「業種別職種別ユニオン運動」研究会

2022年6月20日 (月)

浅見和彦教授の専修大学を退職するにあたって――報告を写真で紹介。

 専修大学を「依頼退職」した浅見和彦さん。「最終講義の写真はありませんか」と尋ねたら、4枚のPDFが送られてきた。そこで「浅見和彦のページ」にUPした。

 ▼写真で紹介――専修大学を退職するにあたって報告。
  http://e-kyodo.sakura.ne.jp/asamikazuhiko/index.htm#sensyuudaigaku220619
 専修大学・社会科学研究所の定例研究会で「労使関係論とはなにか」(2022年2月18日(金))
 報告者 浅見和彦(国際経済学部・教授)
 日 時 2022(令和4)年2/18(金)
    15:00(3:00p.m)~17:00(5:00p.m)
 場 所 生田校舎 生田2号館スタジオ211

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 浅見さんは中林賢二郎先生(元法政大学社会学部長)のもとで大学院を履修していた方で、こちらが労働関係の雑誌の取材で行ったとき、ある労働組合本部にいたことがあった人。
 その後、専修大学の教職に就き、今日に至っていた。
 ある研究会で先年お亡くなりになった寺間誠治さんが、「労働運動の戦略的陥没を克服するために浅見先生には原稿を書いてもらった」と発言している。
 「戦後日本の組合組織化運動とその論点――ローカルユニオンの歴史的な文脈」、浅見和彦、月刊全労連、2007年10月号
 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/asamikazuhiko/index.htm#zenrouren2007-10

 今日的に1本でも読んでほしいと願う側としたら、以下の論文だ。
 「新しい時代の活動家像を考える――人権2―調査と研究」、岡山 : おかやま人権研究センター、220号、2012年10月。NPO法人 おかやま人権研究センター事務局。
 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/asamikazuhiko/index.htm#okayama220

 専修大学は若い時代に学んだ「雪山慶正さん」[1912年10月6日~1974年5月6日、『光る声』(真継 伸彦、河出書房新社、1966年)の主人公とのこと]が教鞭をとっていた大学で、個人的には親近感をもっていた(主観的に)ところ。
 「2014年4月27日 (日):雪山慶正さんと川﨑忠文さんのこと」
 http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-151a.html
 アメリカの社会主義者として著名だったレオ・ヒューバーマンが書いた一連の本――『資本主義経済の歩み』(上・下、岩波新書、1953年)、『アメリカ人民の歴史』(上・下、岩波新書1958年)、『労働組合入門』(青木新書、 全日本損害保険労働組合大阪地方協議会青年婦人部、1956)を翻訳している。

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 浅見さんの場合は、満期定年を前に「依頼退職」を選択している。いつかなぜ「選択」したのか、聞いてみたい。

 

2021年9月 4日 (土)

小谷野毅さん(全日建書記長)が示す「関西生コン事件の背景、からくり」

 講演している小谷野毅さん(全日建書記長)とは、3年前の武委員長(関西生コン)の講演会の折に(2018.08.25)あいさつしただけだが、「自分は樋口篤三(元労働情報編集長)の弟子なんだが、読んでいますか」という話になり、その後、数冊の本が送られてきたので読んだ。その一部の写真。

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 下記の講演で気が付いたのだが、白髪がぴったりしているので同時代の人かと思ったら、一回りも若い人だった。
 「関西生コン事件の背景、からくり、裁判官は労働法は学んでいないなど」を分析し、解読するには、参考になるはずだ。

 

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 「関西生コン事件」は何を問いかけているのか(講師・全日建 小谷野毅書記長、20210123)――【発信元】:労働組合の社会的役割を考えるワーカーズネット徳島学習会(尾崎曲豆、2021/08/29、youtubeで発信)
  http://e-union.sakura.ne.jp/kansainamakon/index.html#210829koyano


 労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会
  https://www.facebook.com/groups/1078892485618879/posts/1894504774057642/

 

2021年2月18日 (木)

木下武男さんが執念の「関西生コン・産業別労働組合論」を展開!

 「関生支部の闘いとユニオン運動」(木下武男:文、第1回~第11回、関西生コン・連帯広報委員会)を「業種別職種別ユニオン運動」研究会のページにUPしました。

 http://gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/

 

 【追記 2022.02.05】

 産業別労働組合とは――「関生支部の闘いとユニオン運動」
  
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/kinoshita/220205sangyoubetu-1.pdf

 

 第1回 武建一委員長と私の出会い

 第2回 「業種別・職種別運動を大阪の地で展開」

 第3回 「苦難の闘いで見えた真の『敵』」

 第4回 「産業別統一闘争の合い言葉『他人の痛みはわが痛み』」

 第5回 「暴力に屈しない-「嘆くな。組織せよ!」

 第6回  「第一次高揚期」における組織の飛躍-「箱根の山を越えて」

 第7回  「関東における生コン労働者の闘い-『関生型労働運動』を迎え入れる生コン労組」

 第8回 「労働運動の歴史における関西地区生コン支部の位置-産業別労働組合の定着」

 第9回 「関生支部への共産党の分裂・脱退攻撃-政党の労働組合への組織介入」

 第10回 「政党による労働組合介入の思想-赤色労働組合主義」

 第11回 「戦後労働運動における『82年問題』-共産党による関生分裂攻撃の意味」

http://e-union.sakura.ne.jp/kansainamakon/index.html#210217kinosita-3

 

▽編集子が若い時代に注目したインタビューを《第3回》に掲載。

 「関西生コン労働組合運動の歴史と到達点――業種別支部型労働組合運動が切り開いたもの」(新しい労働組合運動の模索―2―他人の痛みはわが痛み、武 建一、「賃金と社会保障」 847号、 p8―23、 1982年08月10日)

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/181008tinginto-takeiintyou.pdf

 

 故・今崎暁巳(ドキュメンタリー作家)が『めしと団結』(労働旬報社、1970年)の続きで「関西生コン労働組合運動物語」(仮題)として1970年代末に取材を始めていたテーマ。

『めしと団結――たたかう関扇運輸労働者』(今崎暁巳著、労働旬報社、1970年6月15日刊)。

http://e-union.sakura.ne.jp/tokyo-sougidan/index.html#201008mesitodanketu

2019年7月28日 (日)

《関西生コン労働組合運動と協同組合運動》の分析

 「資本主義社会を超える経済体制と実現の戦略」―「関生」運動を基礎に―生コン関連業種別ユニオン・連続講座第3回─

 報 告 津田直則(桃山学院大学名誉教授、大阪労働学校アソシエ・社会的連帯経済研究会代表)

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 コメンテーター 木下武男(研究会運営委員・元昭和女子大教授)/鈴木和幸(NPO法人・クリーニング・カスタマーズサポート代表)/飯島信吾(研究会運営員)

 ◇『労働法律旬報』(2019年4月上旬号、1933号、旬報社、本体2,000円+税)誌に掲載され、全文が本サイトで読めるようになりました。

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/181027coophe-tuda.html#roudoujyunpou20190410

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「労働法律旬報」誌のあとに、少しでも踏み込んで読んでもらうために、以下のリンクを付けました。

 

◇津田直則の「社会的連帯経済――ネットワークでめざす新たな社会構想」のページの紹介。

 

今回の報告との関連で論文の紹介

「イタリア連帯思想並びに社会的協同思想とその実践―資本主義を超える新たな経済体制論」『いのちとくらし』No.62.2018

「連帯社会への道―新たな文明への挑戦-」総合人間学会書籍版10号『コミュニティと共生―もうひとつのグローバル化を拓く』(2016.

「自主管理に魅せられた四五年間―未来体制への展望―」『葦牙』41、同時代社.2015

「社会的経済、連帯経済と経済学」座談会『いのちとくらし研究所報』47号(2014

「モンドラゴン協同組合―連帯が築くもう一つの経済体制―」『世界』(岩波書店)201211月号(2012年)

 

http://www.socialeconomy.biz/article.html

 

2019年7月25日 (木)

「関生型業種別職種別ユニオン」の分析

 

 関西管理職ユニオンの仲村書記長さんから、以下のメールが入ってきた(2019年7月25日)。関西生コンへの弾圧は続き、反抗する運動提起が寄せられた。

 「関西での連絡会の第2回例会のチラシが出来ましたので、添付します。

 関生弾圧が継続しています。722日には、和歌山県警が武谷書記次長ら4名を逮捕しました。延べ組合関係で77名の逮捕者です。現段階でも、武委員長(4回逮捕)をはじめ勾留者も10名を超えています。

 私は、関生支援の兵糧攻めに対抗するカンパ集めに走っています。ご協力よろしく。それと、1116日の午後に大阪で全国集会・デモが決まっています。詳しく決まれば、連絡します。」

 

 このような状況の下で、「業種別職種別ユニオン運動」研究会の報告をPDFで読めるようにした。

 ◇《「生コン関連業種別ユニオンの発展》」

 バラセメント業界における業種別ユニオン運動の展開─ 生コン関連業種別ユニオン連続講座第2回(前半)─

 報告:西山直洋(全日本建設運輸連帯労働組合近畿地方本部書記長)

 司会:原田仁希(東京公務公共一般労働組合首都圏青年ユニオン委員長)

 文責:木下武男(労働社会学者・元昭和女子大学教授)

 ◇『労働法律旬報』(20191月合併号、1927+1928号、旬報社、本体2,000円+税)誌に掲載され、全文が本サイトで読めるようになりました。

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/180929bara-assou-kansainamakon.html#roudoujyunpou20190125

 

 圧送業界における業種別ユニオン運動の展開─生コン関連業種別ユニオン連続講座第2回(後半)─

 報告:阪口 充(近畿コンクリート圧送労働組合副執行委員長)/梶山義雄(近畿コンクリート圧送労働組合書記長)

 司会:原田仁希(東京公務公共一般労働組合首都圏青年ユニオン委員長)

 コメンテーター:木下武男(労働社会学者・元昭和女子大学教授)

 ◇『労働法律旬報』(20192月下旬号、1930号、旬報社、本体2,000円+税)誌に掲載され、全文が本サイトで読めるようになりました。

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/180929bara-assou-kansainamakon.html#roudoujyunpou20190225

 

 

 

2019年6月18日 (火)

「図書館非常勤司書のストライキ闘争」のインパクト

   6月8日(土)、渋谷勤労福祉会館にて開かれた「業種別職種別ユニオン運動」研究会第6回例会は、練馬区立図書館専門員労働組合の掲げたストライキの社会的反響を中心に報告・討論が行われた。編集子は、以下のような柱で、HPにUPした。

     http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/190608tosyokan-strike.html

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 ◆[報告]:「練馬区立図書館専門員労働組合のあゆみ」をUP。

 ◆[資料]:「“図書館司書のストライキ”を掲げて」をUP。

 ◆[資料]:「公立図書館が大好きだから 練馬区の非正規司書がストを構え」をUP。

 ◆[報告]:「東京図書館ユニオンの闘いと各区の報酬等資料 一人ストライキで闘った経験報告――学校図書館ユニオン」をUP。

 ◆[報告]:「公立図書館・公立学校図書館の職員の専門性の維持、進展の問題」をUP。

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 同ページには、以下のような文章を書いておいた。

 ◆ 今回は、ストライキをSNS上で発信し、即時に多数の共感のメッセージが寄せられた「練馬区立図書館専門員労働組合」の闘いへの道筋(歴史的背景)と現場組合員から報告を受けた。

 研究会代表の木下武男から「専門的職能の向上と自らの職域を確保する闘いであり、全国の非正規図書館司書に大きな激励の闘い」を示したこと、などが指摘された。

 つづけて「公共一般 東京図書館ユニオンの闘いの報告」と一人ストライキで自らへのパワハラ、いやがらせとたたかった学校図書館司書の報告を受けた。

 また図書館司書が広範に非正規化された「公務員施策の歴史的過程」を分析した日本図書館協会元事務局長さんからの貴重なレポートも学んだ。

 討論では、「練馬区立図書館専門員労働組合」への親組合の練馬区職労・自治労都本部の激励・支援のスタイル、練馬区の指定管理職制度の下にいる図書館従事者の関係づくり、「東京図書館ユニオン」の資料集約の方法、労働相談や一人ひとりの民間労働者とのつながり、学校図書館分会の組合員拡大の方法などが、交流された。

 

 練馬区立図書館専門員労働組合の女性組合員の「私は19万円なんです」と低く言われた非正規司書さんへの待遇の劣位の現実、そして図書館ユニオン委員長が示した「各区の俸給時間給表で“対前年より3円下げた区”がある」という非情さについては、高給を食む行政マンの非社会連帯的人生観の無情を、もっと明らかにして、社会的公正な「図書館司書の待遇改善」を、「公共図書館を愛する一人ひとりの市民」に、明らかにしなければならないと強く思った。

 「公共図書館は無料」という法的根拠が、図書館民営化の最後の砦になっているのではないかと、教えられた。

 

2018年12月24日 (月)

「朝日新聞」でも紹介されたジャパンビバレッジの闘い

「業種別職種別ユニオン運動」研究会の主体となっている青年たちの闘いが「朝日新聞」の朝刊版(栃・埼・北部の16面)で紹介されている。

 

「若者を追い込む 過酷な労働環境 正社員は名ばかり 残業代・賞与なし」



  その一つ、ジャパンビバレッジは、ブラック大賞のなかで「有給ちゃんと取らせま賞」に輝いていることが、23日(日)に発表されている。

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/180430japan-Beverage.html

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2018年11月 7日 (水)

「関生型運動論の分析――要宏輝」のページをUP。

「業種別職種別ユニオン運動」研究会のHPにリンクする形で、新ページでUPした。

 

連帯・関西生コン支部機関紙「くさり」に要宏輝さんが連載――「関生型運動」考察と「労働運動要論」①~⑬――したモノ。

 

現在、戦後最大級の刑事弾圧=国家的不当弾圧と闘っている渦中の連帯・関西生コン支部。その闘いの現代史的意義、日本の労働組合運動のたたかう労働組合づくりへのメッセージ。

「要宏輝の関生型運動論」のページ

http://e-union.sakura.ne.jp/kaname/index.html



 ◇主な目次

 1 「刑事弾圧との闘い」

 2 協同組合論――協同組合実践と「関生型運動」 

 3 現代企業別労働組合批判と関生型労働運動

 4 連帯の金字塔、長澤運輸、ハマキョウレックスの労契法20条裁判闘争の社会的インパクト

 《連帯・関西生コン支部。その機関紙「くさり」に連載の要宏輝のコラム》より。

 https://www.kannama.com/kusari/index-2.html


 

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 ぜひ目を通していただきたい点は、「連帯・関西生コン支部が事業協同組合を生コン業界、バラ業界、圧送業界」ごとに形成し(その内部ごとに業種別職種別労働組合運動を擁立)、大手セメント資本およびゼネコンへ、バリアを貼りめぐらし、中小企業主とそれぞれの業界傘下の労働者の賃上げ、労働日の規制を勝ち取っていることが、分析されている。

 

 その労働側陣営の成果は、生コン業界では「年収800万円台、年間休日150日の就労状態(ドイツの紹介――「ドイツ人はなぜ 1年に150日 休んでも仕事が回るのか」、在独ジャーナリスト 熊谷 徹(20161013日・ミュンヘン)。)」を勝ち取り、圧送業界では「この10年間で350万円台の年収を600万円台に引き上げてきた」事実がある。

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 春闘を抑圧してきた財界から見たら、“目の上のたん瘤“どころではない、その秘密は「企業の外につくった産業別労働組合の威力、業種別職種別ユニオンの現代的意義」が見えてきたし、世間に広まるのを恐れているのが、今の攻撃だ。

 労働組合・ユニオンは「企業の外」(地域)につくることが常識になったら、どうなるか。

 だれでも参加できるし、日本の労働組合運動は変わる!

 

 kanameさんのブログ 要宏輝の正義の労働運動

http://kanamehiroaki.com/?q=blog/1

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2018年10月19日 (金)

「関西生コン労組と協同組合運動」を開きます。

20181027日(土)(午後13時から17時まで)に渋谷区立勤労福祉会館にて、以下の講座が開かれる。

 http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/181027coophe-tuda.html

 

◆「関西生コン労組と協同組合運動――第3回、生コン関連業種別ユニオン連続講座」

Ⅰ部 「資本主義社会を超える経済体制と実現の戦略ー『関生』運動を基礎にー」

  報告者 津田直則(桃山学院大学名誉教授)

  質問者 木下武男(元昭和女子大学教授)

Ⅱ部 事業協同組合と経営活動

報告者 久貝博司((株)京都生コン代表取締役)

小田 要(元大阪兵庫生コン経営者会会長)

  質問者 鈴木和幸(NPO法人クリーニングカスタマーズサポート)

 

 津田先生の当日、話されるパワーポイントをいただき、読んでみてびっくり。

【1】系列下で搾取されている中小企業も事業協同組合設立により社会的連帯経済に入るべきである

4)社会的連帯経済の課題(新パラダイムの創造)

⇒これは、これまでの「労働者協同組合法の推進に当たって、中小企業等事業協同組合法を批判してきた」という認識だったが、それを「社会連帯経済の側に引き寄せ、大企業支配への抵抗主体」としている関西生コン支部運動の成果としている。

 確かに狭い範囲の「協同組合推進」論だけでは、現在の社会変革にとって必要十分条件にはならない。

 

これは広範な建設、運輸、福祉、医療などの中小企業陣営へのテーマとして訴求力をもたらし、さまざまな労働分野に適応できる。

 ここにも、関西生コン支部型労働組合運動は大資本には脅威になっている、事実が浮かび上がっている。

 

 この研究会を通じて、労働組合運動・ユニオン運動の横に「産業別・業種別分析ができるNPOの存在意義が見えてきた」ことにつづく、研究会のヒットだ。

 

  ▽(追記:2018.11.1

 

  木下武男さん(元昭和女子大学教授)は、20114月に出版された本ですでに以下のように書いてあった

 

 ●労組と事業協同組合との共同

 

 第三は、事業協同組合と労働組合との関係についてである。日本的土壌の上にユニオニズムを移植するためにはこの問題が十分に理解されなければならない。重層的下請構造や背景資本による個別企業の支配などによって、大企業の中小企業に対する収奪構造が存在する。また安易な新規参入によって過当競争が引き起こされ、そのなかで中小企業の経営基盤は極めて脆弱である。このような経営環境のもとで中小企業労働者の大幅な労働条件の向上をはかるためにはどのような方法があるのか、という問題である。

 

 実は、今回の関西生コン支部のストライキは、直接的には、生コン企業に対する賃上げを要求してなされたものではない。生コン企業がゼネコン各社に販売する価格をめぐってである。関西生コン支部は、生コンの一リユーベ (立方メートル)当たりの価格の引き上げを要求した。なぜ、このような要求でなされたのだろうか。

 

 生コンは、セメントと砂、砂利、水を撹押して製品ができる。その原料であるセメントは、大手セメント・メーカーが高値を押しつけてくる。また、製品の多くの販売先であるゼネコンは、生コンを買いたたく。大企業に挟撃される形の生コン業界が生き残るには、中小企業が結束する以外にはない。その方法が中小企業協同組合である。関西の生コン企業は、協同組合をつくって「共同受注」と「共同販売」を追求してきた。ゼネコンからの生コンの受注は協同組合が共同して受ける。そして、協同組合が販売価格を設定して、ゼネコンに「共同販売」をする。これは独占禁止法に違反しない。

 

 生コン業界の中小企業協同組合は全国に存在する。しかし、労働組合と共同し、大企業と対抗する協同組合が関西でつくり出されたのは、関西生コン支部の激しい産業別統一闘争によってである。生コン支部は経営者に、生コンの安値販売を阻止するには、協同組合という方式によって「企業間競争の規制」を実現する以外にはないことを闘争と説得によって理解させてきた。この経営基盤の安定によって賃上げの原資を確保することができる。その結果が、今日の関西地方における生コン労働者の労働条件と社会的地位の向上をもたらしたのである。今回も、ストライキの後に支部は五〇〇〇円の賃上げを実現した。

 

 ◇出所:《建設独占を揺がした139日―関西生コン労組のストライキが切り開いた地平 : 労働運動の現段階と業種別・職種別運動、木下武男、20114月、木下武男、丸山茂樹、変革のアソシエ》 

 

 

 

http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/180929bara-assou-kansainamakon.html

 

 

 

 

 「関西生コン労組と協同組合運動のページ」をUPしました。

 http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/181027coophe-tuda.html

 

 

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 Ⅰ部 「資本主義社会を超える経済体制と実現の戦略ー『関生』運動を基礎にー」、報告者 津田直則(桃山学院大学名誉教授)全ページ一挙に「パワーポイント」で見られます。

 

 TOPページから

 http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/

 

 ▽参考論文――

 津田直則「モンドラゴン協同組合――連帯が築くもう一つの経済体制」『世界』201211月号

 「イタリア連帯思想並びに社会的協同思想とその実践――資本主義を超える新たな経済体制論-」『いのちとくらし』62号、20183月参照

 搾取と闘う社会変革の闘士たち(2018910日 追加・更新)  

「社会的連帯経済―ネットワークでめざす新たな社会構想――津田直則のホームページです」にUPされました。 

 

 【参考】仕事と雇用確保を実現する連帯労組の戦略――大企業支配に対抗し「社会的連帯経済」の発展による社会変革を求めて、関西派遣団(報告者:弘田孝明)、「2018CSEF ビルバオ大会」への参加に向けて、ソウル宣言の会。

https://www.seoulsengen.jp/blank-3

 

 

2018年10月 3日 (水)

関西生コン・関連業種別ユニオンの研究《その2》――バラセメント・コンクリート圧送

 関西生コンの武委員長の講演から始まった「関西生コンの研究」の《その2》が下記のように開催された。

 

   「関西生コンの研究」の《その2

 

 研究会の発信案内には、「生コンとバラセメントの輸送運賃の引き上げを求めて1212日から関連の業種別ユニオンがストライキ闘争に入りました。今回の生コン関連のゼネストで生コンのミキサー車の1000台、バラ輸送車の500台がストの対象となりました。1週間の闘争をへて大きな成果を勝ち取り、妥結しました。2010年につぐ大ストライキの貴重な経験を、東京でも共有したいと思い、緊急の研究会を企画しました」と書かれている。 

 

 

  ▽追記(2018.10.06

 

 関西生コン支部労働組合運動の重要性

 

 ◇事業協同組合、バラ・圧送・生コン業界と職種別労働組合の意義――木下武男研 究会代表が「分析・解明」してきた事実

 

 http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/180929bara-assou-kansainamakon.html#jigyoukyoudou181006

 

  ◆30名の参加で、「生コン関連業種別ユニオン連続講座」の第2回目を開催。

 

 ◆第2回目は2018929日(土)午後13時~17時、都内:港区麻布台の大阪経済法科大学アジア太平洋センターセミナーハウス2F大研修室(土)、営団地下鉄神谷町下車5分、で開催された。

 開会の前に武建一連帯労組関西生コン支部委員長および20名もの一般組合員の「不当逮捕」に抗議して、西山直洋さん(全日建連帯労組関西生コン支部)から『何故、彼らは「闘う労働組合」つぶしに狂奔するのか――利権集団、差別集団、裏切り労組、警察権力が一体となった連帯攻撃が意味するもの、その狙い』が表明され、この間の反動的な攻撃にたいして、断固たる闘いをすすめるとアッピールされた。

 

 つづいて研究会にうつり、今日のテーマ:「生コン関連業種別ユニオンの発展」として――Ⅰ部:バラセメント業界について、西山直洋さん(全日建連帯労組近畿セメント支部近畿地本書記長)/Ⅱ部:コンクリート圧送業界とその労働について、阪口充さん(近畿コンクリート圧送労働組合副委員長)と梶山義雄さん(近畿コンクリート圧送労働組合書記長)からレジュメに基づいて話された。

 

 当日の報告は、バラセメント輸送(セメント材料を運送するバラ車)⇒生コン製造・運送(ミキサー車)⇒コンクリート圧送車プラス打設工事、そしてそれぞれの業界とその相互関連が解きほぐされ、産業政策に基づく協同組合・「業種別ユニオン」づくりのプロセスが解明された。


 2010年の「139日のゼネラルストライキ」の成功は、「生コン⇒バラセメント輸送⇒コンクリート圧送」方式の「三位一体ストライキ」が実現して、要求が勝ちとられたことも力説された。

 今回の攻撃は、この関生方式が、近畿全体に、そして建設労働現場をはじめ全業界に広範囲に広がることを恐れた攻撃であることがよくわかった。

 

 

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 ◇バラ車とは:粉末の袋詰されていないセメント(バラセメント)を運搬する車。 セメント工場からコンクリートプラントまでのバラセメントの運搬に使用している。 セメントローリー、粉粒体運搬車とも呼ぶ。

 

 ◇コンクリート圧送労働とは:ゼネコンなどのビル・マンション建設現場で、基礎などコンクリートで作られる部分の型枠に、コンクリートを流し込む事。公共事業現場には、「コンクリート圧送施工技能士」などの資格が必要とのこと。

 

「種別職種別ユニオン運動」研究会

  http://www.gyousyubetu-syokusyubetu-union.com/

 

さらに武委員長をはじめ組合員多数の逮捕にかかわらず多様なメッセージがだされているが、第3回の講師をしていただく方のホームページでも連帯のメッセージが発信されている。

搾取と闘う社会変革の闘士たち2018910日 追加・更新)

 

関西生コンの研究」のページへ転載

「社会的連帯経済―ネットワークでめざす新たな社会構想――津田直則(桃山学院大学

名誉教授)のホームページです」にUPされた。

http://www.socialeconomy.biz/index.html

 

「日本資本主義の縮図ともいうべき物語があります。それは第二次大戦後生まれた建設業界の中の生コンクリート業界において、大企業に搾取されている中小企業経営者とそこで働く労働者たちが搾取と闘ってきた50年以上にわたる物語です。しかもこの物語は、資本主義の矛盾を克服していく労働組合戦略を生み出した戦士とそのリーダー武建一の物語でもあります。しかし正義のために命をかけて闘ってきた彼の生き方は真実を知らない多くの人たちから誤解を受けてきました。彼の闘いは、搾取の根源である大企業資本との闘いだけではなく、それと一体となった検察、暴力団その他の右翼、更には彼を裏切った共産党等との闘いでもあります。以下では彼の聡明な頭脳とそこから生み出された日本の未来を切り開く戦略について説明いたします。彼の支持者は全国に広がってきています。」

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