櫻井善行さんの『企業福祉と日本的システム――トヨタと地域社会への21世紀的まなざし』を紹介。
櫻井善行さん(名古屋市立大学大学院経済学研究科研究員、愛知働くもののいのちと健康をまもるセンター理事・事務局次長)から2冊の本が送られてきたので紹介したい。
1冊目は『企業福祉と日本的システム――トヨタと地域社会への21世紀的まなざし』(ロゴス刊、2019年11月)
http://logos-ui.org/book/book-35.html
2冊目は『トヨタの労使関係』(猿田正機編、税務経理協会、平成21年3月)
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032223389&Action_id=121&Sza_id=F2
前々から「ある編集者のブログ」(nifty)で追究してきた「大企業・総評型労働組合はどうなったのか」で、櫻井善行さんの論文を紹介してきた。
▽2016年7月10日 (日):『あたりまえの労働組合へ』・全造船石川島――議論はつづく
http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-7f4c.html
《全造船石川島の事例から「大企業における一企業一組合」を論じている本を紹介した。
その本は中村浩爾・寺間誠治編『労働運動の新たな地平』(かもがわ出版、2015年8月13日)で、その《第Ⅱ部 各論――労働現場の諸相 日本的労使関係と大企業の労働組合――「ユニオンショップ」制と少数派組合の事例から 桜井善行 》だ。
ご本人とお会いしたのは、2017年9月、東京都内であったある研究会の場であった。
WEB上ではかなり知ったつもりであった(故・芝田進午さんに触れていたり)が、facebookでの発信を読んでいると、「定時制高校の卒業場面」が紹介されていたので、その傍ら「研究活動も労働組合支援」をなさっている人だとわかった。
その櫻井さんが「博士号取得と出版(『企業福祉と日本的システム』)」を果たした記録が、同封されて送っていただいた。同時代に生きてきた者として、素晴らしい業績を獲得したものだと、びっくりした。その指導教授が十名(とな)直喜氏(名古屋学院大学経済学部政策学科 教授)と紹介されていたので、二重だった。
十名さんは私が昔、かなり愛読した『経済科学通信』(基礎経済科学研究所)でたびたび読んでいた著者で、その人と一緒に学んでいたということ。
さて、本については、目次を書いておく。
まえがき
序 章 企業福祉の鳥轍
第1章 企業福祉をめぐる先行研究
第2章 企業福祉の歴史的変遷
第3章 企業福祉と格差社会
第4章 企業の社会的責任と企業福祉
第5章 企業福祉と労使関係
第6章 企業福祉と企業内教育
第7章 企業福祉と企業城下町
終 章 企業と地域社会の創造的共生に向けて
大学院へ行き、本書を出版した思いについては、櫻井さんがお書きになった「社会人研究者としての歩みとこれからの課題 博士論文完成の経緯」(名古屋市立大学大学院経済学研究科研究員、PDF版)をお読みください。
「インターネット事業団のページ」(2020年5月)
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/#200501-rogo
2冊目の『トヨタの労使関係』は、「企業内少数派として形成した全トヨタ労組」の選択と葛藤について論じている。これについては、後述したい。
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