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2023年6月11日 (日)

現代版「全日自労」をつくろう。中西五洲さんから学ぶ

  「民革路線」を今の社会へ、地域コミュニティの主人公づくり
    「あたり前の労働組合をのページ」に全文、UPしました。
  http://e-union.sakura.ne.jp/union/union-atarimae.html#230611nakanisghi-1

 

 長文になりますが、私は1980年代の「インフォーマル組織型労働組合」(JC・同盟路線)に対抗する運動として、総評とともに東京争議団運動、企業の枠を超えた全国金属の運動、産業別労働組合運動を作り始めた関西生コン、そして社会的底辺からの労働組合づくりに成功したニコヨンさんの全日自労・労働者協同組合、そのリーダーとしての中西五洲さんに注目してきた。

 「君は知っていますか『全日自労』という労働組合」ウエブサイト資料。
 そのうえで現代に即して考えると「労働組合運動と協同組合運動の結合」も事業団運動から学んできた。
 
 私たちの先輩にあたる角瀬保雄さん(故・法政大学名誉教授)さんは、中西五洲『理想社会への道』の出版にあたり、その意味を次のように書いている。
 ≪(2005年)3月28日、総評会館で中西五洲さんの新著『理想社会への道』(同時代社)の出版記念のつどいが開かれました。中西さんは有名な中西 4 兄弟の末弟で、法政大学在学中の 1943 年、治安維持法で逮捕され、戦後マッカーサー指令で釈放された人で、全日自労の創立にかかわり、初代委員長になり、民革路線の提唱で知られています。同時に三重県民生協の創立、中高年雇用福祉事業団の創立、高齢者生協の創立と、今日の労働者協同組合運動の生みの親といえる人です。労働組合運動と協同組合運動の双方にかかわりをもつ数少ない社会運動の指導者といえます。
その中西さんが 80歳でパソコンを習い、3年間かけて完成させたのが『理想社会への道』です。私は10数年前、黒川俊雄先生や中西さんと一緒に協同総研の創立に関わったことがありますが、以来日本の改革のためには労働組合運動と協同組合運動が手を携えていくことが必要と考えてきました。しかし、労働組合運動は協同組合運動に十分な理解をもたず、協同組合運動も労働組合運動に理解をもちえないでいるというのが現実といえます。≫と記している。
 
 その大事な記録として2015年2月23日に発行したのが、『君は知っていますか「全日自労」という労働組合――中西五洲の思い出+「機関紙じかたび」(PDF版)――現代労働組合研究会・飯島信吾編』だ。
 このページ内では松澤常夫さんのことも触れている。
 労働者協同組合運動とその法の実現があっても、著名な弁護士は「崇拝」と書いているが、社会政策、経営学、法学、社会的経済、労働組合運動、協同組合、自治体運動の研究者と実践家による協同によって実現したことを読み取ってほしい。
  新しい労働組合運動は「企業の枠内ではない、産業別自立労働組合」路線として、大衆運動の法則にのっとり民革路線でつくられるはずだ。その参考資料になると確信している。

 
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 ■主な目次
 ◇中西五洲さんの略歴
  1922 年三重県多気町に生まれる。1941 年法政大学入学、中退。1943 年治安維持法で逮捕、懲役 3 年の実刑。1945 年
10月マッカーサー指令で釈放。1950年松坂の失業対策事業に就労。自由労組をつくる。1953年全日本自由労組(全日自労)
を結成、初代委員長。断続的に 3 期 18 年間委員長をつとめる。1972 年三重県民生活協同組合を設立。以後 18 年間理事
長をつとめる。1979 年中高年雇用福祉事業団全国連合会を創立。初代理事長
 ◇解説 飯島信吾 
 1 中西五洲さんの思い出
 2 続・中西五洲さんの思い出(そのつづき)
 3 大衆運動における法則性―中西五洲さんの思い出・その3
 ◇主な論文・エッセイ抄
 失対事業打切りに反対する―全日自労のたたかい、『部落』、部落問題研究所出版部、1962 年 9 月、152 号
 大衆運動における法則性、『現代と思想』、青木書店、1978 年 12 月、34 号
 総評改革と労働運動再建のために、労戦再編と統一労組懇 < 特集 >、月刊労働問題、1980 年 5 月、274 号
 要求穫得に執念をもって進もう、81 年春闘読本―職場労働者編、賃金と社会保障、1980 年 12 月 10 日、807 号
  『日本の労働組合運動をどう建てなおすか : 労働戦線統一 / 春闘再構築 / 大衆運動の法則性』、中西五洲著、合同出版、
1981 年 11 月 
 労働組合運動の民主的改革路線、中西五洲・永山利和、労働組合の民主的改革、1985 年 3 月――黒川俊雄慶応義塾大学
教授の還暦記念論集 
 運動の立て直しをあくまで追求、労働運動の現在と未来 < 特集 >、月刊総評 / 日本労働組合総評議会、1982 年 1 月、
289 号
 『労働組合のロマン : 苦悩する労働組合運動からのレポート』、中西五洲著、労働旬報社、 1986 年 2 月
 
  Nakanisi
 
 「労働組合のロマン」と事業団運動、労働者協同組合と現代 < 特集 > ; 労働者協同組合と日本、賃金と社会保障、1986
年 3 月 25 日、934 号 
 <随想>ゾルゲと尾崎さんのこと――サン・シャイン(元東京拘置所)を横に見て、中西五洲(中高年雇用・福祉事業
団全国連合会)、協同総合研究所、『協同の発見』1992 年 1―2 月、第 5 号 
 ある活動家の追想と提言(ひとりごと)『部落』、部落問題研究所出版部
  ⑴  私の運動の原点――はじめにかえて  1992 年 8 月
  ⑵  自分の頭でものを考える       1992 年 9 月
  ⑶  大衆運動の法則性          1992 年 10 月
  ⑷  人類の危機             1992 年 11 月
  ⑸  協同の原理             1992 年 12 月
  ⑹  労働者協同組合           1993 年 1 月
  ⑺  徹底民主主義            1993 年 2 月
  ⑻  自立と協同と愛           1993 年 3 月 
 高齢者生協の創設をめぐって、特集 環境と地域社会への配慮、協同組合経営研究月報、協同組合経営研究所、1996 年 7
月、514 号 
 輝かしい労協運動 20 年を振り返って、中西五洲、『21 世紀への序曲――労働者協同組合の新たな挑戦』(日本労働者協
同組合連合会編、シーアンドシー出版 1999 年 9 月)(PDF版)
 全日自労三重県本部の歴史をまとめるにあたって、手島繁一、協同の発見、1995 年 10 月、43 号
 『皆でたたかった 50 年―全日 自労三重県本部の歴史』の刊行に当たって、手島繁一、協同の発見、1996 年 6 月、51 号 
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 『理想社会への道―私の資本主義改造論』、中西五洲、同時代社、2005 年 2 月 
 中西五洲『理想社会への道』 法政大学経営学部名誉教授・角瀬保雄、非営利・協同総合研究所いのちとくらし「研究所ニュース」発行日 2005 年 05 月 16 日)
 『友愛の社会を求めて』、中西五洲、同時代社、2009 年 11 月 
 発 行 2015 年 2 月 23 日
 編 集 現代労働組合研究会
 ▽追記2023.06.11
 【論文】全日自労の「民主的改革闘争」の意義、松澤常夫、「マルクス主義研究年報」、1980年版、NO.4、マルクス主義研究セミナー、芝田進午責任編集、合同出版 (PDF版)

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