そごう・西武労働組合の頑張りに「共鳴」!
大昔、学生運動が華やかしい時期(1970年初頭前後)に、報知新聞のロックアウト事件が起こった。私の知り合いが東京都立大学に行っていて、たまたま彼の先輩が報知新聞の編集部で仕事をやっていたので、「報知新聞労働組合と報知印刷労働組合のメンバーが合同して、月島の基地にいるんで、一緒に行こう」と呼びかけられた。
行ってみると、第一線の記者や印刷労働者の集団であふれていた。
このとき先輩の名前が慎吾さんという方なので、気が合い、副委員長の細郷さん(のはず)を紹介され、ロックアウトまでの背景を聞いた。
アルバイト中の出版社に、この話を持ち帰ったら柳沢明朗編集部長(のちの社長)が「ぜひやろう」と企画されたのが、『良心の歴史をつくりたい』(今崎暁己さんも執筆で参加)と題して出版された。
http://e-union.sakura.ne.jp/tokyo-sougidan/index.html#ryousin1970
当時は、企業別組合でも闘う労働組合に変身することがあった歴史だ。
そごう・西武労働組合も「変身した」ので、応援したい。
1960年代、高度成長期に都会(東京)に集積した若い労働者の「たたかう労働者のど根性」を描いて励ました『東京争議団物語』(1965年、市毛良昌・佐藤一晴ほか著、旬報社のHPで読める)は、労働者によく読まれた本だが、1970年代に向けて昭和二ケタ世代の「普通の労働者・サラリーマン・記者たち」が読売資本の意を受けた報知新聞経営者の、一方的な「ロックアウト」に抗して立ち上がったドキュメントが、この『良心の歴史をつくりたい』だ。
亡くなったドキュメント作家・今崎暁巳さんも参加して編集・出版された。
まだ労働者という言葉が、社会に訴える力があり、「アロハシャツを着て、スポーツカーみたいな車に乗って」全国の新聞労連傘下の労働組合や国労、全逓、県評などを回ったと語り継がれたたたかいだ。
企業別組合の底力が発揮されて解決していくわけだが、その後、『早く高く勝利を』(単行本)も出版し、報知印刷労働組合は第2組合を解散させた「力」をもって、企業内でもイニシャチブを一貫して発揮つづけてた。
そして、官公労が中心だった総評運動に並行して千代田区労協などの「地域共闘」の育成でも、全国でも有数のレベルの労働組合になり、1970年代から80年代には、日本製紙、大映、日本フィル、浜田精機、細川活版などの大型争議解決の先鞭をつけ、ニチモウ・キグナス争議、そして沖電気争議などの東京争議団や東京地評などの東京総行動(スモン闘争支援など)を発展させた「拠点」となった。
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