「浅見和彦のページ」(前専修大学教授)を更新・UP(PDF版)しました。
「日本の労働組合の変貌と現況」特集 ■「一億総活躍社会」の現実を問う」 社会政策学会誌『社会政策』第11巻第3号、ミネルヴァ書房、2020年03月30日
「日本の労働組合の変貌と現況」の脚注を写真ページに掲載しました。研究者は偉い。
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/asamikazuhiko/index.htm
◆書評 『労働組合とは何か』(木下武男著)――[出典]『女性労働研究』第66号(出版社: 女性労働問題研究会、2022年4月15日)
「鼎談:ユニオニズムの創造に向けた理論と実践 浅見和彦/木下武男/今野晴貴」、『POSSE』(48号、2021年8月)
「イギリスは今 ブレグジット(EU離脱)をめぐる労働組合運動の状況」(【アジ連10.25講座報告】、「虹とモンスーン:アジア連帯講座のBLOG」、2019年11月19日)
さらに、「虹とモンスーン:アジア連帯講座」の中に、面白い時代変化が書かれているので、わからないことを聞いてみた。
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/asamikazuhiko/index.htm#nijihe230121
▽浅見先生へ
以下の中の「共産党」とは何の数字ですか。まさか党員?
トロツキストの進出は前に聞いていましたが、面白い事実ですね。
イギリス労働組合指導層の変化
>全国組合の指導部には左派の人たちが多い。全体として労働組合は後退しているのに、役員のトップだけは左翼が多い。
振り返ると、1970年代は共産党が強かったが、1980年代以降、共産党の分裂・後退とトロツキスト諸派が進出してくる。とはいえ、職場の活動家層が 1970年代のように厚みがあるとは言えない。
>イギリス共産党(CPB/769人)も、 国民投票でも EU 離脱支持した。
▽返信
「769人」というのは、共産党の党員数です。
イギリス共産党の党員数のピークは、戦時中の1942年の5万6000人です。ソ連の正式参戦のタイミングです。
もともとあったイギリス共産党(CPGB)というのが1991年に解散しました。
ユーロコミュニズム派の指導部だったので、解散を主導したわけです。
その後、民主左翼(DL)になり、さらに改組して、現在は第3党の自由民主党の事実上の支援団体になっています。
CPGBの解散以前の1988年に、現在あるイギリス共産党(CPB)が結成されて、769人いるという意味です。
巨大全国組合の書記次長クラスの専従役員や大企業の専従ショップスチュワードなどに結構いたので、人数の割には影響力が不釣り合いに大きかったのです。
ただ、親ソ派の流れも合流しているので、いまだに古くさい話をしたりしていますね。
やはり勢力が弱いので、有力な組合幹部や社会運動の幹部も、共産党から労働党や新左翼への乗り換え、あるいは離党がパラパラあります。
「モーニングスター」は、このCPBの系列紙です。
発行部数は六千から七千部くらいです。
大きな都市の駅のキオスクやスーパーの一般新聞の売り場などにもおいてあります。
党員数の10倍の発行部数ですから、労働党の左派系などの読者もかなりいるのでしょう。
私の本(『労使関係論とはなにか イギリスにおける諸潮流と論争』[旬報社、2021年06月15日])の248~249ページに少し書いてあります。
最近の話では、CPB系の青年共産同盟(YCL)が数年前まで100人くらいだったのですが、2年くらい前から500人をこえていますので、「769人」が近々2倍になるのではといわれています(笑)。
浅見和彦
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