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2022年7月

2022年7月27日 (水)

『労働組合とは何か』のページを新設(現代労働組合研究会)

  さまざまな主張を持った「労働組合」

 現在、我が国の労働組合組織率は、16.9%(2021年12月発表)。主な組合は連合、全労連、全労協だ。
 主たる理念は、労使協調主義で生産性向上を一体となって取り組み、正社員を中心として組織をする企業内組合。
   またその中には「旧官公庁内での反合闘争を主張し、学習活動を図る運動を組織した」メンバーも含んではいる。
 アンチな勢力として「職場を基礎」に政治闘争を強めて、階級的民主的労働運動を志向している人たちもいる。
 その他、準中立と昔は言っていたが、個別的労使関係を大事にして、企業内組合を重視する人たちもいる。

 ユニオニズムとは、本当の労働組合とは

 はたして今回、特集的に編集しているこのページの『労働組合とは何か』(木下武男著、岩波新書)は何を追求しているのか。

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 基本のアピール・ポイントは、「本当の労働組合」で「ユニオニズム」を担う産業別労働組合運動だとしている。

 WEBで検索してみると、以下のページが出てきて、「トレード・ユニオニズムはマルクス主義においては改良主義で体制変革を妨げるものとして批判されていた」とされている。
 まずはこの「マルクス主義」の地平を問わなければならない。
 そのうえで、企業内組合中心の日本の現状(「職場」を基礎に)とは別に「職種を基軸に産業別労働組合」はつくりだすことはできるのか。

 著書は本書の中で「p.260
 具体的には(1)企業別組合の内部変革ではなく、外部に非年功型労働者による新たなユニオンを作る、(2)交渉相手の経営者団体に対応する「業種別」、共通規則設計の基準となる「職種別」という性格を持つ業種別職種別ユニオンによる共通規則の制定と集団取引を実現する、(3)業界の産業構造を改革する運動につなげる、などの方途を示し、最終的にゼネラル・ユニオンへと発展させるという構想である」としている
 また、中小企業などで果敢に組織化をすすめている各地の「合同労組」は、「業種別に企業横断的方向」をめざすことも、有意義なのではと思う。

 

 世界大百科事典 第2版「トレード・ユニオニズム」の解説
 トレード・ユニオニズム【trade unionism】
〈労働組合主義〉と訳される。労働運動に関する思想の一つで,労働組合運動を重視する傾向をもつ。元来は労働組合運動そのものをさす用語であるが,レーニンがマルクス主義の立場からイギリス労働運動を批判した(《何をなすべきか》1902)際にイギリスの運動をこの言葉で特徴づけたため,社会体制の変革の必要を軽視し,賃金労働者の労働条件の改善など経済的利害を偏重する思想を意味する言葉として使われている。イギリスでは労働組合が発達していたので政治活動も労働組合を母体として生まれた労働党によって担われ,資本主義体制の枠内での改良を重視したが,マルクス主義においては改良主義は体制変革を妨げるものとして批判されていた。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

 アップルの店舗労働者を組織している労働組合とは

 果たして、今の大学生や高校生が学校教育では教わらない「労働組合運動の歴史」の中から産業別労働組合を発見し、創り出すことがどうしたらできるのか、至難の業だ。
 その小さなきっかけをアメリカの「産業別労働組合運動の復興」を象徴しているニュースを読んだので、その経過を書いておく。木下先生の話と少しは通底しているはずだ。

 アップルの店舗労働者を組織化しているアメリカの【SEIU】[Service Employees International Union]とは。
 facebookで「名須川昭範」さんが書いています。2022年6月20日7:35.
 https://www.facebook.com/sanguinosa/posts/1420590315109823

 Appleにも労働組合結成の波 インフレも背景
 2022年6月19日 12:41 (2022年6月19日 19:26更新)
 アップルは米国内で約270の直営店を運営する=ロイター

 知識がなかったので【SEIU】を検索してみた、やっぱり産業別一般労働組合だった。

 スターバックスの従業員らによる組合結成を支援してきた国際サービス従業員労働組合(SEIU)傘下の「ワーカーズ・ユナイテッド」への加入をめざしている。米メディアによると、グランドセントラル駅の店舗には投票資格を持つ従業員が約270人おり、30%の賛同が得られれば、全米労働関係委員会(NLRB)に投票を申請できる。結成の可決には投票で過半数の賛成を得る必要がある。
 →日本では「2人以上」で労働組合が作ることができるが、アメリカは違う。

 ▼エス‐イー‐アイ‐ユー【SEIU】[Service Employees International Union]とは。
 《出典》デジタル大辞泉:「SEIU」とは――《Service Employees International Union》
米国・カナダ・プエルトリコに支部組織を持つ労働組合。医療・介護・福祉・ビル管理・公務員などを中心に多様な職種の労働者で組織される。1921年にBSEIU(ビルサービス従業員国際組合)として設立。1968年に現在の名称に変更。少数民族や移民を含む非正規の低賃金労働者を積極的に組織化し急成長をとげた。約210万人が加入。サービス従業員国際労働組合。

 ▼全労連にもメッセージを寄せている。
 全労連第23回定期大会によせられた海外友好組合からのメッセージ:2016年7月26日11:00現

 米国際サービス従業員労組(SEIU)

 小田川議長、井上事務局長、全労連組合員のみなさん。
 SEIUの150万組合員を代表し、全労連第28回定期大会へ心からの祝辞を送ります。SEIUは正義を目指す私たちのたたかいにおいて、全労連を友人でありパートナーと呼べることを誇りとしています。私たちにとって全労連は経済的正義を目指す運動だけでなく、平和と環境における正義をつくるたたかいにおいても大きな刺激となっています。全労連組合員のみなさんが、ファストフード労働者のたたかい、「15ドルのために」の運動でも大きく連帯してくださったことに心から感謝しています。日本の労働者のたたかいには、私たちも連帯します。大会の成功を祈念し、今後もさらなる交流、連帯と共同闘争を期待しています。ともに立ち上がれば、私たちを止めることはできません!

 メアリー・ケイ・ヘンリーSEIU委員長

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  ▽「労働組合とは何か―TOP」のページを新設

   ――木下武男著、岩波新書で発刊、2021年3月19日、刊行。

 http://e-union.sakura.ne.jp/union/index.html

 

  2021年03月20日 (固定)
『労働組合とは何か』(木下武男著、岩波新書で発刊)、2021年3月19日、刊行。▽「はじめに」へ。 ▽目次へ。

斎藤美奈子さんの書評:「ユニオンは下層労働者が貧困からはい上がるための武器」――『週刊朝日』(2021年6月11日号)(木下武男著:『労働組合とは何か』、岩波新書)書評で紹介!
【第一部】
POSSE48号(2021年8月):ミニ企画      https://www.npoposse.jp/magazine/no48.html


ユニオニズムで未来を構想せよ:◎『労働組合とは何か』を読み解く。
◆座談会:燎原の火をつけろ!
現場で闘う若手アクティビストと読む『労働組合とは何か』
鼎談:ユニオニズムの創造に向けた理論と実践 浅見和彦/木下武男/
【第二部】
◎Book review
インターネット上で紹介された書評などから読む
藤田孝典/佐々木隆治/岩波新書編集部/青木耕太郎/水口洋介/石川 源嗣/今野晴貴/愛知連帯ユニオン/西日本新聞/労働政策研究・研修機構
【第三部】
◎共鳴・共感の論文
若手研究者(アクティビスト)の研究
ウエッブ夫妻型労働組合論の歴史的位置 栗原耕平
――書評:木下武男『労働組合とは何か』(岩波新書、2021年3月19日いのちとくらし研究所報、No.77、2022年1月号)
「非営利・協同総研いのちとくらし」
青木耕太郎
「ブラック企業に対抗する労使関係の構築」(社会政策学会誌『社会政策』第9巻第3号、2018年03月30日、ミネルヴァ書房)
【第四部】
いくつかの批判的論点
北健一/濱口桂一郎:hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)/兵頭淳史(専修大学):WEB版――労働者教育協会 教育理論研究会
【第五部】
これまでの労働組合論を読む(以下、工事中)
『労働組合とはなにか』(大森誠人著、三一新書、1965年2月23日)

 

      [追記 2022年7月29日]

 【第二部】(つづき)課題が見えている「読者の声」
   http://e-union.sakura.ne.jp/union/union-internet.html

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  新しい労働運動は新しい活動者集団に――千葉合同労組:ちば合同労組ニュース(第129号 2021年4月1日発行より)

  ◆木下武男『労働組合とは何か』を推す――酔流亭日乗(suyiryutei.exblog.jp、2021年4月9日)

 「集合取引」や「共通規制」を実現する産業別労働組合――企業外在的なやり方で労働条件を決定する、未来への協働(2021年4月21日)

 広範な非正規労働者たちに必要かつ必読の手引き書――読書室 『労働組合とは何か』(ワーカーズの直のブログ、2021年04月24日)

 「非年功型労働者」はユニオニズム創造の主役――産業別の本当の労働組合を展望する、完全護憲の会(福田玲三、2021年5月5日)

 「ワンビックユニオン」をめざして――愛知連帯ユニオン・S:レイバーネット(2021年05月06日)

 日本の労働組合の将来あるべき姿とは――プレカリアートユニオンブログ (稲葉一良書記長、2021/05/07/171824)

 関西生コン労組が欧米型の産業別労働組合を実現――wsfpq577’s blog(日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員、2021-05-27)

 コミュニティ・ユニオンなどの業種別、職種別の部会を――「下町ユニオンニュース」(下町ユニオン、石頭、2021年7月号)


 14名の参加とはすばらしいですね。
 『労働組合とは何か』示唆に富む議論――レイバーネット:ブッククラブ読書会報告(レイバーネット、2021年6月6日)

 有力な産業別組合が作れないのはなぜか――本当の共同性の理解の促進!、京都デモ情報《ブログ版》(2021年09月01日)

 世界標準の「本来のユニオニズム」へ――ココナツ・チャーリイのブログ、CharlieInTheFog(2021年9月27日)

 あなたの読書量を記録・管理
 すごい本だった。労働組合を通して社会を、我々の生活を良くする
 イメージが見えた、複数の読者が感想を発信――読書メーター(2022年7月1日の発信も)

 

       ▽リニューアルしてUP(2022年9月5日)

        日本中の労働組合を破壊した「インフォーマル組織とは何か」のページへ、リニューアル

       http://e-union.sakura.ne.jp/union/informal.html

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2022年7月 6日 (水)

「NPO障害者の職場参加をすすめる会」(越谷市)のニュース、《No.30〔2012年11月30日〕からNO.76(今月号)》、全部読めます。

   ちょっと遅くなりましたが、「職場参加ニュース」(NPO障害者の職場参加をすすめる会、2022年6月号、越谷市)、NO.76を発行しました。A4版カラー・10ページで内容は次の通りです。

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/syokubasanka/index.html

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 CONTENTS◀学校、職場、暮らし-迷いながらわが街で一緒に生きる――NPO法人障害者の職場参加をすすめる会2022年度総会記念シンポジウム/特定非営利活動法人障害者の職場参加をすすめる会第21回定期総会のご案内▼職場・地域ひろがりつうしん/●職場参加をすすめる会カレンダー(2022.6.1~2022.038.31)/◆すいごごFLASH/2022年度会費、寄付、協力会費を納入いただきました(五十音順、敬称略)/共に働く街を創るつどい2021感想/世一緒スタッフ日記

 「NPO障害者の職場参加をすすめる会」(越谷市)のニュース、《No.30〔2012年11月30日〕からNO.76(今月号)》、全部読めます。

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/syokubasanka/news.html

 (それ以前も)

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/syokubasanka/archives.html

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2022年7月 5日 (火)

五十嵐仁さんから、これを読んで「7.10参議院選挙」へ、【追記:22.07.17】「7.10参議院選挙」の結果をどう読む、

 【追記:22.07.17】「7.10参議院選挙」の結果をどう読むか

  http://e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/igarashi-index.html#220712sangiin

   7月15日(金) 参院選結果 野党は勝利を「プレゼント」した [コメント]
〔以下のインタビュー記事は『連合通信・隔日版』第9755号、7月14日付に掲載されたものです。〕
 7月11日(月) 参院選の結果をどう見るか [参院選](「五十嵐仁の転成仁語」)

 

 五十嵐仁先生は、東京都立大学から中林賢二郎さん(元法政大学社会学部長)の大学院に来た人だった。こちらも編集の仕事をしていたが、同じ社の先輩(東京都立大)編集者から原稿を依頼されていた。
   その後、労働組合運動関係で共著の本を作ったことがある。

 「参議院選挙」の直前だが、以下のように、ページを更新しました。
 「ブログ:五十嵐仁の転成仁語」は数百万人が読んできたという稀有な「社会科学ブログ」だ。最近は、「日刊ゲンダイ」へのコメントが毎月、載っている。
 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/igarashi-index.html

 これを読んで「7.10参議院選挙」へ。
 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/ronkou.html#220704sangiin

 めでたさも最小限の自民減―総選挙の結果をどう見るか――▽ブログ:「五十嵐仁の転成仁語」(2021年11月1日より)
 いのちと立憲主義をどう守るか [論攷]、『調布「憲法ひろば」』第197号、2021年11月3日付
 ハト派・リベラル派の衣をまとった「安倍背後霊」政権――岸田文雄新内閣の性格と限界、『治安維持府と現代』2021年秋季号、第42号
 総選挙の結果と野党共闘の課題、安保破棄中央実行委員会の機関紙『安保廃棄』第487号、2021年12月号、
 政権交代への課題と展望――2021総選挙の結果から見えるもの、『八王子学術・文化日本共産党後援会ニュース』NO.19 、2022年1月10日付
 岸田政権の危険な本質と憲法闘争の課題、『月刊全労連』No.303、2022年5月号

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 ロシアによるウクライナ侵略―― 憲法9条でなければ日本は守れない、『東京革新懇ニュース』第472号、2022年5月5日付
 岸田政権の性格と参院選の争点―何が問われ、何が訴えられるべきか、『学習の友』No.826 、2022年6月号

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 参院選の意義と民商・全商連への期待、『月刊民商』No.745 、2022年6月号改憲阻止へ、学んで伝え、伝える言葉を選び、伝える手段の工夫を!
〔以下の記録は5月15日に開催された茅ヶ崎革新懇主催の「春の政治教養講座」での講演の要旨をまとめたものです。『神奈川革新懇ニュース』NO.247 、2022年6月号、に掲載されました。〕

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