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2021年3月

2021年3月31日 (水)

『労働組合をつくりかえる』(1988年刊、労働旬報社)を一部復刻しました。

 私は1980年代末まで、労働関係の編集者だったが、これが労働組合運動に関しては、最後の単行本だ。

 木下武男さんが『労働組合とは何か (岩波新書)』を発刊したので、当時の思いを含めて書いておく。

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/kinoshita/index.html#210318uniontowa

 

 とにかく「子育て・教育○○社」とみんなから言われる状況の中で、ナショナルセンターの「連合」が総評の負け戦をしないまま、結成されようとしていた状況の下での、「あたりまえの労働組合」ネットワークを創っていこうというメッセージと組織化を願って編集した本だ。

 木下さんがあとがきで“ 五十嵐と木下にとって大学院時代の先生だった中林賢二郎氏は、労働組合組織論の重要性をつねに強調されていた。中林氏は、日本の労働組合運動が後退局面をむかえた七年代後半、「職場の組合員、労働者をいかに思想的に強化するか、という観点のみが重視され」、「労働者の組織化の形態の問題や、既存の労働組合の・・・企業別組織の問題について、十分に考慮しない傾向があった」(『現代労働組合組織論』労働旬報社)と、みずから「自己批判」という言葉をつかいながらそれまでの労働問題研究の反省をされた。

 労働組合の運動論・組織論の発展がもとめられているこの時期に、一九八六年一月、中林先生は亡くなられた。先生の考えをどれだけ受け継ぐことができたか、まったく心もとないが、本書が、研究も立ち遅れ、実践家の関心もあまり高くない運動論・組織論の分野の議論の参考になれば幸いである”と書いているが編集子も同世代で同じ思いだった。

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/nakabayasi/nakabayasi-index.html

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 目次と「PARTⅢ 労働組合をつくりかえる 木下武男稿」は下記で読めるようにした。

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/kinoshita/index.html#tukurikaru1988

  

 その後、木下さんや手島繁一さん、浅見和彦さんなどが編集に参加した『労働問題実践シリーズ 1から8巻』(大月書店、1990年)もその後、発刊されている。

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/kinoshita/index.html#210329hajimeni-mokuji

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 しかし、「団塊の世代」の労働組合運動への参加は、ほとんどメジャーな影響を発揮したとは言えない状況だった(『北大1969――あのころ私たちが求めていたもの』、2020年12月25日、「北大1969」編集委員会編――参照。ここで読む限り、民主主義的で良心的な人たちの多くは、労働組合運動の陣地形成の側に参加した人は少数だ)。

 これは日本型「企業社会」の進展と「豊かな社会」の幻影のもとでの「団結からの疎遠」があったと思う。また「ソ連社会主義社会」の幻滅、「大学紛争疲れ」「連合赤軍事件」などの影響があったと言わざるを得ない。

 はてさて、「現代労働組合」はどうなっていくのか、木下さんには「あだ花」と称された企業別組合の未来はどうなるのか、あと少しは見つめていきたい。

 ▽追記:21.04.03 ◆PARTⅣ「労働者=人間の顔をした労働組合づくり 高橋祐吉稿」をめぐって、学習協の辻岡靖仁氏(故人だが)がUI戦略をめぐって「民主勢力と自称する一部の学者・知識人のあいだで、企業のCI戦略から学び、労働組合のUIを提起する必要性を強調」することを批判している(『季刊・労働者教育』64号、1988年8月)。以下の下山さんのPDFを読んでほしい。
 今言えることは、どうして「審問官的発言」をできるのか。「民主勢力と自称する」とは、いつもの手法だが。

 ▽(2013.07.12)
 私家版:書評『企業社会と労働組合』(高橋祐吉著、労働科学研究所出版部、1989年3月)、下山房雄
 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/simoyama/130710takahasibook.pdf

▽『労働組合をつくりかえる――労働組合の選択』――「連合」に行かないあたりまえの労働組合を(木下武男・黒川俊雄・永山利和・高橋祐吉・五十嵐仁ほか。労働旬報社、19883月)。

 

 

2021年3月19日 (金)

『労働組合とは何か』(岩波新書、木下武男著)、刊行されました。

  これまでの「木下武男のページ」のTOPページをリニューアルしました。
 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/kinoshita/index.html

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 最新刊:『労働組合とは何か』(木下武男著、岩波新書で発刊)、2021年3月19日、刊行。

      ▽目次へ。


 ◆主な共著・「業種別職種別ユニオン」研究会づくり。
 『闘わなければ社会は壊れる: 〈対決と創造〉の労働・福祉運動論』(岩波書店、2019年6月26日)今野晴貴、藤田孝典、渡辺寛人、宮田惟史、後藤道夫、木下武男、佐々木隆治
 ▽5 年功賃金から職種別賃金・最賃制システムへの転換――新しい賃金運動をめざして ……………木下武男
『nyx(ニュクス)』 第3号、◆特集「働き方改革」、「マルクス・エンゲルスの労働組合論」 木下武男(労働社会学者/元昭和女子大学教授)
 ◆発売  2016年11月10日発行
 ◆書店注文は堀之内出版
 『建設独占を揺がした139日―関西生コン闘争が切り拓く労働運動の新しい波』、木下武男・丸山茂樹樹著、変革のアソシエ、2011年4月
 『関西地区生コン支部労働運動50年-その闘いの軌跡 共生・協同を求めて1965~2015  他人の痛みを己の痛みとする関生労働運動 』、「産業別労働運動」を日本で切り開いた連帯労組関西生コン支部、木下武男、2015年10月17 日。出版:全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、「関西地区生コン支部50年誌」編纂委員会編、発売:社会評論社、本体3500円+税、2015年7月
 『最低賃金 1500円がつくる仕事と暮らし』(大月書店、2018年10月15日)、後藤道夫、中澤秀一、木下武男、今野晴貴、福祉国家構想研究会 編
 ▽第3章 最低賃金の歴史と思想(日本の労働運動と最低賃金闘争/ 最低賃金制とナショナル・ミニマム論/ 政党・労組・論壇は、最低賃金をどう見ているのか?):木下武男
 『月刊社会民主』(社会民主党、2020年9月、No.784)
 ▽新型コロナ問題をめぐる労働運動の課題 木下武男
 「業種別職種別ユニオン運動」研究会 が発足しました。
 ・と き 2017年6月15日 午後6時半から
 ・ところ 台東一丁目区民館第一集会室
  ▽「業種別職種別ユニオン運動」研究会の課題と役割=木下武男(『労働法律旬報』、2017年7月下旬号、1892号、発行日 2017年7月25日、旬報社)
 『労働、社会保障政策の転換を 反貧困への提言』(岩波書店ブックレット、 2009年1月9日)、遠藤公嗣、河添誠、木下武男、後藤道夫、小谷野毅、今野晴貴、田端博邦、布川日佐史、本田由紀
 ▽進む労働破壊と貧困化のなかで,若者が置かれた厳しい現状を変革していくための具体的な政策提言。『労働ビックバン 女性の仕事・賃金』(中野麻美、森ます美、木下武男編、青木書店、1998年10月1日)
 ▽「労働運動フェミニズム」と女性の連帯組織 木下武男
 ◇「関生支部の闘いとユニオン運動」
 ◇戦後における日本型労働運動=企業別労働組合衰退の根本原因、『格差社会にいどむユニオン―21世紀労働運動原論』 (木下武男著、花伝社、2007年09月)
 ◇木下武男著『格差社会にいどむユニオン―21世紀労働運動原論』・書評の論点より。

2021年3月10日 (水)

『輝いて、しなやかに――物語 男女差別裁判の40年』の著作権者を教えて。

 今、手元に1冊の「1960年代からの女性労働者の闘い」を描いた本がある。なんとかHPにUPしたいと思って、著作権者を探している。

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 本のタイトルは、『輝いて、しなやかに――物語 男女差別裁判の40年』だ。
 著者は「中西 英治(なかにし えいじ)」さん。
 
 本の奥付では、以下の通り。
 1941年広島市生まれ 3歳のとき原子爆弾被爆
 1964年明治大学文学部(ドイツ文学専攻)卒、全商工労組書記
 1973年 赤旗編集局
 2002年よりフリージャーナリスト
 版元は新日本出版社で、「2002年4月20日 初版」の本だ。

 出版社の宣伝文では、「差別なく働きたい!」 人間の平等を求めて、裁判に立ち上がった女性たちの闘いは、連なり広がってゆく。孤独から連帯へ、女性史に新しい光をあてた感動のドラマ。『しんぶん赤旗』連載に加筆したもの、と書かれている。

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 編集子は10年ほど前から「現代労働組合研究会のページ」を立ち上げ、あたりまえの労働組合・労働者の闘い・運動の歴史、労働問題・労働法・社会政策・協同組合学会などで活躍した個人の業績、労働問題・労働組合運動のBOOK紹介などをWEBとして発表してきた。
 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/union-top.html

 その中で「女性労働の闘いの歴史」をUPしたいと思っていた。

 個人としては1970年代中葉の婦人労働問題研究会の編集に参加し、1980年代に東京労働争議研究会の中での「日産・中本さん」「東洋鋼鈑・立中さん」の闘いについて取材してきた。しかしその後は、他の分野の編集をしてきて、縁が薄かった。
 そこで古い友人の上田裕子さん(現代ルポルタージュ研究会)にまとまった本がないか相談したら、本書を推薦してもらった。
 その後、共産党の本部、新日本出版社に連絡したら「教えられない」といわれ、そのまま中断したままだ。
 ご連絡先をご存じの方がいれば、メールください。
 sin_ryo11731アットyahoo.co.jp(アットを@)

2021年3月 2日 (火)

埼玉県内で一番古いワーカーズコレクティブといわれている「リフォーム いと」。

 東武スカイツリー線草加駅から歩いて5~6分ほどのところにある。

  〒340-0015

  草加市高砂2-18-39 山本ビル302 TEL 048-927-7714

  http://www.ito-workers.com/index.html

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 この宣伝文では「お店兼作業場を開いて来年で30年」と書かれていますが、20周年を記念して冊子が発行されており、HPづくり(インターネット事業団の仕事:31)では苦心をしてページを制作した記憶がある。

 http://www.ito-workers.com/20nensi.html

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 一時期は、洋品店などのリフォーム対応をしていた時期もあるようですが、今は個人のリクエスト(母親の着物や洋服などから)や簡単な袖・裾直し・ウエスト直しにも希望を聞いて、リフォームしているようです。

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 何か、「もったいない」洋服を今風にデザインしてもらうことがあれば、ご相談を。

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 2015年以降からの展示会のご案内

  http://www.ito-workers.com/tenjikai.html

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