『眞理の勇氣―戸坂潤と唯物論研究会』(青年劇場)を観てきた
5月19日(木)に『眞理の勇氣―戸坂潤と唯物論研究会』(青年劇場、新宿・紀伊国屋サザンシアター)を観てきた。
https://www.facebook.com/seinengekijo
越谷駅(東武スカイツリー線)からは、1時間5分ほどで最寄り駅の「新宿3丁目駅」(東京メトロ)についたが、MAPに表示されていた「E8出口」まで出るのに、10分ほどかかった感覚(途中、新宿伊勢丹入り口もあったりして、昔の新宿追分交差点)で、地上に出たら劇場の入り口が分からず、ウロウロ。「お上りさん」になってしましった。
なぜ今、新劇かというと、自分が若い時に出会った、故佐方信一さん(編集者・校正者、早稲田大学卒業、1938[昭和13]年10月11日~2019年3月15日)が編集していた三池炭鉱労働組合編『みいけ二〇年』・『みいけ二〇年資料編』に編集アシスタントとして、原稿入稿、校正者とのやり取り、炭労本部へのゲラ持参をしたいたときに、校正者として著名なKさんとの飲み会で、「君ね(このときは、下の名前)、編集者になりたかったら新劇を観てこなければだめだよ」と、言われたことだ。
▽2020年2月17日 (月):追悼文集『ひたすら生きて 佐方信一 ある日ある時』を編集した
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/index-6#201001-rogo
そのときの同時代の者は「全共闘運動」「大学紛争」にまい進していた渦中であったはずだ。
思い出すのは、民芸の『夕鶴』(宇野重吉、山本安英他)、文学座の『女の一生』(杉村春子他、渋谷の東横劇場)、俳優座の「千田是也他」などの有名なプログラムではあるが、一回りも二回りも上の世代の「木下順二論」などを傍で聞いていた。入り口のところだけしかわからなかったが……。
さて『眞理の勇氣―戸坂潤と唯物論研究会』については、いくつかの劇評を読みこみながら会場へ。観客はほぼ満員で(このシアターは全部で24列の25行ほどか)、高齢者(6割ほど女性)が多かったが、こちらの隣席は青年だった。
戸坂潤さんの本は1冊しか読んでいなかったが、劇中で主人公を演じながら戦時中の日本(治安維持法体制下)における非合理主義的哲学を批判し、「科学的精神」をと呼びかけている台詞(セリフ)覚えには、ひきつけられた。
劇の山場で「Encyclopédie(百科全書)づくり」の夢を語る戸坂の姿描かれていたが、1935年から1938年(?)にわたる「唯物論全書」編集の苦労には触れられていないのは編集者としては残念だった。
https://ci.nii.ac.jp/ncid/BN01434511
こちらも読んでいないが、三笠書房の編集者(戦後も久山社から復刻されているが、のべ79冊)などの姿や、戦時下における、出版の哲学を語ってほしかった。
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