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2018年10月31日 (水)

『国鉄闘争の成果と教訓』――当事者主体でたたかった国鉄闘争の本の紹介(下)

この本の帯には[発行所:スペース伽耶、20135月、編=国鉄闘争を継承する会 監=加藤晋介/二瓶久勝 発行=スペース伽耶 (発売元=星雲社)]――24年間の闘いで、花を咲かせ、実を結んだ――国鉄闘争を闘った、当事者・弁護士・支援者、総計18名による座談会と特別論文。8事業体ネットワークからの報告。資料=ILO条約勧告適用専門委員会への情報提供(英文付) 、と記されている。 

 

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本書の構成は以下のようになっていて、「はじめに」では、《たしかに、『国労闘争団が闘い取ったもの』(加藤晋介著、[2018年12月29日に読了])、『国鉄闘争の真実』(二瓶久勝著)、で一定の「総括」がなされている部分もあるが、未だ不十分である。

 そういうことから今回、国鉄闘争を主体的に闘った、当時の闘争団、共闘会議、弁護士、支援者の座談会を開催し、それぞれの立場からの「総括」を試みた。そして、「JR東日本の違法取水」問題を含めて七名の特別論文を掲載し、さらに闘争終結後の事業体の進捗状況と課題、株主代表訴訟裁判に取り組む意味を明らかにする文章を含めて、掲載した。

 この『国鉄闘争の成果と教訓』が、日本労働運動に活かされ、その再生に少しでも寄与することを切望する。

 

 座談会は、「国鉄闘争を継承する会」が主催し、二回に分けて、合計五時間以上の討議を行なった》と書かれている。

 

 1 1章 国鉄闘争の総括 座談会(第一回目「職場・生産点、当事者に依拠した運動を!

 2 中曽根行革と国鉄闘争

 3 JR不採用以降の国労の運動と国労高崎の基本方針

 4 われわれはなぜ、JR東日本株主代表訴訟を闘うのか―JR東日本・水泥棒株主代表訴訟の現状と展望

 5 国鉄改革法23条以降つづく司法反動と政治和解の意義

 6 第二回目「支援組合、各地区の共闘会議からみた国鉄闘争」

 7 2章 事業体ネットワーク 北から南から(国鉄闘争の総括を教訓に「労働運動」の再生を目指そう! )

 8 世界と日本から見た国鉄闘争の総括

  9 国鉄闘争の総括をこれからの人生に活かす生き方を!

10 (国鉄闘争関連年表)

11 行動提起 壊憲NO!九六条改悪反対618 1000人集会への呼びかけ 次代を担う「組合員のみなさん」への「労働講座」の案内

 

  ▽対談1、「職場・生産点、当事者に依拠した運動を」

 挨拶:武藤弘道(東京労働組合連合会中央執行委員長)、

 参加者

 加藤晋介(元鉄建公団訴訟弁護団、主任弁護士)、二瓶久勝(元国鉄闘争共闘会議議長)、佐久間誠(鉄建公団訴訟原告団事務局長)、酒井直昭(元鉄建公団訴訟原告団団長)、唐沢武臣(元国労高崎地本書記長、群馬県平和センター事務局長)、小林春彦(国労千葉地本委員長)、司会、新田進(国鉄闘争を継承する会事務局長)。

 ▽対談2、「支援組合、各地区の共闘会議からみた国鉄闘争」

 参加者、中村広之(世紀労働組合委員長)、村中哲也(元国鉄闘争首都圏連絡会共同代表)、丸林俊之(全水道東京水道労働組合)、中島義雄(元長崎国鉄共闘会議議長)、本間正史(オリジン電気労働組合前委員長)、吉田壽(東京清掃労働組合委員長)、坂本浩明(東京清掃労働組合組織部長)、小川信(オリジン電気労働組合委員長、特別参加)。助言者:二瓶久勝(元国鉄闘争共闘会議議長)、加藤晋介(元鉄建公団訴訟弁護団、主任弁護士)、司会:内田泰博(元国鉄闘争共闘会議事務局長)

 その他、執筆は、中曽根行革と国鉄闘争、武藤弘道(都労連議長)

 発行所:スペース伽耶20135月/四六判/218頁/¥1,500+75] 編=国鉄闘争を継承する会 監=加藤晋介/二瓶久勝 発行=スペース伽耶 (発売元=星雲社) 

 

 本書には、この対談に加えて、7本の論文と《第2章 事業体ネットワーク 北から南から》として、「企業組合クリーン大牟田、NPO法人ecoおといねっぶ、北見ユニティ、生活者労働者協同組合、事業体ネット稚内、㈲サンピア、NPO法人 ワーコレるもい、紋別》の事業活動報告がUPされている。

 

 2回にわたる対談の最初は、闘争団当事者、加藤弁護士、二瓶・元国鉄闘争共闘会議議長をはじめ、国労内で支援を一貫して行っていた高崎地本、千葉地本のメンバーで、後半のメンバーは、支援者、各地区の共闘会議から見た国鉄闘争だ。

 前者には、対国労、44団体共闘における統一・「政治解決」への波風が浮かび上がっている。

 後者の支援メンバーでは、「なぜうちの組合が国労闘争を支援し、共闘するのか、当該組合員との葛藤を乗り越えた」、姿がある。

 この全体の企画は「国鉄闘争を継承する会」が中心になっているようだが、最近でも「秋葉原駅、大塚駅」などの都内駅の「再度、民間下請け化」を推し進めようとしているJRの姿、大幅に増えた非正規労働者の実態なども、今後どうするか、声をあげてほしい。


 ▽(追記:2018.11.05)

 ●東京相馬代議員

「来年3月から秋葉原駅が委託される」、「60名を超える社員が出向する」と、運転取扱い駅ではないが1日の乗降客が25万人超えるターミナル駅が委託になれば、どこの駅も業務委託できることになると安全とサービスの切り捨てがより一層進められていることを報告されました。(建交労鉄道東日本本部第20回定期大会が2018930日発言)

 http://www.kenkourou.or.jp/wp-content/uploads/2018/10/003800a0fefd29c9345d85cf3e2ed20c.pdf

 

 ▽(追記:2018.11.09)【東洋経済WEB版】首都圏で「早朝無人」駅、脱鉄道へJR東の焦燥[2018/11/05 4:20

  https://toyokeizai.net/articles/-/246932

 

 大量退職が間近、駅業務の合理化を加速

 ローカル線ではありふれた無人駅だが、実は利用者が多い首都圏の駅にもじわりと広がりを見せている。今年3月からは東船橋駅のほか、同じく総武線の下総中山駅や幕張本郷駅にも、早朝時間帯の完全無人化が導入された。無人化の決定に一律の基準はないようだが、これら3駅の1日の平均乗車人員は、下総中山と東船橋で各2万人程度、幕張本郷で約3万人(いずれも2017年度)の規模になる。(略)

 そうした中、早朝時間帯に限ってだが、完全無人化の取り組みが広がってきた。取材によれば来年からはJR中央本線の信濃町駅、千駄ケ谷駅、東中野駅のほか、山手線の駒込駅や鶯谷駅などでも検討されているという

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 ▽(追記)

 国労敗北の歴史を学ぶ――その1

 http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2018/08/1-6778.html

 

What Was 国鉄闘争~そして次へ~』を読んだ――国労「敗北」の歴史 その2

 http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/whatwas2-1c1c.html

 

 当事者主体でたたかった国鉄闘争の本の紹介(上)

  http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/post-8921.html

 『国鉄闘争の成果と教訓』――当事者主体でたたかった国鉄闘争の本の紹介(下) 

  http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/post-08cd.html

 

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