ったインフォーマル組織」の人たちが酔心していた「キーワードが“自己実現”だった」(マズローの五段階欲求説)。

 

団塊の世代を核にして、それ以前からのJC・同盟系企業内組合づくりは、このキーワードを基軸にして、「ミッション(使命)」として、労働組合を資本と一緒に牛耳った結果が、現在のユニオン・労働運動の低迷がある、と思っている。

社会党(社会主義協会系)、共産党、新左翼の人たちが、自らの思想以上に「自己実現欲求」によって、「日本的企業社会の主人公」になったホワイトカラー、現場生産労働者、サービス営業労働者の声に対応できなかった、と思う。

 

  そのベースは1960年代以来の「高度成長経済」がベースになっていた「資本の分配」政策のはずだ。

 

 2010年代の今いまこそ「緊縮経済ではなく、労働者への分配を」という、連合ではないユニオン運動だと思う。これは「反抗ではなく、労働者の欲求をベースに要求闘争を下部から始めること」だ。