「愛知労働問題研究会発足のよびかけ」がありました。
先達のみなさんのご苦労が凝縮した「地域労働問題・労働運動資料」が、PDFで読めるという情報を呼びかけ人のおひとり、櫻井善行(西三河労連顧問)さんから紹介された。
それは「愛知労働問題研究会のサイトです」というホームページ。
http://www.roren.net/romonken/
同ページは「愛知労働問題研究会発足のよびかけ(2017年8月) 愛知労働問題研究会」によると、「愛知労働問題研究所」の後継研究会(2018年1月20日発足)のページだ。
[1987年の設立以来、調査研究活動を通じて愛知県地域の労働運動に貢献することをめざしてきた「愛知労働問題研究所」が、今年7月末に解散しました。しかし、上記のような状況を踏まえるならば、労働運動の実践者と研究者の協力・共同にもとづく労働問題に関する調査研究活動の必要性は、従来にも増して大きくなっています。そのため、私たちは、新たに「愛知労働問題研究会」を発足させることにしました。この研究会では、当面、「地域における労働実態と労働運動の課題」について定例研究会を開催していく予定です(裏面の「愛知労働問題研究会の申し合わせ」案を参照、定例研究会の詳細は後日お知らせ)。労働組合員をはじめ労働運動実践者・研究者・弁護士・学生・労働組合など労働問題に関心をもつ個人や団体に、愛知労働問題研究会への参加をよびかけます。]
なぜこのような形態になったのか、「所報第195号、2017年7月15日」でその背景の一端が書かれている(2017年愛知労働問題研究所総会議案、「所報 研究所とのNet Work Aichi labor Institute」)。
「所員と個人会員の退職・高齢化(退会を含む)にともなう調査研究活動力の低下(略)、年間会費収入約190万円(団体会費が約140万円)のうち、愛労連が60万円を負担しています。愛労連の加盟人数は結成直後(1989年11月)には約7.4万人でしたが、現在は4.9万人に減少しています(2016年6月現在)」
前者は世代交代がすすまなかったこと、後者は残念ながら「全労連系の労働組合の減衰」を示している。全国を地域レベルで見たら同様な傾向は、そこかしこの状況だろう。
しかし、この研究所は、「愛知労間研での活動で現在につながるものとしては、トヨタの社会的責任を追及してきたトヨタシンポ・給行動があります。研究所としてまとめた『トヨタ・グループの新戦略』、『変貌する世界企業トヨタ』共に新日本出版社は印象的です。その後は、自動車トヨタの経営戦略と社会的賛任(『現代日本の多国籍企業』新日本出版社、最近では自動車メーカーの社会的費任一三菱自動車の燃費不正問題(「経済」)をまとめました」(原点は愛知労働問題研究所での活動、佐々木昭三・元事務局長、「所報」第196号、2017年8月15日)。
冒頭に紹介したように「地域労働問題・労働運動資料」が、PDFで読めるということは、、以下のサイトで旧愛知労働問題研究所の刊行物(「No.1 1987年9月」から「No.196(終刊号) 2017年8月15日」)が収録されている、ことだ。
http://www.roren.net/romonken/shohou.html
どなたか、膨大なPDFを読み込んで、解説を書いて、発表してほしい。地域統一労組懇から地域全労連へ歩んだ歴史、いのちと暮らしの運動、自治体労働者や教育労働者・職員問題、大企業の労働者統合戦略を分析できる「宝庫」のはずだ。
編集子は日本の労働問題・労働運動史は「潮流別にある」という前提で見てはならないという立場にあるので、以下のような事実も紹介してきた。
「企業別組合は日本の『トロイの木馬』」(宮前忠夫著)をめぐって[2017年11月18日 (土)]
http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/post-e777.html
大企業・総評型労働組合はどうなったのか[2017年8月 7日 (月) ]
http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2017/08/post-5d5d.html
『旬刊社会通信』の存在を知ってよかった[2016年12月16日 (金)]
http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-cb95.html
化学産業における労働組合の旗を守った人たち[2016年2月 4日 (木) ]
http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-834d.html
長崎造船社研・左翼少数派労働運動の軌跡 [2015年10月 9日 (金)]
大企業組合としてフォーマル化したインフォーマル組織[2013年10月23日 (水)]
http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-d631.html
どこに消えた『サスコミ』グループ――インフォーマル組織物語Ⅸ[2012年10月17日 (水)]
http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-d4b4.html
« 「現代労働組合研究会のページ」を更新しています――2017年(2017年1月~12月) | トップページ | 「浅見和彦のページ」をリニューアルしました。 »
「労働問題・労働組合」カテゴリの記事
- 「労働運動再生への挑戦、いま全国一般全国協の局面を語る――遠藤一郎さん(元全国一般全国協議会書記長)」の訃報。(2022.04.06)
- 新潟菓子工場での「高齢女性の火災死」へ抗議の声を。(2022.02.15)
- 芳野さん〈連合会長〉をめぐって、「労働組合運動の応答関係」(2021.12.19)
- 総評を解体したことが、自民党が持続的に権力を保持した要因の一つだ。(2021.10.31)
- 「関西生コン支部武委員長解任問題についての見解」――木下武男(2021.10.23)
« 「現代労働組合研究会のページ」を更新しています――2017年(2017年1月~12月) | トップページ | 「浅見和彦のページ」をリニューアルしました。 »
コメント