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2018年6月

2018年6月20日 (水)

“やなさん”(柳澤明朗さん・元労働旬報社社長)の現代ルポ論を紹介!

1970年代初頭からほぼ20数年間、労働旬報社社長を担いながらベストセラーになった『どぶ川学級』、『教育は死なず』、『日本フィル3部作・友よ未来をうたえなど』を編集した名編集者(1934年[昭和9年]生まれ)。今年(2018年)425日に残念ながら永眠した。

  健在だったが、アルツハイマーを罹患した後(2012年)に下記のHPを立ち上げていた。

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/yanagisawa/yanagisawa-index.htm

 

 先日、“やなさん”と一緒にルポに挑戦していた「現代ルポルタージュ研究会」のメンバーが集まる会合に出た。

 席上、会員の小川緑さんからファイルされた文書を見せていただいた。

これは後学の若い世代に読んでいただこうと、新しいページを「熱闘‼ 現代ルポ論の進化のために――「現代ルポルタージュ研究会」での発言メモ」と題して、ページUPした。

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/yanagisawa/gendairuporon.html 

 

 180620yanagisawatop_2

 


 「19歳以上の人生なし」は、若い時、一度だけ聞いていたが、軍国少年時代の夢と現実は、戦後世代には到底体験できない、事実が描かれている。

 ここに収録した文章は、“やなさん”の定年後、私が社を退職した後に書かれたものなので、ほとんど初見なのだが、1980年代に「現代研究会」(山科三郎、石坂悦男、田端博邦、富沢賢治、佐々木一郎、加藤哲郎、渡辺治各氏他)で“やなさん”が「海図なき航路」という文書で書かれていたのがベースになっているようだ。

 最晩年、毎日のように電話があり、HPの柱に記した――「柳澤さんへの手紙―時代をどう読み解くか、•国家と時代の変容を読み解く、•支配と企業社会の変容を読み解く、•教育は今何が問題か」――、このようなテーマがまだ未解明なのだ、と7年前に言い残して、去って行った。

 

 熱闘‼ 現代ルポ論の進化のために――「現代ルポルタージュ研究会」での発言メモ

19歳以上の人生なし 靖国の“英霊”となり靖国神社へ――村中の期待を一身に受け

20011123日 2343

**若者の自分発見の旅とともに……<ぞう>シナリオ原案あらすじ

●執筆時期不明

現代における人間疎外の事実・性質・原因をどうとらえるか

 その回復の事実の発見とルポ・表現の可能性

2000921日 

私の残日録 または残本録 戦後50年の評価といま、何を記録するのかへのヒント

1995128

「事実とその表現」についてのノート

199493

事実の発見、とらえ方

1994130

事実を構造的にとらえる

1992725

 ◆「現代ルポルタージュ研究会」とは!? 

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    Rupo1989

  
今崎暁巳さんのルポ論のメッセージ    

  ▽以上の文章・テキストは、「現代ルポルタージュ研究会」の会議で配布されたもので、会員の小川緑さん(山梨県北杜市在住)から提供されました。

 

2018年6月 1日 (金)

総評・全国金属はなぜ変わっていったのか――青木慧著『ニッポン偽装労連』(1989年、青木書店)

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/sorezorenoroudou-4.htm#180530zenkokukinzoku

 

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これまで本ブログで総評の民間単産はどのように「敗北してきたのか」を検討してきたが、「全国金属」については、未紹介だった。

 

青木慧さんの『ニッポン偽装労連』(1989年、青木書店)を再読したら、《たたかう労働組合つぶし 「民主化運動」》の中に、「佐竹全金委員長のもとで筆頭副委員長をつとめていた中里忠仁金属情報機器労組委員長」の聞き書きがあった。

全国金属の大手企業内組合が、JCや自動車関係の同盟労組に「丸め込められた」様子が語られている。

 

「全金には、大企業ではありませんけど、中小の鉄鋼も電機も自動車も造船もあるということですから、業種的にはJCとつながりが深い単産ですよね。他方、同盟の方も金属同盟というのがあって、同じような業種を持っているわけです。しかし、同盟の方にあまりアタックしないで、総評・全金の方に焦点を当てて、七八年ごろからいろいろと介入というか誘いをかけてきた。

それは最初、全金の中央本部というよりは、大手支部ですね。シチズン時計とかセイコー、横河電機とか山武ハネウエル、東京計器とか、中京地区の豊田自動織機とかね。全金の大手支部と目される、かかわりの深いところを、幹部をとおしてね、JCとの結び付きが急速に強まってきたんです。」

(中略)

「そういう大組織の幹部というのは、たたかうだけでは組織を守れないと。これは労使の対立とか対決でなくて、協調してやっていくべきだという思想が、だんだんとJCの影響が強まるにしたがって、全金の中枢部が、そうなってきた。それが、全金という一つの単産が、だんだん右傾化する、当初の一つの特徴だね。比較的に階級的であり、権利闘争を大事にしてきた単産がなぜ右傾化してきたのか、だいたいそういう経過ですよ。」

(中略)

「それまでは波風がたたなかったのが、それらの大手支部委員長あたりから、原案に対して修正を求めるようなことが出てくるわけですよ。

 たたかいの内容を、文言上で非常に歪めてみたり、ストライキという文言をできるだけ削ってみたり、「統一闘争」という表現を削ってみたりね。資本や権力に対するたたかい方、それについての行動も弱める修正を求めるわけですね。それはJC路線に間違いないし、同盟方針にも近いやつなんですね。

 そういうのが、平気で組織だって出てくるわけです。東京地本の大手支部委員長あたりが中心になって、中央本部に方針の修正を要求するようになったのです。そういう圧力をかけて方針を変えさせようとしたけども、当時の佐竹委員長もわれわれも、それには応じなかったわけですけど、そういう力が全金をじょじょに蝕んでいったということですね」

 

以上の文章を読んで、下からの池貝鉄工などの首切り、北辰電機・山武ハネウェルなどのインフォーマル組織等による攻撃、それに加えて大手支部内での「労使協調への陥落」などが相まって、「全国金属の変化」が生まれたようだ。

 

▽全国金属の歴史的紹介

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/sorezorenoroudou-4.htm#zenkin1

 

 

 

20190805日:
「職場レベルの諸問題の処理方式(承前)――全国金属における関連政策の分析」(嶺 学 『社会労働研究』、法政大学社会学部、22(3・4), p63-125, 1976年03月)

20140701日:全国金属における闘いの歴史 書評:柳田勘次著『闘えなくなった企業別組合』(早川征一郎、『大原社会問題研究所雑誌』20091月号、No.603)

労働争議と単産の役割――清水明、第38回東京労働争議研究会

 金属機械反合闘争の到達点と発展方向、石川武男、全日本金属情報機器労働組合(IMJU)副委員長、労働法律旬報、NO.12891992610

 産業別個人加盟労組運動の経験――全金品川支部地域支部の事例、長谷川義和、大原社会問題研究所雑誌 / 法政大学大原社会問題研究所 編、NO.348198711 

 

20140701日:『追悼・岡安政和』(PDF版 「追悼・岡安政和」編集委員会、19826月) (一部訂正:2014.07.02 

 

20140701日:『社会のしくみと労働組合(増補改訂版)』――金属労働者の教科書、
全国金属労働組合、1971 9 25 日第1 刷発行、1976 2 10 日増補改訂版第1 刷発行


 ▽

「日本中の労働組合を破壊した「インフォーマル組織とは何か」のページへより。

http://e-union.sakura.ne.jp/union/informal.html

〔6〕全国金属・金属機械反合におけるたたかい   (2014.05.01更新)
 [1] 『ねらわれた組合――インフォーマル組織とどう闘うか』(金属反合闘争委員会編・発行、1983年7月1日、初版1万部)  【原本募集中】
 [2] 
金属労働戦線におけるインフォーマル組織――[原題:「ねらわれた組合」からの脱出――インフォーマル組織とたたかう、大木兼次郎・金属機械反合インフォーマル対策委員会、賃金と社会保障 879号                       1983-12-10   (PDF)
 [3] 全金山武ハネウェルのたたかい――弁護士法人 けやき総合法律事務所のサイトより
   
http://www.keyakisougou-law.jp/affairs/entry-44.html

 

▽対抗的労働組合運動の模索もご参考にしてください――◇金属労働戦線の現代的課題を追求

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/sorezorenoroudou-4.htm#jmiu1

 

労働組合運動の再生・強化と日本型産業別組合の可能性 小林宏康[3]、特集●労働運動の再生と産業別組織の課題、「労働総研クォータリー」、2015年夏号(20157月発行)(PDF版)

非正規・未組織労働者の組織化と産業別組合の強化―すべての労働者のための労働組合へ―、労働総研クォータリーNo.7677、小林 宏康[2 ](PDF版)

全国金属―JMIUの産業別統一闘争―「日本型産業別組合の可能性」について―、小林宏康[1](PDF版)

結成20周年を機に、真の産業別労働組合へ――JMIUの20年の歩み


 ◆総評・中立労連内民間労組の「変化」を紹介してきたのでこれもご参考に。

▽鉄鋼労連

八幡製鉄所のインフォーマルグループ――インフォーマル組織物語Ⅷ

http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-0d95.html

 

▽合化労連

化学産業における労働組合の旗を守った人たち[20162 4 ()

http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-834d.html

 

 ▽全造船(中立労連)

 『あたりまえの労働組合へ』・全造船石川島――議論は続く。[2016710 ()

 http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-7f4c.html

 

『あたりまえの労働組合へ』(全造船石川島分会・佐藤芳夫著)が書いていたこと[2016531 ()

 http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-bc6f.html

 

長崎造船社研・左翼少数派労働運動の軌跡 [201510 9 ()

 http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-3925.html

 

 

 

 

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