三木 陵一さんの以下の「映画評」(映画「ピータールー マンチェスターの非劇」)を読んで、お盆中日の8月14日(水)に「TOHOシネマズ シャンテ」で観てきた。
https://www.facebook.com/ryouiti.miki/posts/3050046398403218
お盆なので、お客が少ないのかと思いながら日比谷(都内)映画街に行ったが、始まる40分前に着いたのに、すでに客席は少数しか空きがなかった。
内容は、「one man one vote」と呼びかけたイギリス・マンチェスターにおける市民・労働者階級の運動と決起、そして資本家グループに呼応した正規軍+義勇軍の集会破壊、市民虐殺シーンを描いた映画だ。
この映画「ピータールー マンチェスターの非劇」は、1819年にイギリス・マンチェスターで起きた、社会・労働運動史でも有名なイギリス史上最も残忍かつ悪名高い事件として語り継がれる“ピータールーの虐殺”を描いた作品(「ウィキペディア」より)。
ストーリー上の映画カットを少し紹介すると、貧しい労働者家族の実情、市に立つ小売り販売業者、パブの原型のような場で市民・労働者の話し合う姿、紡績工場の労働シーンとストライキ(これは団結禁止法の下での集団的職場放棄か)、町々から音楽隊などを先頭に集会参加をする人々。
この動きに、当時の政府(王室・法務大臣など)・資本家グループは何をしたのか――、郵便逓送会社での郵便物抜き取り、集会を監視するスパイ活動、運動リーダー層の拘束(公安の弾圧――この時代からいた)、義勇軍の育成、裁判制度の利用(判事などの取り込み)、そして弾圧を決める場での個々のビヘイビア。
1830~40年代の労働者階級による選挙権要求の運動であった「チャーティスト運動」は有名だが、イギリスでは1824年には、団結禁止法がなくなったことも書いておきたい。
しかし若き日に中林賢二郎先生から学んだ『イギリスにおける労働者階級の状態』が描いた状況(貧困・競争・抵抗など)は、その後の1840年代の姿だ。まだまだ闘いの歴史はつづいた。
▽イギリスの普通選挙権の実施は、以下のページ参照。
https://www.y-history.net/appendix/wh1201-070.html
イギリスの映画は、4年前に映画「パレードへようこそ」を観てきた(2015年4月11日 (土))が、このような映画をつくり出したイギリス映画界の底力が続いていることを見せられた思いだ。
http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-d3b7.html