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2018年10月23日 (火)

当事者主体でたたかった国鉄闘争の本の紹介(上)

1407名の国労闘争団の政治解決まで持ち込んだ闘いの歴史は、当事者も含めてその全容を知る人は少ないのではないかと思ったら、以下のような「総括書」が2冊出版されていた。

 

 《1》『国鉄闘争の真実 共闘会議議長としての総括そして次の闘いへ』(二瓶
久勝 スペース伽耶 、201221日)、《2》
国鉄闘争の成果と教訓』(編:国鉄闘争を継承する会、加藤晋介、二瓶久勝監修、スペース伽耶、20135月。

 

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前者の本《1》は、《いま、日本社会は、改憲をめざして憲法審査会が始動し、東日本大震災と原発事故を口実にした、労働者・被災者無視=大企業優先の「復興」策が強力に推進されている。2012年の現実は、1987年に中曽根首相らが構想した国鉄分割・民営化攻撃=「国労つぶし総評を崩壊させ、社会党を解体し憲法改悪を実現する」戦略が、成功しつつあることを示している。この酷薄非道な解雇攻撃に耐え24年間闘いつづけた国鉄労働者1047名の大半は、201049日、一人平均2,200万円の解決金を確保し、歴史的政治和解を勝ち取った。その成果と無念、闘いの真実を約10年にわたり共闘会議議長を務めた著者が初めて明かす。》と明記されていた。

 

 インタビュー形式でまとめられているが、著者は、以下のような方。

1945年福島県(岩瀬郡)生まれ。1964年オリジン電気()入社。1969オリジン電気労組書記長に就任。2008年の退職までの約40年間、書記長・委員長などを務め、現在、全オリジン労働組合協議会顧問。20001月、国鉄闘争支援中央共闘会議事務局長に就任するも、20023月同職を辞任し、416日に結成された国鉄闘争に勝利する共闘会議議長に就任。20104月の政治解決を実現する。20116月の同会議解散まで議長を務める。

 

本の冒頭は、みずからのオリジン電気労組書記長に就任などの闘いの歴史を振り返っており、全国金属にあっただろう「まともな労働組合の歴史」を学ぶことができる。

 

本書の中心は、9.15判決、44団体の結成、そして政治解決の道の判断を綴った本だ。

国労闘争団全国連絡会議、鉄建公団訴訟原告団、鉄道運輸機構訴訟原告団、全動労争議団鉄道運輸機構訴訟原告団/【四団体】国鉄労働組合(国労)、全日本建設交運一般労働組合(建交労)、国鉄闘争支援中央共闘会議(中央共闘)、国鉄闘争に勝利する共闘会議(共闘会議)

 

「国鉄闘争に勝利する共闘会議議長(2002416日以降)」の闘い――24年間の当事者・家族の闘い――は「一体どう評価されるのか」を書き残したいと書かれている。

 

注目される言葉としては、「国鉄闘争が他の闘争とちがうのは、政治解決を目指したことです」と書き、当時の政府・政党・政治家、そして官僚・財界などの動向を分析し、当事者主体で解決をしていった経過が明らかになっている。

本書を読んで、なぜ国労は1407名の当事者主体ではない方向で、舵を切っていったのか。企業内組合として「労使関係」を形成したいと願った人をリーダーに選んでいったのか、よくわからない《国労「敗北」の歴史 その3》。

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