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「業種別職種別ユニオン運動」研究会

2017年11月24日 (金)

職能別ユニオンの現代的課題を追求――佐藤一晴さんの想い

 

音楽家ユニオンを創出した佐藤一晴さん(前日本音楽家ユニオン事務局長、19332002)が追求した「職能別ユニオンの現代的課題」をUP。 

 

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/sorezorenoroudou-3.htm#satou2017-11-24

 

 

Kanase360479

 

 佐藤さんが書き残した以下の文章は、今でも重い。

 

 

 

 「しかし、この分野でも妥協せず、個人加盟原則を貫きました。企業内組合の場合でもそこへの加盟は基本的に個人単位ですし、先輩であるヨーロッパのユニオンを見てもこの原則は貫かれています。  

 音楽ユニオン(音楽家ユニオンの前身の組織)が結成されたのは一九七二年です。その前にいくつかのオーケストラでは、企業別単組が組織されていました。当時の、つまり一九六〇年代後半の個人加盟労組運動の停滞と既成企業内労組批判のいささかのゆきすぎの反動として、企業内組合の階級的強化論が力を得てきていた頃ですが、主流的見解は、そのまま企業別単組の連合体をつくる方向をとるべきだ、ということでした。
 しかし、私たちは断固として、企業内労働組合の解散と各個人のユニオンヘの再登録という道をとりました。この過程で非組合員が増えたところも一、二ありましたが、その後何年かの経過のなかで、結局は吸収されました。またその後続々誕生したオーケストラの組織は、いずれも楽団員個々が個人加盟ユニオンの一員となり、各オーケストラ単位の職場組織をつくるのが当然ということになっています。
 日本の労働組合の「常識」の影響を受けて、企業単位のものの考え方が根強く残っていますが、ユニオン全体の決定や統一的政策を優先させることは自ら当然という態度が習慣となっており、この組織原則を貫いたことは全く正しかったと考えています。」

 

 

 

 ▽2017.11.25

 

 職能的結集を見直しつつ――私たちの組織的課題《現代労働組合における組織的課題》、「労働法律旬報」、旬報社、1185号、1988210日号。 2017.11.06

 

 「職能ユニオンの可能性――開かれた労働市場と「企業社会」の乗り超え」、佐藤一晴、初出:「賃金と社会保障」(労働旬報社、199611月上旬号)。追悼・遺稿集刊行委員会編『一晴の夢、歩んだ世界』(20021116日発行)所収。

 

13/08/26

 

佐藤一晴さんのHPと「統一」論

 

 日本的風土に『統一』の思想をどう実らせるか、「佐藤一晴さんのHP」(日本音楽家ユニオン、東京争議団事務局長、正路喜社労組、東京労働争議研究会、19322002年)

 

 

 

『一晴の夢・歩んだ世界 佐藤一晴 追悼・遺稿集』(目次)

 

http://issey211.miraiserver.net/IR-00.htm

 

 

 ▽佐藤一晴さんのHPがオープンされています

 

  http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-a806.html

 

 

 

2017年11月11日 (土)

木下武男さんの「労働組合「自己改革」期論」について

2017114日(土)に開催された第2回「業種別職種別ユニオン運動」研究会で提出された木下武男さんのコメント(「労働組合「自己改革」期における出版労連の先駆性」)を読みながら、私が「現代労働組合研究会のページ」で編集してきた人たちが、「4.労働運動「自己改革」の運動家」として紹介されているのには、びっくりした。

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/111210roudou-index.htm

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/union-top.html

 

 

先生とは、分野が違う編集者として飯を食った時期が多く、いくつかの飲み会で会うぐらいだった。それにしても注目していた人は同じだった。

 

「木下武男のページ」より。

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/kinoshita/index.html

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/171104dai2kaireikai.html#kinoshita171110

 

 そのお名前と注釈は、以下の通り。URLをクリックしてもらうと、当該のページにリンクしている。

 

1)改革の運動家(そして改革の研究者)

  ◇小川善作(元全造船機械調査部長)→「第一組合主義者」

      「いずれ職場の多数派になるといっても、それは百年河清をまつに等しい」

     「造船産業における少数派運動」、造船問題研究家・小川善作、『労働法律旬報』(1186)、1988225

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/140215sosikiron.pdf

      (1970年石川島播磨 7500 vs 2900 → 30

 

 ◇石垣辰男(元電機労連調査部長)→「産業別活動家集団論」

      「栴檀は双葉より香し」

     「わが国労働組合の組織問題」、『現代の労働と生活Ⅲ 労働組合の民主的変革』、深井龍雄(黒川俊雄編、19853月、労働旬報社)

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/sorezorenoroudou-3.htm#ishigaki

 

  ◇佐藤一晴[「佐藤一晴遺稿集」のページ ](元日本音楽家ユニオン事務局長)→「職能ユニオン論」

  「法律と役人と警察がいて労働者の利益が守れるならば、この世に労働組合は要らない。」

  「職能ユニオンの可能性――開かれた労働市場と「企業社会」の乗り超え」、佐藤一晴、初出:「賃金と社会保障」(労働旬報社、199611月上旬号)。

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/sorezorenoroudou-3.htm#satou2017-11

  「音楽家ユニオンの供給事業」『労働法律旬報』19852月下旬号

  

 2)改革の波の退潮(1990年代-2000年代)

      ◇関西生コン支部の分裂・脱退(1983年)

      ◇ナショナル・センターの発足(1989年)

 

 

 

 ▽以下は「当日のレジュメ」より

Ⅰ.労働運動「自己改革」の議論

 

   ◇出版労連の組織改革は、労働運動「自己改革」の時期になされた。

   ◇「業種別職種別ユニオン運動」研究会は「自己革新」の波の退潮のなかで再登場した。

  1.『講座 労働組合運動の理論』(全7巻)……分岐 (大月書店刊、1969年)

  (1)批判→労働組合組織論の提起

   ◇資本蓄積→労働組合の発展の条件:①社会的貧困、②労働者の数の増大

        ―→ 「労働者をいかに思想的に強化するか」

   ◇「労働者の組織化の形態の問題」や「企業別組織の問題について、十分に考慮しない傾向」

      ―→中林賢二郎『現代労働組合組織論』(労働旬報社、1979年)

  (2)企業別組合で「あるべき論」と反論

   ◇宮本顕治「労働組合」は「私どもはある職場、ここでは一組合であるべきである」(1980年)

   ◇戸木田嘉久「企業別組合」、「それは組織形態上は資本と賃労働に対峠する直接的な場を基礎にした、『一企業・一組合』の組織原則にかなった組織」

    「日本における『企業別組合』の評価と展望」、『巨大企業における労働組合』、大月書店、(1976年)

   ◇中林賢二郎「工場のなかに一つの企業別組合をつくるという意味ではなく、一工場の労働者を一つの産業別組合の地域組織に結集する意味であった」(1979年)

   ★一組合で「あるべき論」 →企業別組合擁護 →個人加盟組織の否定論

  

  *労働組合組織論のスケッチと提言――運輸・建設部門労組の組織合同を機に、浅見和彦、賃金と社会保障、1183号、19968月上旬号

  2.『日本の労働組合運動』(全7巻) (大月書店、1985年)

   第5巻の課題と構成(中林賢二郎)

    「企業別組合」と現代労働組合運動の組織的課題 (中林賢二郎)

   ◇「一般労働組合」方式の提起と実践

    ・1973年「建設一般」、1978年「運輸一般」、1978年「化学一般」

        運輸一般一関西生コン支部

    ・イギリス運輸一般の紹介文献

   ◇業種別職種別ユニオンの提唱

    「企業横断的組合運動の発展と業種別、職種別団結の今日的意義」(加藤佑治)

   (「未組織労働者の組織化は戦略的課題」木下武男/三瀬勝司)

     第5巻「労働組合組織論」

  3.『労働問題実践シリーズ 1から8巻』(大月書店、1990年)「自己改革」の事例研究:頂点

  (1)民間大企業における少数派運動

   『労働問題実践シリーズ6 組合運動の新展開』(大月書店、1990年)

   ◇「4組合分裂・組織破壊とインフォーマル組織」

     〔事例1〕インフォーマル組織の攻撃

          雪印食品のばあい(「インフォーマル組織の過去・未来」、現代労働組合研究会のページ)

     ◇「5 民間大企業における労働者支配への挑戦」

       〔事例1〕日本鋼管鶴見造船「希望の会」/〔事例2〕地銀連と全銀連絡会/〔事例 3〕全造船機械・三菱重工支部

  (2)職能ユニオンの運動

    『労働問題実践シリーズ1 就職・転職・失職』(大月書店、1990年)

     ◇「10 専門的技能労働者の雇用」

        〔事例1〕出版産業での取り組み

       〔事例2〕業界にも影響を与える観光労連の取り組み

    『労働問題実践シリーズ5 労働組合を創る』(大月書店、1990年)

     ◇「3 産業別・職能別組織化のめざましい発展」

      〔事例1〕プロ野球労組 /〔事例2〕音楽家ユニオン /〔事例3〕東京土建

      〔事例1〕出版労連 / 〔事例2〕電算機関連労働組合協議会(電算労)

第2回「業種別職種別ユニオン運動」研究会が開かれた

 

本年、6月に発足シンポを開いた「業種別職種別ユニオン運動」研究会が第2回の例会を開いた[2017114日(土)]。当日のスケジュールは、以下の通り。

参加者は30数名で、若い人の参加が多いのが特徴。

 

 

2回例会「業種別職種別ユニオン運動」研究会のページ

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/171104dai2kaireikai.html




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 1980
年代末の「出版ネッツ」の創設期にサポート・メンバーの一人としてかかわって来たものとして、組織を持続している後輩たちに感慨を覚えた。報告者の北健一さんは、ルポライターで出版労連の副書記長を担っている。

住田さんの報告を含めて、20数年ぶりに「出版労連の現状」を聞いた。

 

 当時、大手出版社の脱退問題があり、同時期にサポート・メンバーをしていたIさんはどうしたのだろうか、ふと記憶がよみがえった。ここにも「スモール全造船石川島のもぐりこみと同様なテーマ」(2016710 ()、『あたりまえの労働組合へ』・全造船石川島――議論は続く。)があったはずだ。

 http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-7f4c.html

 

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2部>「個別指導塾業界の構造とユニオン運動のテーマと報告者は、新鮮すぎてびっくりした。

これまでの2回とも、報告者が30歳代で新鮮に受け止めてきたが、今回は「私が経験した個別指導塾業界の労働実態」として発言した方」は、21歳の大学3年生の現役の人。

 理路整然と「コマ給問題」「辞める辞められない」「予習、授業開始前の打ち合わせ夕礼、報告書づくりの非労働時間の実情」など問題の所在を明確に報告した。

 
 参加者から「あなたはどのようにして、参加したのか、迷いは」という質問に、「朝日新聞の報道を見て、私もやらなければと思ったこと。そのあとは同じ教室指導員の仲間に、いまこのようなことをやっている、と話した」と何も臆せず答えていた。

 

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 その前に報告した「個別指導塾ユニオンの取り組みについて 渡辺寛人(個別指導塾ユニオン代表)さん」は、現在29歳で、大学院で「社会福祉」を専攻しながら、ブラックバイト・ユニオン運動などに邁進している。

 

 コメンテーターとして登場していただいた市橋弁護士も、同世代だ。

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 時代は変わっている。全国各地でこのようの人材を労働組合運動・新しいユニオン運動の中核に据えて切り開く時代が、そこまで来ているのではないか。「労働運動のルネッサンス」をまだまだあきらめるわけにはいかない。


 

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◇・と き 2017114日(土) 午後1時~5  

 ・ところ 渋谷勤労福祉会館(第2洋室)(渋谷区)

 

◆当日のプログラム

 <1部>  出版産業における個人加盟ユニオンの現状と支援体制(13時~)

  

  1 「出版産業における個人加盟ユニオンの現状と支援体制――出版情報関連ユニオン(出版ユニオン)の運営」

         住田治人(出版労連 組織・争議対策部副部長、出版情報関連ユニオン書記長)

  2 「出版ネッツの歩んだ道――出版ネッツからの報告」

         北 健一(出版労連書記次長・出版ネッツ元委員長)

  ◇コメンテーター 木下武男(元昭和女子大学教授)

 

 2部>  個別指導塾業界の構造とユニオン運動(15時~)

  

  1 個別指導塾ユニオンの取り組みについて

        渡辺寛人(個別指導塾ユニオン代表)

  2 私が経験した個別指導塾業界の労働実態

        佐藤 悠(元個別指導塾講師)

  ◇ コメンテーター 「個別指導塾ユニオン」の取り組みについて 市橋耕太(弁護士・東京合同法律事務所)

2017年10月12日 (木)

「業種別職種別ユニオン運動」研究会第2回例会のご案内

・と き 114日(土) 午後1時~5

 

・会 場 渋谷勤労福祉会館(第2洋室)

住所:神南 1-19-8 (郵便番号:150-0041 電話:03-3462-2511

 

   ◆詳しくはメールでお問い合わせください:

ikedaikkei3アット<アットを@に>gmail.com

 

・参加費 研究会員は無料です。

 

 http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/#dai2kai

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・事例報告

 

《1部》出版産業における個人加盟ユニオンの現状と支援体制 

 

 ◆出版ネッツとは 北健一(出版労連書記次長・出版ネッツ)

 

出版ネッツは出版関連産業で働くクリエイターの個人加盟組合で、出版労連に加盟しています。仕事おこし、共済、スキルアップ(職能向上)、レクリエーションなどの交流、トラブル相談・解決に力を入れています。組合員は約200人で東京圏と大阪圏が中心です。

 

  【参考】「フリーランスを組織化して問題を解決 出版ネッツ――特集 非正規労働者の組織化と処遇改善」、月刊誌『ビジネス・レイバー・トレンド』、独立行政法人労働政策研究・研修機構、2012225

 

  ◆出版労連・出版情報関連ユニオンの取り組みの紹介  住田治人(出版情報関連ユニオン書記長)

 

   ◇コメンテーター 木下武男(元昭和女子大学教授) 

 

 

 

 《2部》 個別指導塾業界の構造とユニオン運動

 

◆個別指導塾業界の労働実態  佐藤 悠(元個別指導塾講師)

 

◆個別指導塾業界の構造とユニオン運動  渡辺寛人(個別指導塾ユニオン代表)

 

  ◇コメンテーター 市橋耕太(東京合同法律事務所・弁護士) 

 ▽追記(2017.10.14)

 個別指導塾ユニオン」のご案内をUP。――学生アルバイトの労働組合が発足 塾講師が中心、「日本経済新聞」、2015年6月4日。「若者の怒りに応えてない」ブラックバイトユニオン代表に聞いた"日本のリベラル"、泉谷由梨子 、The Huffington Post.

 

 http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/

 

2017年9月 3日 (日)

第1回「業種別職種別ユニオン運動」研究会が開かれた

  ▽追記(2017.09.07 

 ・労働界の名物ブログ・シジフォスで紹介されています――「業種別職種別ユニオン運動」研究会は面白かった(作成日時 : 2017/09/05 06:37  

   http://53317837.at.webry.info/201709/article_3.html

 

 1回例会「業種別職種別ユニオン運動」研究会の報告者・コメンターの登壇写真・報告レジュメ・資料等を一挙にUPしました。 

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/170902dai1kaireikai.html

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「弁護士ドットコムニュース」20170911 1643分)

    https://www.bengo4.com/c_5/n_6651/

 

 

青木耕太郎さんのtwitter

   https://twitter.com/kotaro_aoki

 

 

第1回「業種別職種別ユニオン運動」研究会のページにUP。

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/170902dai1kaireikai.html#tbc






  ▽ここより本文。
  第1回「業種別職種別ユニオン運動」研究会が、港区麻布台の大阪経済法科大学アジア太平洋センターで

30人が参加し、開催されました――詳細は編集中。

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/

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 「業種別職種別ユニオン運動」研究会代表の木下武男氏

 

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 NPO法人クリーニングカスタマーズサポート代表理事:鈴木和幸

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 指宿昭一弁護士

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 総合サポートユニオン・エステユニオンの青木耕太郎氏

 

研究会に参加している間、若い世代のエステ・ユニオンによる労働組合組織化の話を聞きながら、昔、東京労働争議研究会の事務局の一端にいて、報告をまとめる編集に参加した経験があるが、東京争議団が「秘密裡」に結成された事実を思い起こしていた。

 

 『上を向いて歩こう』(本の泉社、20087月)を書いた小林雅之さんの引用から。

『東京争議団物語』(1965年8月)で描かれた、争議団共闘会議発足の状況を書いた「フレンチ・パラドクス」でも引用している――あのとき、非常勤警備員の組合結成の場にいた私は、ふと東京争議団が結成された当時の話を思い出していた。

  “「倒産した新宿自動車教習所の狭い畳部屋。ぼんやり光を放つ裸電球の下で、数人の労働者たちが、争議団共闘会議の結成をひっそりと宣言したのである。総評や産別組織の誰にも知られないように、密かに『非正規部隊』東京争議団は生まれた」

  悲壮な彼らの決意は見事に結実する。七〇年代に入ってからの労働運動は、いわゆる「総行動方式」をうみ出し、独占企業や官庁を社会的に包囲しながら攻略していくという、戦後の労働運動の一大画期をなす高揚期を切り開いていった。その先導部隊に何時もいたのが争議団であった。こうして争議運動は「非正規」という一部分から労働運動全体の存在となったのだ。”

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/sorezorenoroudou-3.htm#kobayashi

 

 「総評や産別組織の誰にも知られないように」と書かれているが、それよりも「左翼政党の先党思想グループに察知されてつぶされないように」という警戒心をもって、組織化を進めたと、後年、知った。

 

社会党・新左翼グループの人たちは、「地区労」に依拠して行動をしていた。

 

 いま青年たちは、戦前以来の風習をひき継いだ「悪しき思考」を、民主主義の深化によって、変えているのだ。

  

 上記のページに書いた文章を以下に転載しておく。


 なんと私の疑問を、30年たった現在、総合サポートユニオンのエステ・ユニオン、介護・保育ユニオン、個別指導塾ユニオン、ブラックバイト・ユニオンや首都圏青年ユニオンなどの青年たちが乗りこえて、自主的に組織化をしている。

 

  「東京労働争議研究会」は、10人近い人たちが運営委員会を弁護士事務所や全造船会館などで開き、毎月に近い例会報告を組織していた。編集子はその速記録を『労働法律旬報』に掲載するため、当番みたいな編集をになわされていた。その後、K編集長のもとで引き継がれ、2002年の研究会報告は52回を重ねている(いつまで掲載されているのか未取材)。

 

 その時代、一番不思議だったのは、争議解決から労働組合組織化へ発展したのは、音楽家ユニオン、電算労、コンピュータ・ユニオンなど少数の経験(職能労働組合・ユニオン)しか生まれてこなかった(それ自体貴重な成果だと思っているが)。

  若い時代だったので、「争議を起こさせない労働者の組織化をテーマにしないのか」と大先輩の労働組合運動家に聞いて回っていたが、応えてくれたのは佐藤一晴さんの「フランス風ニュアンス」での会話だけだった。

  フランス風から日本風の実践で生かされ、21世紀を前にした1990年代の東京に生まれたのが「東京公務公共一般労働組合」だ。

  この経過は「佐藤一晴さんのホームページがオープンされています」を参照。

http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-a806.html

 

 

2017年8月28日 (月)

大阪での「木下武男・熊沢誠氏が熱き思いを語る」つどい

「業種別職種別ユニオン運動」研究会のHPにUP――大阪での「木下武男・熊沢誠氏が熱き思いを語る」つどい、200名余の参加で開かれました(2017.08.28

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/#oosaka-2

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2017年8月11日 (金)

「業種別職種別ユニオン運動」研究会、「第1回例会」のご案内

  

 ▽追記(20179 3 ()

 

 第1回「業種別職種別ユニオン運動」研究会が開かれた。

 http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/1-02a6.html

 

・と き:92日(土)午後130分~530

 http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/

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・報 告:第一部:司会 木下武男(労働社会学者・元昭和女子大教授)

 [事例]クリーニング産業における業種別ユニオンの確立

   報告:①日本労働評議会生活衛生クリーニング労働組合:宮廻満

      ②NPO法人クリーニングカスタマーズサポート代表理事:鈴木

      和幸

      ◇コメンテーター:指宿昭一(弁護士)

 第二部:司会 後藤道夫

  [事例]エステ・ユニオンによる労使関係の展開

    報告:青木耕太郎

       ◇コメンテーター:浅見和彦(専修大学教授)


・場所:(参加御希望の方は、事前申込制となっておりますので、団体・所属名とお名前をお知らせ下さい。)
  Eメール:ikedaikkei3アット<アットを@に>gmail.com

 

◇追記(2017.08.12)「業種別職種別ユニオン運動」研究会のページにUPしました。

 

「業界も綺麗にクリーニング! クリーニング業界の問題と展望」、鈴木和幸(株式会社セルクル代表取締役)、『POSSE』、2014318日、22号、152頁。

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/170601tatakai.html#cleaning-gyoukai

 

▼第1回研究会の細目

[事例]クリーニング産業における業種別ユニオンの確立 1:303:302時間)

報告:

①NPO法人クリーニングカスタマーズサポート代表理事:鈴木 30

和幸

0 自己紹介

1 クリーニング業界の歴史と特徴

2 CCSの概要

〇経緯

〇組織構成

3 CCSの取組み

4 労評クリーニング労組の活動へのコメント

 

②日本労働評議会生活衛生クリーニング労働組合:宮廻満 30

0 自己紹介

1 労評の概要

〇経緯

〇組織構成

〇組合員の構成

2 労評の運動・組織化戦略

〇労働相談

〇三単産の取組み

〇地区本部・分会連

3 クリーニング労組の取組み(資料・労働と経済連載記事)

〇業界の特徴

〇経緯

・クリーニングカスタマーズサポート鈴木代表との出会い

・ロイヤルネットワークにおける残業代請求の取組み(資料・FACT記事2本)

→分会結成

・グローバル分会結成

・加賀谷商会分会結成

・クリーニング労組結成

〇闘争事例

・ロイヤルネットワーク分会

・グローバル分会

〇組織化・運動政策(政策綱領の内容)

 

◇コメンテーター:指宿昭一 20

0 自己紹介

1 クリーニング業界における業種別ユニオン組織化の可能性

2 クリーニング業界における労働市場規制型運動の可能性

3 労評クリーニング労組の活動へのコメント

4 業種別職種別ユニオン運動について

 

〇質疑 30

(追記)2017.08.18

  

『朝日新聞』の「ひと欄」で鈴木和幸さん(NPO法人クリーニングカスタマーズサポート代表理事)が紹介される。

 

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2017年7月15日 (土)

「業種別職種別ユニオン運動」研究会発足シンポの報告が『労働法律旬報』に掲載される

 ▽追記(2017.10.01

 

「発足記念シンポジウムのページ」で読めます。

 

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/170615hossokusympo.html#roujyun20170725

 

 

 ◆全文PDFでUP(2017.10.01

 

 [特集]業種別職種別ユニオン運動

   掲載にあたって=後藤道夫・・・06

 「業種別職種別ユニオン運動」研究会の課題と役割=木下武男・・・08

 個別紛争とユニオン運動=嶋﨑 量・・・18

 けっして特殊ではない関西生コン支部の取組み―業界を巻き込む業種別組合運動=西山直洋・・・21

 総合サポートユニオンの運動戦略=坂倉昇平・・・24

 資料/「業種別職種別ユニオン運動」研究会への呼びかけ・・・07

 

 

 615日(木)、台東一丁目区民会館に行われた「業種別職種別ユニオン運動」研究会発足シンポジウムの報告が、早速、『労働法律旬報』(20177月下旬号、1892号、発行日 2017725日、旬報社、本体2,000円+税)誌に掲載される。

http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/1186?osCsid=ofproau8cgnrbigvgn0a4kqf61

 

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 太字の部分が、「研究会報告」。

 

 「業種別職種別ユニオン運動」研究会のHPには、同編集長の古賀さんの了承を得て、9月以降、UPする予定です。

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 ◇主な目次

[巻頭]賃金の哲学?――ある学習会での議論から=矢野昌浩・・・04

 

[特集]業種別職種別ユニオン運動

掲載にあたって=後藤道夫・・・06

「業種別職種別ユニオン運動」研究会の課題と役割=木下武男・・・08

個別紛争とユニオン運動=嶋﨑 量・・・18

けっして特殊ではない関西生コン支部の取組み―業界を巻き込む業種別組合運動=西山直洋・・・21

総合サポートユニオンの運動戦略=坂倉昇平・・・24

資料/「業種別職種別ユニオン運動」研究会への呼びかけ・・・07

 

 

[研究]外国労働判例研究219ドイツ/保護義務の履行請求としての「タバコの煙のない職場」の請求連邦労働裁判所2016510日判決(9 AZR 347/15)=原 俊之・・・28

[連載]『労旬』を読む⑬50年代当時の組合世界の課題の大きさに思いを馳せる=篠田 徹・・・34

[研究]韓国労働法の新たな展開―日韓労働法セミナー2016

掲載にあたって=和田 肇・・・36

賃金ピーク制の導入による賃金削減と就業規則の不利益変更=宋剛直/翻訳 徐侖希・・・37

解雇法制の改善と雇用労働部の通常解雇指針=金熙聲/翻訳 徐侖希・・・43

[連載]弁護士が読む西谷敏『労働法の基礎構造』(最終回)労働法を労働法たらしめる原理的考察―著者の問題意識をどう受けとめるか=宮里邦雄・・・49

[報告]大学における労働教育の模索―労働組合とのコラボレーション=労働教育研究会・・・56

2017年5月25日 (木)

「業種別職種別ユニオン運動」研究会HPをオープンした。

本ブログで紹介してきた木下武男さんなどの呼びかけで、「業種別職種別ユニオン運動」研究会が615日(木)、PM630分~、に発足する。

 業種別職種別ユニオンの提案――木下武男さんの論攷

http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-9ba7.html

 


「業種別職種別ユニオン運動」研究会HP

 


 呼びかけ人は以下の通り。

 

 浅見和彦(専修大学)

 ◆HP:「浅見和彦のページ」

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/asamikazuhiko/index.htm

 指宿昭一(弁護士)

 ◆HP:暁法律事務所 http://www.ak-law.org/

 上原慎一(北海道大学)北海道大学教育学部・大学院

 ◆HP:北海道大学

 http://www.edu.hokudai.ac.jp/school/seminar/industrial_education/

 遠藤公嗣(明治大学)

 ◆HP http://www.kisc.meiji.ac.jp/~endokosh/

 笠置裕亮(弁護士)

 ブラック企業被害対策弁護団

 ◆facebook https://www.facebook.com/pg/ブラック企業被害対策弁護団-853068328042133/about/

 http://black-taisaku-bengodan.jp/

 木下武男(元昭和女子大学教授)

 ◆HP:「木下武男のページ」 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/kinoshita/index.html

 熊沢誠(甲南大学名誉教授)

 夢もなく怖れもなく 労働研究50年 熊沢誠のホームページ

 ◆HP: http://kumazawa.main.jp/

  facebook:https://www.facebook.com/makoto.kumazawa.73

 後藤道夫(都留文科大学名誉教授)

 Amazon.co.jp: 後藤 道夫:

 嶋﨑 量(弁護士)

 ◆twitterのページhttps://twitter.com/shima_chikara    
 紹介ページ
https://news.yahoo.co.jp/byline/shimasakichikara/

 新里宏二(弁護士) 新里鈴木法律事務所 所属

 ◆弁護士紹介―みやぎ放送HP

 http://miyagi.lawyer-search.tv/details/person/20.aspx

 吉田誠(立命館大学) 

 ◆HP:http://myoshida.main.jp/

 

 当日の講演者は以下の通り。

 ▽当日の講演者

 木下武男 労働社会学者(元昭和女子大教授)。

 嶋﨑量 弁護士

 ▽業種別職種別ユニオンの事例報告

 全日本建設運輸連帯労組(生コン、港湾、トラック、介護)

 西山直洋(全日本建設運輸連帯労組近畿地本書記長)

 総合サポートユニオン(エステ、ブラックバイト、塾講師、介護、保育)

 坂倉昇平(執行委員)

 

 ▽会場は、台東1丁目区民館(地下鉄日比谷線秋葉原駅から徒歩7分)

 https://www.city.taito.lg.jp/index/shisetsu/hall/kuminkan/kuminkan1.html

 

 

 

 「業種別職種別ユニオン運動」研究会HP-TOP

  http://www. gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/

 「業種別職種別ユニオン運動」研究会-あなたのユニオン・労働組合

    http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/170531study.html

  業種別職種別ユニオン運動」研究会-呼びかけ人

  http://www. gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/yobikakenin.html

  業種別職種別ユニオン研究会―その研究・論攷

   http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/170531study.html

 

 

 

2016年10月 8日 (土)

業種別職種別ユニオンの提案――木下武男さんの論攷

 共同通信によれば、昨年のストライキ件数は何とわずか85件。1974年には9581件であったから、100分の一以下である。

 「連合化」のプロセスは、非正規労働者・派遣労働者を増やし、実質賃金や社会保障を後退させ、一部上場大企業労働者のみに貢献する「企業内組合化」を促進した。

 国民的には「反原発運動」を抑制し、「沖縄・福島・新潟」などの地域社会の崩壊を許す行動を行っている(新潟県知事選挙で、親原発派の応援に連合会長が登場していることなど)。

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  労働社会学研究者の木下武男さんは<[戦後労働運動「敗北」の総括]、木下 武男、特集 戦後七〇年をふり返る、 葦牙 ・「葦牙」の会編、A5判、2015年7月、「季刊葦牙」41号>を執筆して、労働組合運動の新生へのプロセス以下のように書いている。

  木下武男のページ

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/kinoshita/index.html

  新しい労働組合運動、総がかり労働運動をめざすユニオンリーダーの登場を願っている編集子としては、次の世代に残すべき提言だと思っている。

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 はじめに

第一章 総括の視点

 本当の労働組合とは

 「労働者間競争の規制」戦略

 総括の視点――企業主義批判と政治主義批判

第二章 戦後労働運動「五回の敗北」 

 1 「第一期」1945年~50年――産業別労働組合の挫折

  左派ナショナル・センターの自壊

  ユニオニズム確立の最大の可能性

 2 「第二期」1950~60年――民間大企業争議の敗北

  総評の結成と日本的労使関係の形成

  民間大企業争議の敗北

 3 「第三期」1960~75年――労使癒着の労働組合の席捲

  労働運動の跛行展開

  企業主義的統合と労使癒着の労働組合

  75年の労働運動の「暗転」

 4 「第四期」1975~89年――総評解散と対抗的ナショナルセンター

  官公部門の労働運動の後退

 5 「第五期」1983年~現在――展望の欠如

  第三章 衰退の淵から新生を遠望する

  労働者の競争激化とユニオニズムの不在

  労働者の組織化による新生

  日本の労働運動の新生は困難ではあるが、きわめてシンプルである。この大多数の未組織労働者を地道に組織化することにつきる。しかし、たんなるこれまでの労働者の組織化でも、合同労組運動の再現でもない。労働運動の新生とは、過去と断絶した労働組合を新たに創造することだ。未組織労働者という労働組合不在の広大な荒れ野に、ユニオニズムの花を咲かせる大きな野望とチャレンジなのである。

 業種別職種別ユニオン

 ユニオニズムはこれまでにない本当の労働組合だが、ここでは「業種別職種別ユニオン」と呼んでおこう。業種別職種別ユニオンの事例はまだほんのわずかであるが、威力は実証ずみである。

 二○○○年七月二日、関西の生コン関連四組合のストライキが決行された。その日から一三九日間におよぶ長期のストライキを打ち抜き、一一月一七日に解除された。大阪駅前の「梅田北ヤード再開発工事」を始め、トップゼネコンの三つの大現場がストップし、大阪府下の八割の建設現場の工事が止まった。日本の労働運動の長期間にわたる後退過程のなかで、突如としておきた画期的なストライキだった。職種別結集という小さな力が産業をとめることができたのだ。また、二○○四年、国民の支持を受けながらストを決行したプロ野球労組も業種別職種別ユニオンとみることができる。プロ野球という「業種」におけるプロ野球選手という「職種別」労働者の労働組合だ。

さて、関西の建設産業のストライキの中心となった全日建連帯労組関西生コン支部は、実は、日本の企業別組合とは無縁な、ヨーロッパ型の産業別労働組合に近い組合とみることができる。この大ストライキから労働運動が引きだすべき教訓は大きい。第一章でみてきた労働者同士の競争を規制する原理をそなえているからだ。日本のこれからの労働運動に不可欠な「労働者間競争の規制」戦略はこの原理の受容によって確立することができるだろう。

 この原理とは、十分に検討してきた「共通規則」と「集合取引」である。関西生コン支部は、個々の会社との企業内交渉ではなく、生コン業界を相手にする集団交渉を追究し、一九七三年、参加企業一四社との間で実現した。ヨーロッパにおける産業別労働協約体制という労使関係が、日本の小さな業種で実現した画期的な出来事だった。

 そして、一九八二年に、労使で確認した「三二項目協定約束事項」の「業種別・職種別賃金体系」のなかで、職種別賃金要求を明確にした。今日まで会社ごとの賃金格差のない統一賃金を維持してきている。

 このようにみてくると、業種別職種別ユニオンは、ジョブ型労働組合でもあることの理解が重要になってくる。「共通規則」は競争を規制する基準であった。それは企業を超えて設定されなければならないので、職種別というジョブの基準以外にはありえない。関西生コン支部は、生コン労働者の職種別賃金として「共通規則」の股定を可能にした。さらに「集合取引」も生コン業界を相手にした集団交渉として達成した。だから、日本型労働組合が年功貸金で「共通規則」を、企業別組合で「集合取引」をそれぞれ実現できなかったが、関西生コン支部はこれを乗り越えることができたのである。

 日本の労働運動は、だから、たんなる再生ではなく、新しい労働組合を創造する新生でなければならない。この道は二つある。一つは、未組織労働者を、組織化をつうじて職種別の視点から結集することである。とくにワーキングプアを貧者の大軍とみることなく、職種別結集の可能な未組織労働者として見る目が労働組合運動に求められている。そして、その組織化をつうじて業種別職種別の結集体を作りあげること

である。

 あと一つは、いまある産業別全国組織・地域組織や、合同労組、コミィニティ・ユニオンの業種別部会や業種別共闘を、職種の視点で設計し直すことだ。合同労組やコミィニティ・ユニオンのなかにある業種別部会を、地域的な結集や企業別組合の集合ではなく、徐々に職種別の結集軸に発展させていく努力が求められる。

 そして、未組織労働者の職種別結集と、既存の合同労組や コミィニティ・ユニオンの業種別部会の再編成とが合流する。つまり、業種・職種を結集軸にした合同運動を大々的に展開することである。この合同運動は、実はイギリスやアメリカの一般労働組合(ジェネラル・ユニオン)を日本に創り出すことを意味する。

 一般労働組合はヨーロッパの大産別方式の産業別労働組合とは違うが、おなじ「労働者間競争の規制」の原理を有している。一般労働組合の内部には多くの業種別組織(トレード・グループ)が存在し、ここが各業種の経営者団体と団体交渉をおこなっている。

 つまり日本の労働組合の新生は、業種別職種別ユニオン運動をジェネラル・ユニオンの構築を見通しながら展開することだ。「業種別」の「業種」とはジェネラル・ユニオンの「トレード・グループ」に相当する。そして「集合取引」としての「業種別」の団体交渉を目指すことを意味している。

 「職種別」は「共通規則』を可能にする職種別賃金を表現している。このように業種別職種別ユニオン運動をあらゆる業種で展開し、それらをユニオンの合同運動をつうじてジェネラル・ユニオンを創造する。このことによって初めてこの国にユニオニズムが胚胎することになるのである。

 日本の働く者の困難を切り開くには、この業種別職種別ユニオンの展開とともに、本稿ではふれられなかったヨーロッパ型福祉国家を日本で目指すことだ。福祉国家は、なにか国家の転換という国家論のレベルではなく、ユニオニズムの「法律制定の方法」つまり労働組合の政策制度闘争の発展の延長線に姿を現す。労働組合が社会政策・社会保障の要求にもとづいて政府に対して大々的に運動を推進していくことだ。今日、貧困と格差、雇用不安、過酷な労働におおわれている日本の労働社会は、ユニオニズムの構築と福祉国家の確立によって再生していくことができるだろう。

 いずれにしてもたやすい道ではない。ナショナル・センターの支援や労働運動ボランティアの参加など膨大なリソース(資源)の集中が不可欠だろう。

 かつて、労働組合を移植し、根づかせるために労働組合期成会が一八九七(明治三○)年につくられた。アメリカでAFL(アメリカ労働総同盟)のオルグの資格を得て帰国した高野房太郎や、アメリカに渡って労働組合を知った片山潜らが幹事となった期成会は、職種別ユニオンの結成を支援する団体だった。今日、労働組合期成会のような団体が必要かどうかは議論があるだろう。だが、戦後労働運動が本当の労働組合をついに根づかせることができなかったという今日の時点にたてば、その頃と同じような時期にあり、同じような努力が必要とされていることだけは確かなことである。


 以下の案内も「木下武男のページ」にUPした。

 ▽追記1(2016.10.09)木下武男さんの「業種別職種別ユニオン」と関西生コンについて論究したものがあります。

 『季刊・労働者の権利』(315号、20167月発行)、日本労働弁護団の機関誌。

 特集Ⅲ 労働運動の新展開―ユニオン運動の模索―

   ① 業種別職種別ユニオンの構想  木下武男 労働社会学者(元昭和女子大学教授)

   ② コミュニティ・オーガナイジングとユニオン運動  清水直子 プレカリアートユニオン執行委員長

   ③ 「最低賃金大幅引き上げキャンペーン」と「新しい質をもった労働運動」の構築と「反貧困運動の再起動」  河添 誠 「最低賃金大幅引き上げキャンペーン」委員会事―務局メンバー/元首都圏青年ユニオン書記長

   ④ 労働相談から職場の合同労組支部建設へ 須田光照 全国一般労働組合全国協議会東京東部労働組合書記長

  http://www.ak-law.org/column/1799/

  ▽追記2(2016.10.09)――PDF版で全文読めるようにした。

 

 【記念講演】関生労組の歴史と日本労働運動の未来/木下武男(元昭和女子大学教授)

 『コモンズ』93号(2016.03.10)目次

  http://com21.jp/modules/cpress/archives/12351

 

  http://com21.jp/modules/cpress/archives/12758

 

 ▽参考(2016.10.10)夢もなく怖れもなく 労働研究50年 熊沢誠のホームページ 

 その8(201626日)「社会的労働運動」としての連帯労組・関西地区生コン支部

 

  http://kumazawa.main.jp/?p=434

 

 

 ▽追記(2016.11.01) 以下の論文を更新UPしています。

 

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/kinoshita/index.html

  業種別職種別ユニオンの構想◆特集Ⅲ 労働運動の新展開―ユニオン運動の模索―、木下武男 労働社会学者(元昭和女子大学教授)、315号、20167月発行、日本労働弁護団の機関誌。

 連帯労組関西生コン支部の歴史と日本労働運動の未来、木下武男、『変革のアソシエ』(24号)『変革のアソシエ』編集委員会、社会評論社、2016415日発行

 同一労働同一賃金を実現するジョブ型世界◆第一特集「各政党に問う、同一労働同一賃金」、木下武男(労働社会学者/元昭和女子大学教授)、『POSSE』(vol.31)、2016615日発行、堀之内出版

 「一億総貧困化社会」と「同一労働同一賃金への道」◆特集:下流社会の深淵と「政治」/ブラック社労士の蔓延、木下武男、『POSSE』(vol.30) 2016320日発行、堀之内出版

 ワーキングプアからユニオンへ特集◆貧困の連鎖を断ち切る、木下武男、月刊まなぶ (第142号)、労働大学、201510月号