自立した政治談議

2022年7月 5日 (火)

五十嵐仁さんから、これを読んで「7.10参議院選挙」へ、【追記:22.07.17】「7.10参議院選挙」の結果をどう読む、

 【追記:22.07.17】「7.10参議院選挙」の結果をどう読むか

  http://e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/igarashi-index.html#220712sangiin

   7月15日(金) 参院選結果 野党は勝利を「プレゼント」した [コメント]
〔以下のインタビュー記事は『連合通信・隔日版』第9755号、7月14日付に掲載されたものです。〕
 7月11日(月) 参院選の結果をどう見るか [参院選](「五十嵐仁の転成仁語」)

 

 五十嵐仁先生は、東京都立大学から中林賢二郎さん(元法政大学社会学部長)の大学院に来た人だった。こちらも編集の仕事をしていたが、同じ社の先輩(東京都立大)編集者から原稿を依頼されていた。
   その後、労働組合運動関係で共著の本を作ったことがある。

 「参議院選挙」の直前だが、以下のように、ページを更新しました。
 「ブログ:五十嵐仁の転成仁語」は数百万人が読んできたという稀有な「社会科学ブログ」だ。最近は、「日刊ゲンダイ」へのコメントが毎月、載っている。
 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/igarashi-index.html

 これを読んで「7.10参議院選挙」へ。
 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/ronkou.html#220704sangiin

 めでたさも最小限の自民減―総選挙の結果をどう見るか――▽ブログ:「五十嵐仁の転成仁語」(2021年11月1日より)
 いのちと立憲主義をどう守るか [論攷]、『調布「憲法ひろば」』第197号、2021年11月3日付
 ハト派・リベラル派の衣をまとった「安倍背後霊」政権――岸田文雄新内閣の性格と限界、『治安維持府と現代』2021年秋季号、第42号
 総選挙の結果と野党共闘の課題、安保破棄中央実行委員会の機関紙『安保廃棄』第487号、2021年12月号、
 政権交代への課題と展望――2021総選挙の結果から見えるもの、『八王子学術・文化日本共産党後援会ニュース』NO.19 、2022年1月10日付
 岸田政権の危険な本質と憲法闘争の課題、『月刊全労連』No.303、2022年5月号

  220704zenrouren 

 ロシアによるウクライナ侵略―― 憲法9条でなければ日本は守れない、『東京革新懇ニュース』第472号、2022年5月5日付
 岸田政権の性格と参院選の争点―何が問われ、何が訴えられるべきか、『学習の友』No.826 、2022年6月号

  2111476_o

 参院選の意義と民商・全商連への期待、『月刊民商』No.745 、2022年6月号改憲阻止へ、学んで伝え、伝える言葉を選び、伝える手段の工夫を!
〔以下の記録は5月15日に開催された茅ヶ崎革新懇主催の「春の政治教養講座」での講演の要旨をまとめたものです。『神奈川革新懇ニュース』NO.247 、2022年6月号、に掲載されました。〕

2021年10月27日 (水)

◆これは読んで「10.31衆議院選挙」へ。

「五十嵐 仁のページ」(法政大学名誉教授・法政大学大原社会問題研究所元所長)にUP――インターネット事業団の仕事。

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/igarashi-index.html

 

10・31総選挙 政権を変えるしかない!(『連合通信』No.1307、2021年10月20日号)

安倍支配を継続する岸田政権 「ハト派」の幻想振りまく(『連合通信・隔日版』No,9686、2021年10月14日付)

いま「連合」を考える  統一を妨げているものは何か――歴史認識と「反共主義」の克服―(日本民主法律家協会の機関誌『法と民主主義』2021年8:9月号 

  20210809houtominsyusyugi             

野党連合政権への道―今こそ「新しい政治」をめざそう、 (『学習の友』2021年7月号)

前進する市民と野党の共闘、待たれる野党連合政権(川崎区革新懇の『第18回総会記録集 2021年6月12日)

大急ぎでfacebookとtwitterへ。

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1346463892475004&id=100013342181734

 

2016年9月20日 (火)

NHKはおかしい――「夕方7時からのニュースと、9時からのニュース」に、同じ時間帯に「安倍首相」登場

先日、著名な出版社の編集部長出身者さんと会食した。

そのおり、NHKが話題に上り、内橋克人さんのラジオ番組(早朝6時台、30年近く放送されている)にたいして、幹部層からクレームがあるという話を聞いた。

 内橋さんは、論説でも一貫して、反権威主義的な発言と文章を書き続けているジャーナリストだ。

  その時、こちらから、毎日、夕方7時からのニュース(15分から20分)と、9時からのニュース(20分台)には必ず、「安倍首相をNHKはとりあげる」と話した。

 

 彼は、気が付かなかったようだが、2016920日(火)の「夕方7時からのニュースと、9時からのニュース」に、ほぼ同時間帯に「安倍首相」登場をNHKは放映していた。

 

 

  この小文を読んだ方は、ぜひ検証してほしい。

 


  戦前の社団法人日本放送協会について女性アナウンサーがYouTubeで「ナチスは夕方7時から『国家の時間』としてラジオを利用して国威発揚番組をつくっていたが、日本放送協会は『政府の時間』として7時半から、東条内閣の行動を発信していた」と、自分の調査を歴史に残している(URLを調べている)

 

▽追記(2016.09.21) 調べたがURLがわからなかったが、以下のような番組があった。

 

竹山昭子さん(放送史研究家)

戦争とラジオ1

2013/08/26 に公開、20090816

放送は国民に何を伝えたのか 

 

https://www.youtube.com/watch?v=HXiQctM0sVU

 

 

戦争とラジオ2

2013/08/27 に公開、20090823

日米電波戦争

 

https://www.youtube.com/watch?v=pfWu4VkfvX8

 

 「憲法9条破壊」など国民への刷り込みを、毎日しているNHKは、戦前の大本営発表型放送局になっている。

9時台のMCさんは、先日亡くなったむのたけじさんの「足の先から頭まで会社を作り変えないとジャーナリズムはだめだ」というメッセージを知ってて、毎日、スタジオから顔を出しているから、不幸な事態だ。

2014年2月 3日 (月)

竹中平蔵という男・近代経済学者

 テレビのニュースで、安倍首相の発言する場面。そのそばに竹中平蔵(1951年生まれ)がいた。国家戦略特別区域をつくるために提案した場面だ。

 私が参加しているメーリングで国家戦略特別区域について「その主要なターゲットは東京都を“世界で一番ビジネスのしやすい”地域にする、つまり都民の暮らしや雇用を守るのではなく、グローバル多国籍企業がより活動しやすくなるように、東京や日本の各地域を変えて行こうとするものである」と警告を発している。

  “国家戦略特別区域とは、第2次安倍内閣が成長戦略の柱の一つと掲げる経済特区及びその構想。外国企業の誘致のため、「解雇ルール」、「労働時間法制」、「有期雇用制度」の3点を見直し対象とする特区を設けるというもの。

 

 その中心人物が竹中平蔵だ。彼は、小泉構造改革政策のブレーンで、国民に格差社会をもたらした人物で、青年層・女性たちの非正規労働者化を推進し、地方経済・自治体財政を衰退化させたアメリカ仕込みの「近代経済学者」(いまは新自由主義経済が主流だが)だ。

 

 そこでインターネット検索でヒットした『市場と権力――「権力」に憑かれた経済学者の肖像』(佐々木 実、講談社 、201359)を読んでみた。たいへんおもしろかった。

 

  140203takenakabook_2

 

 下記は、出版社側が書いた宣伝文だ。

 済学者、国会議員、企業経営者の顔を使い分け、外圧を利用して郵政民営化など「改革」路線を推し進めた竹中平蔵がつぎに狙うものは!?

 8年におよぶ丹念な取材があぶり出す渾身の社会派ノンフィクション。

12回新潮ドキュメント賞受賞作品――「構造改革」「規制改革」という錦の御旗のもと、いったい何が繰り広げられてきたのか? その中心にはいつも、竹中平蔵というひとりの「経済学者」の存在があった。
外圧を使ってこの国を歪めるのは誰か? 郵政民営化など構造改革路線を推し進めた政治家・官僚・学者たちは、日本をどのような国に変えてしまったのか?
 8年におよぶ丹念な取材からあぶり出された事実から描ききった、渾身のノンフィクション。

 

本書に書かれていることだが――、彼はインテレクチュアル・アントレプレナーシップだそうだ。

 

世の中を動かしていくのは、アントレプレナーシップ(起業家精神)です。そして私たちにいま求められているのは、インテレクチュアル・アントレプレナーシップ、すなわち知的起業家精神です。それにはいろいろな局面がある。

たとえば、東ヨーロッパが社会主義から解放されたときに何が起こったか。アメリカの国際経営コンサルタントと言われる人たちが大量に押しかけて、アメリカ的なビジネスをつくった。これはひとつの知的起業家精神ですよ。ソ連がロシアになったときにも、たとえばワシントンのアーバンインスティチュートという研究所がロシアに進出し、ロシアの都市計画をほとんど手がけた。あるいは、中国で会計基準をつくるときには、アメリカの国際公認会計士が大挙して手伝った。

そして、いまの日本では、政策に関する知的起業家精神が改めて求められている。

自ら解説しているように、小泉政権における竹中のポジションは、東欧の旧社会主義国にビジネスチャンスを求めて押しかけたアメリカの経営コンサルタントとどこか似ていた。抜け目ない知的起業家は「市場化」の伝道師でもある。

 

『市場と権力』の紹介文が、現代ビジネスにある。まずそれを読んでほしいが、アメリカ取材など丹念に行われた本だが、まだ読んでわからなかったことがいっぱいある。

1 彼はなぜ、慶応大学教授でありながら半年もアメリカの生活ができたのか。

2 他の研究者と共同研究した論文が、彼の名前で単行本となっている事実。なぜ問題にならないのか。

3 リーマンショックで大打撃を受けた世界経済、金融マジック経済の仕掛けをした人物ネットワークと懇意になっていたのに、なぜ彼は批判をまぬがれたのか。

4 なぜ佃島に3カ所の「億ション」を持てたのか。国会でも追及されたようだが、その後は。

5 小泉「郵政改革」の仕掛けを何のためにやったのか。

6 金融改革で問題を起こした人がいるが、なぜ彼は塀の上からなかに落ちなかったのか。

7 いままた安倍内閣の司令塔に座っているのは、マスコミが悪いのか、アメリカが悪いのか、国民が無知なのか。

2013年7月18日 (木)

民主党壊滅は「危機管理戦略」の発動では!?

  民主党の壊滅について、民主党の側から書かれたものがないかを検証したら、全道庁労連・自治労の人が、“現実は官僚に使い捨てられた「3首相」ではなかったのか。”という趣旨の論攷があった。

 

私は、この間の衆議院選挙、都議会選挙、これから投票される参議院選挙で民主党を壊滅に追い込んだ(新聞・マスコミなどの世論調査によると追い込まれる)ものは、沖縄からの米軍一部移転、消費税の増税、社会保障の後退などの政治的テーマであるが、それを仕組んだ勢力がいるはずだ。

その大きな勢力は「財界・官界・検察界・マスコミのコングロマリット」だ。

「政権交代という市民・国民の選択」をひっくり返す、エリート勢力たちの「危機管理戦略」(1980年代初頭に話題になった)が発動されたと思う。

 各種メーリングやツイッターなどでの発言をすべて見ていないが、どうも内側の批判は、よく書かれているが、相手側(権威的・エリート社会)の分析がでてこない。

 さらに「社会保障と税の一体改革」(消費税増税と社会保障切り捨て)「沖縄」については、参議院選挙の争点にでてこない(反原発の人が自民党に投票するという、変なロジック人間の多さ)。

 

「消えた民主党票=壊滅の道」の本質解明を現職のジャーナリスト、フリー・ジャーナリストに期待したい。

 

 NO116 民主党政権 失敗の本質=消費増税と党分裂に象徴される「脱官僚」の実際と非民主的体質 20130226 15:08

   http://www.zendocho.or.jp/2013/02/no116_1.html

 

 民主党は2月24日、党改革の第1次報告を了承した。報道各社の評価は厳しいが、「党トップによる失敗の連鎖」など民主党政権の失敗を振り返るうえでの総括ポイントはほぼ網羅されているように思える。

 問題は、なぜ党トップは失敗したのかである。官僚を使いこなすどころか、現実は官僚に使い捨てられた「3首相」ではなかったのか。政権崩壊が決定的となった消費増税問題と民主党分裂を軸に検証してみたい。

 まず、いつもながら新聞記事の紹介から始めたい。興味深い朝日新聞の特集記事がある。もう1年ほど前である。政権が消費税増税問題で揺れていた昨年4月「民主党政権 その失敗の本質」とのシリーズを組んだ。

 その1回目は「脱官僚の裏で財務省と握手」。記事は1代目首相・鳩山由紀夫の父は旧大蔵事務次官、2代目首相・菅直人は藤井初代財務大臣(元大蔵官僚)の後継、3代目首相・野田佳彦は3代目財務大臣という構図に象徴される歴代首相の財務省との関係を取材で明らかにしている。

 つまり、政権を担う幹部・中枢は「脱官僚」を掲げた政権交代だったが、財務だけは例外だという認識が当初からあった。「脱官僚」の決め手は予算編成権だが、当時の菅国家戦略相はその主導権を掌握できず、必然的に財務官僚へ依存してしまった。結果として、政権への財務官僚の暗躍を許すこととなり、そして彼らの権益拡大として悲願ともいうべき消費増税路線へ誘導されてしまったというのである。

 こののように見てくると、菅直人2代目首相が突然のように、しかも大事な参院選の最中に消費増税を言い出した背景も理解できる。選挙は惨敗、国会は不安定化する。東日本大震災も重なり、政権の求心力が急速に低下していく。

 ここで消費増税問題はいったん留保すべき政策課題だったのだろう。しかし、消費増税に言及した野田代表が勝利し、野田首相は「政治生命を賭ける」とまで豪語する。こうして、民主党はマニフェストにもない消費増税に踏み込み、、遂には党の分裂に至る。

 この「朝日」の特集の1月前の昨年3月、民主党は消費増税の党内の「事前審査」を8日間、46時間半かけて議論していたことは記憶に残っているかと思う。しかし、前原政調会長は審議を打ち切り、反対派はバリケードを築いて阻止しようとした。分裂が決定的となった瞬間だった。

 そもそもマニフェストにない政策を実行するのだから、意見がぶつかるのは当たり前である。しかも、この議論は国会議員だけでおこなわれ、地方議員や広く一般党員の意見を吸い上げることもなかった。「党内でまとまらないものが国民の理解を得られるはずがない」とささやかれた。

 しかし、悲しいかな意見を集約するルールが確立していなかった。民主党は当初政調を廃止し政策決定の政府への一元化をすすめたが、菅内閣でまた復活させる。「政府と与党の一元化」はもともと小沢氏の持論だったというが、どちらにしても、背景には政策決定を巡る党内の「権力争い」があったため、定着、機能しないまま経過してきた。

 自民党は、官僚主導だったとはいえ、いかなる法案も、政調を経て総務会の全会一致が原則だったという。そしてこの総務会は派閥の代表者でバランスをとっていた。「一任取り付け」などどいうのはある程度合意形成ができつつある場合には機能しても賛否両論、しかも分裂含みの場合は組織の亀裂を深めるだけである。「党内議論につまずけば消費増税は気泡に帰す」というまさに逆立ちした政治情勢判断こそ総括されなければならない。

 この論考は消費増税の是非を論じたものではない。その手続きや実施のタイミングが党内民主主義のあり方を含めて真摯に総括されることを意図したものである。民主党は政権担当能力どころか自党の運営につまずき自滅したといっていい。

 (政策情報室 井上昭弘)

2013年5月12日 (日)

九条の会発行のブックレット紹介――五十嵐仁のページ更新

 「昨年末の衆議院選挙で、自民党は過半数投票を得たわけではないのに、小選挙区制のマジックで政権を得た」と論陣を張っている、五十嵐仁さんが、「九条の会」からブックレットを下記のように、発刊した。

 

  五十嵐仁のページ

  http://e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/igarashi-index.htm

 憲法九条の新たな危機に抗して 第二次安倍政権――政治の右傾化と集団的自衛権

 日本政治の右傾化と憲法の危機――危機打開・活憲に向けての大運動を

 ブックレット判、九条の会 発行、2013年4月18日発行、頒価400円、九条の会

 

 一人でも多くの方に読んでいただきたく、チラシ風の目次を作ったので参照してほしい。

 

  1305119hyousi_2


 

 

 

 

 

 


2013年4月 9日 (火)

アメリカ合州国にならなかった可否――「五十嵐仁のページ」を更新

  いま、アベノミクスが世間で喧伝され、まずは世の中に供給される日本紙幣(円)がジャブジャブと発行され、円安・株高で「資産バブル」が起こるといわれている(昔はマネーサプライというキーワードで語られていたが、最近はマネーストックいわれているらしい。しかしその変化からアベノミクスを書いているマスコミはない。どうなのか経済学者は書くべきだ)。

 

1980年後半に加藤哲郎・伊藤正直・高橋祐吉・田端博邦・寺西俊一さんたちの 『これからの日本を読む――現代社会入門』(労働旬報社、1987年)を出版したことがある。この本では日本経済を危機でとらえるのではなく、「構造的危機に陥っている日本社会論」からの離脱のすすめだったが、「バブルに向かった日本社会の入り口」を切り取った本だ。

「危機、キキ、キキ」といい続けていた人たちにとっては、異端の書のようだった。

 

サプライサイダー【supply-sider】(経済活動において需要面よりも供給面を重視する考え方を信奉する人々)という言葉があるようだが、アベノミクスのマネー・サプライを増やし需要がついてくるとする期待感にたいして、こちらは世代を超えて「非正規労働者1700万人」減少のための労働組合運動を期待したい。

需要がないのではなく、車も買えず、海外旅行にも行けなくて恋もできない3分の1に及ぶ青年・女性たちのあきらめの声が聞こえてくるのだ。

 

話は飛ぶが、五十嵐仁さんの「日本市場をこじ開けようとし続けてきたアメリカの執念」を読んで、「アメリカ合州国」(本多勝一さんの言葉)の一員にしていたら、こんな苦労をしなくてもいいはずだが、これも「歴史の妙」なのだろう。

 

《追記》

しかし「五十嵐仁の転成仁語」(4月10日(水) 裁判官の独立などは「絵に描いた餅」だった)では、田中長官が「砂川判決」を撤回するように最高裁を導くという「アメリカ追随」を批判している。

以下、「五十嵐仁のページ」を更新したので読んでほしい。

 

日本市場をこじ開けようとし続けてきたアメリカの執念、 八王子革新懇機関紙『革新懇話会』第57号(2013325日)

書評:渡辺治著『渡辺治の政治学入門』、雑誌『経済』2013 年4月号

労働規制緩和の攻勢をかける経営者団体――日本経団連『経営労働政策委員会報告』批判、『自然と人間』2013 3月号

インターネットによるレイバーネットTVの放送(2013214日)のためのメモ【イガジン、安倍“危機発生内閣”を斬る!】に出演[2013215日(金)]

[付]FMラジオJ-WAVEで「JAM THE WORLD」の放送に出演(2013211日)、それに向けてのメモ[2013212日(火)]

参院選後も政権安定は無理、『連合通信・隔日版』№ 86912013 1 31日付

総選挙の結果をどうみるか――小選挙区制によってアシストされた虚構の自民圧勝、『学習の友』No.7142013年2月号

自衛隊の国防軍化――変える必要性があるのか、「金曜討論」『産経新聞』1月25日付

 


 「現代労働組合研究会のページ」では以下のように、各ページの更新もすすめてある。興味のある方はどうぞ。



13/03/29 それぞれの労働組合運動史・論 その3

レポート 労働運動研究(準備1号)――2013.1.25 発行/労働運動研究フォーラム

 1 「労働運動再生のための討論会」の開催に向けた懇談会

      経過報告と問題提起     共同代表 伊藤 彰信

  2 労働運動の現状と課題      共同代表 中岡 基明

  3 地域労働運動の再生と課題    市原地区労顧問 鳰川 静 

13/03/29 new  「浅見和彦のページ」 を更新

 建設労働者・就業者の組織的結集過程と労働組合機能の発展――戦後の諸段階と展望、全建総連、20101111  (PDF版)

2013.03.25 「全労協をになう人たち」を更新

 全統一の30年の経験から――アメーバー型労働組合運動へ

――鳥井一平「ある個人加盟労組の三〇年:全統一労組の経験」(PDF版)

2012年12月30日 (日)

自民党圧勝と野田前首相――「五十嵐仁のページ」を更新

 衆議院選挙前後の政治の世界を斬る論攷をUPした。短い文章だが、問題の位置を表示している。

 

政治と社会への目を開いてくれた高校時代『新潟県立直江津高等学校創立100周年記念誌』2012年8月

中国の反日デモと石原慎太郎都知事の責任『革新懇話会』第55号(2012年9月25日付)

脱原発示せぬ野田政権『全国商工新聞』20121022日付

石原慎太郎都知事の辞職と国政への影響『東京革新懇ニュース』2012115日付(第377号)

集団自衛権の容認と憲法改悪の潮流の強まり『日本科学者会議東京支部つうしん』20121110日付(第541号)

自民党圧勝・民主党壊滅でいっそう重要になるブレーキ役『革新懇話会』第56号(20121225日付)

 

TOPページ

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/igarashi-index.htm

 

論攷のページ

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/ronkou.htm

 

講演の記録

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/kouen.htm

 

 

18歳からの現代社会入門――「五十嵐仁のページ」を更新

2012年11月21日 (水)

野田首相の思想と行動・その2――松下政経塾とは―Ⅱ

 坂本龍馬の「船中八策」をまねて、最近出された大阪維新の会・「「維新八策」最終案の全文」(日本経済新聞WEB版、2012.09.01)を読んでみた。

 衆議院議員数を半数にする、憲法を改正しやすくする、ことなどをうたっている。

 http://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXNASHC3103B_R30C12A8000000

 

 
 

 下に掲げる「志士の会の『日本プライド構想』には、以下のような十一の政策」(『襤褸の旗――松下政経塾の旗』出井康博著、飛鳥新社、20122月)があるが、橋本維新の会の思想とほとんど変わらないことがわかる。

121121idei

 

第一策 首相公選制 日本のトップマネージャーは、国民の手で選ぶ

第二策 地域主権  地域主権国家をつくり、地方をイキイキさせる

第三策 安全保障  自国の安全に責任をもち、国際平和を支える国に

第四策 情報公開  「知る権利」に立脚した情報公開の徹底を

第五策 司法改革  時間とお金のかかる裁判をなくす

第六策 税制改革  国民に富を残し、意欲の湧く税制に

第七策 規制撤廃  経済規制を撤廃し、日本経済に活力を

第八策 民営化   民営化を徹底的に進め、国の贅肉をとりのぞく

第九策 社会保障  自助努力を「主」とする、社会保障制度を

第十策 教育改革  百花繚乱の教育化企画で、独創的な子どもを育てる

第十一策 環境保全 環境に責任をもち、人類の未来に貢献する

 

 著者のジャーナリストの出井さんは、《「第一策」の「首相公選制」以外は、総花的でわかりにくい。志士の会が目指す方向を理解するためには、政策の前に書かれた「はじめに」という以下の文章の方が明快だ。》として、下記の文章を引用している。

 

〈現在の日本は自由主義という仮面をかぶった「社会主義国」といっても過言ではありません。戦後の日本に築き上げられた官僚主導中央集権型システムは、官民を一体化し、敗戦で壊滅的な打撃を受けた日本を、戦後三十年もたたないうちに世界の経済大国にまで成長させました。この事実は賞賛に値するものであり、私たちは先達の努力に心から感謝します。しかし同時に、日本に成功をもたらしたそのシステムこそが、日本を「社会主義国」化し、戦後最大の危機に陥れていることも認識すべきだと訴えます。

(中略)私たちがいま取り組もうとしているのは、日本を仮面をかぶった「社会主義国家」から素顔の「自由主義国家」に改造することであり、日本そして日本人にプライドを取り戻すことです。それはまさに「二十一世紀の維新」とも言える大事業となるでしょう。私たちは、その大事業のブループリントを「日本プライド構想」としてここに提言したいと思います。恐らく多くの人は、私たちのこの提言に反発されることと思います。政治家がこれを唱えたならば、敵を増やし、落選することもあるでしょう。

それでも私たちは提言します。それが日本を救う道だと信じているからです。そして、いま反発をもつ人にも、いずれは、賛同いただけると信じているからです。〉(同書、p96

 

 昔、「日本は私たちの目標とする社会主義国だ」と書いた中国の研究機関があったことを記憶している。中国の権力集団が目標とするのが日本で、日本の権力をめざした人たちが「離脱」をかかげる、不思議な関係だ。

 


 話を戻して、大阪維新の会の目標と、野田首相の思想が一致しているのは、志士の会のメンバーが橋下次期首相候補のブレーンとして参加しているからだ。

 そのメンバー表は、下記の通り。

 《中心メンバーは、日本新党初当選組の野田佳彦、山田宏、長浜博行である。(中略)他のメンバーは、鈴木康友(一期、浜松市長)、海老根靖典(二期、藤沢市長)、河井淳一(二期、首相政務秘書官)、小田全宏(四期、NPO法人「日本政策フロンティア」理事長)、勝又恒一郎(八期、民主党衆院議員)、市村浩一郎(九期、民主党衆院議員)、中田宏(十期、前・横浜市長)など。さらに塾以外から、日本新党当選組の河村たかし(現・名古屋市長〉や中村時広(現・愛媛県知事)なども加わって、総勢十数名で構成された。》

 

 

 1997年ごろのメンバーだが、そのなかの山田宏、中田宏の両メンバーは、最近、日本創新党を解散し、日本維新の会から衆議院に立候補すると報道されている。

 



 野田首相が「民主党のマニフェスト」にはなかった消費税増税やTPPを推進しているのは、「エリート官僚政治からの離脱」をかかげた民主党を内部から食いちぎり(官僚主導中央集中型システムの離脱を言葉で言いながら)、「志士の会」が掲げた政治戦略を広げているからだ。

 

このような「くらしやふくし充実の側」にたつ政治から自己中心の政治を実行する姿は、労働組合を内部から食いちぎり、企業の経営権を乗っ取ったインフォーマル組織の手法と同じだと思う。

 

反権威主義でもういちど、企業と労働組合、自治体・政党の姿を見直したいものだ。

2012年11月18日 (日)

野田首相の思想と行動――松下政経塾とは―Ⅰ

 以前、有田芳生さん(民主党参議院議員)のブログ(有田芳生の『酔醒漫録』、2010/01/30)で民主党の構造は、3層あるという分析・渡辺治教授の最終講義――(《「悩みながらの構造改革派」(指導部)、「民主党による利益誘導型政治」(小沢グループ)、「個々の福祉政治実現型」(長妻、山井など)と腑分けする。渡辺さんの表現では「頭部」「胴体」「手足」である。私がこれまでも主張し、これからも取っていくスタンスは「福祉政治実現型」だ》を読んだことがあるが、「松下政経塾」出身者は、「悩みながらの構造改革派」なのか、よく分からなかった。

  http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2010/01/post_d9f7.html

 菅直人が首相になったときは、図書館から『政治家の人間力――江田三郎への手紙』(責任編集・北岡和義、明石書店、20071012日)を借りてきて一読したが、「1960年代の構造改革派」のようには決してならなかった。

 http://www.eda-jp.com/saburou/30-100/index.html

さて「松下政経塾」というのはなんのか? 知りたくて、この間、ジャーナリスト・出井康博さんが書いた2冊の本『松下政経塾とはなにか』(新潮新書、2004年11月)、『襤褸の旗――松下政経塾の研究』(飛鳥新社、2012年2月)を読んでみた。

前者は松下幸之助を中心に書かれており、巨額な資金が出され、政治家養成を試みた話が中心だった。記憶に残ったのは、「無税国家論」だ。

後者の本では、野田首相の「志士の会」のときのアピール文(『日本プライド構想――コンセンサスの政治より、信念の政治を』、1997年)が掲載されていたので、ここに引用しておく。原典をインターネット上で検索したが、今の段階では調べきれていない。

なんと、司馬遼太郎文学を下敷きにした「安サラリーマンの処世術」の文章ではないか。

〈日本が危ない

 この国の危機を、我々はもはや見過ごすことができない。新しい時代の扉を開き、新しい日本を築くため、若い力が立ち上がる時が来た。

 長引く景気低迷は解決の緒すら見えず、国民の不安は日に高まるばかりである。国家財政は破綻の一途をたどり、このまま放置すれば、そのツケは次世代が背負うことになる。政・官・業の癒着は目に余り、続発する不祥事は、わが国指導者たちの質的劣化の現れである。未来の日本を担うべき子どもたちは刹那の海でおぼれ、健全な精神を失おうとしている。

 事態は深刻である。しかるに、国を導くべき指導者たちは時代認識に暗く、国の将来を見定めたビジョンをもたない。政党は相変わらず政権をめぐる醜い争いに明け暮れ、政治家は議席を守ることに汲々とし、官僚は保身のために前例主義と省益とでしか物事が決められない。

 もはや座視している時ではない。誰かが先陣をきって立ち上がるべき時である。このまま時を空費していれば、この国はたちまち深い奈落へ落ちてしまうだろう。「持ち時間」は僅かしかない。時代はまさに二十一世紀の大晦日である。溜まったほこりを払い、こびりついた汚れを拭う「世紀の大掃除」は、国力がまだ残っている今こそ取り組まなければならない。

我々がめざす理想の社会は、他人の自由を侵さない限り個人の自由が保証され、またすべての人に機会の平等が約束された』である。それは個人が自己責任のもとに、自身の人生を自由に選択できる、『夢と志の生きる社会』である。国会の役割は最小限にとどめ、個人の活動や生活に介入してはならない。

しかし現在の日本は、網の目のように広がる規制や厚く堆積した既得権益が、国民の自由な経済活動や社会活動を阻害していて、理想とは逆の閉鎖社会に陥っている。こうした状況を打開し、理想を実現するためには、国のしくみを根本から変えるような大胆な改革が必要である。

国家財政に寄生する業界を排除し、グローバル・スタンダードに基づいた、透明で公平な経済システムを構築し、活力に満ちた新規企業が次々と育つような土壌にしなければならない。次代に借金を残さないため徹底的な行財政改革を行い、効率的な国家経営を可能にする体質に改めなければならない。霞ヶ関が自由な経済活動を過度に統制したり、地域に根ざしたまちづくりにまで深く介入するような集権体制を破砕し、自由と機会に満ちた経済社会、分権型社会を創らなければならない。

また、人々が最期まで安心して暮らせる、自主自立を前提とする豊かな福祉社会を築かなければならない。自然と環境を守り、地球を美しい姿のままで後世に残さなければならない。戦後教育の至みを根本から見直し、子どもたちの心の中にナイフが巣食うような社会と決別しなくてはならない。

時代の端境期に生きる我々は今、歴史的決断を迫られている。もはや弥縫策の積み重ねでは、次代に輝かしい未来を招来することはできない。日本のしくみを根底から変える、まさに革命ともいうべき劇的変化を成し遂げるしかない。それが担えるのは、特定の利益にとらわれない、利他の精神に溢れた政治集団だけである。自己を犠牲にしても他人や社会のために尽くすという強い意志こそが、時代が求める改革者の要件である。

すべての国民に考えてほしい。「特定の集団や特定の地域の利益代表が、数多く国会に送り込まれるのはなぜか」と。それは国家から自立した多くの人々よりも、国家に甘えすがる一部の人々の声の方が大きいからだ。国民の諦めと無関心とが、国民不在の古い政治体質の延命に手を貸していることに気付いてほしい。この国のかたちや自分たちの未来を決めるのは、国民の自覚ある行動と賢明な選択でなければならない。国民が主体である。真の民主主義国家を共に築こう。互いの自由を尊重しあい、主権者としての責任を自覚する真の主権在民国家を共に創ろう。

徳川幕府の末期は、政治、経済、社会など、すべての面に至みが生じていた。それらを一掃し、新しい国家建設をめざして一群若者たちが立ち上がった。その先頭に立った坂本龍馬が姉に送った手紙に、「日本を洗濯致し申し候」という言葉がある。明治維新とはまさに、命を懸けて国を救おうとした若者たちの純粋な利他の精神が、日本という国の丸洗いを可能にした大事業だったのである。翻って現在の日本も、幕末同様、国の様々なシステムが機能不全に陥り、構造改革の必要に迫られている。再び国を丸洗いすべき時が来たのだ。

「いま一度日本を洗濯致し申し候」これが私たちの志である。

ここに、名もなく地位もないが、ただひたすらに日本再生のため、「二十一世紀維新」に身命をささげようという改革者の結集体として、「志士の会」を結成する。

を同じくする人々は老若男女こぞって結集してほしい。日本をよくするために、力ある人は力を、知恵ある人は知恵を、資力ある人は資力を、是非、私たちに貸してほしい。

若い力の疾風と心ある国民の怒涛とが重なった時、必ずや新たな歴史が開くと確信している。

 

 出井さんは次のように一言語っている。

《以上が、当時四十歳だった野田が執筆した文章だ。

「志士の会」という名称が象徴するように、野田らは明治維新に強い憧れを持っていた。趣意書には、坂本龍馬の有名な言葉も引用されている。つまり、自分たちこそ現代の「龍馬」だというわけである。このメンタリティこそ、野田に限らず、「松下政経塾」の真骨山なのだ。

力の入った文章だが、かなり自己陶酔的でもある。幼いといえば、幼い。ひとことで言えば、空疎なのだ。》

これでは、あの60年代末の東大闘争をくぐり抜け、自民党政治を動かした「ハイパワーエリート官僚勢力」とその末裔に勝てるわけがない。

消費税もオスプレイ配備もTPPもエリート官僚の指図で、動かされるはずだ。

 次の総選挙が始まっているが、石原慎太郎閣下や橋下次期首相候補にしても、「30年前の司馬遼太郎文学」を超えたキーワードで語ってほしい。

 「関が原」「義経」「坂本龍馬」「翔ぶが如く」をしこたま読んで、酒場でおだ上げて、1970年代から1980年代に語っていた人たちはすでに「鬼籍」に入っている人が多い時代なのだから!

 

無料ブログはココログ