「浅見和彦のページ」をリニューアルしました。
以下のように、見やすく・読みやすくして、再構成してリニューアルした。
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/asamikazuhiko/index.htm
新しい労働組合運動の構図
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/asamikazuhiko/atarashii-union.htm
イギリス運輸・一般労働組合
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/asamikazuhiko/unyuippan.htm
建設産業における労働組合
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/asamikazuhiko/index.htm#kenseturoudou
主な単行本(共著など)
「運輸・一般労組(TGWU)の運動とその歴史」は別に紹介したい。
ひとつだけ抽出したいテーマは、「人権2―調査と研究」、岡山 : おかやま人権研究センター、220号、2012年10月。NPO法人 おかやま人権研究センター事務局」で書かれた、「新しい時代の活動家像を考える」だ。
「三つの変革観と今日の社会改革」の節で「多数者による政治変革にいたる以前に、社会の変革は開始できるし、歴史を振り返ると(中略)第三の見方が得られる」。「あえていえば。今日では政治的変革を相対視、社会改革を重視し拡大する運動観」――「労働組合や協同組合はもちろん、教育・福祉・医療の法人、NPOや社会的企業なども、そうした位置づけを与えられ、発展させられるべきものになる」――、とする。
この第一は「政権奪取論」(戦後直後の共産党系、1980年代の社会主義協会系、新左翼系など)だ。第二は「多数者革命」で「代議制民主主義のもとでの多数派を獲得し、その後、権力によって社会や体制を変革する」「現在の主流の考え方」(1970年代から民主連合政府を提唱して活動家を総動員した共産党系の方法論、「大企業労働者の思想変革運動を強制して孤立した戦略」)とする(以上、カッコ内は編集子のとらえ方)。
大胆に言い切っていて、賛同する。
第三の変革観で「新しい労働組合運動」を担うことが、今問われているのだ。
以下の文章は、「現代労働組合研究会のページ」UPした時期に書いておいたものだ。ここに再掲しておきたい。
▽2013.06.25
戦後日本の労働組合の組織化戦略と活動――その経過と論点、浅見和彦、専修経済学論集、42―3、2008年 03月、A5判35p
はじめに
Ⅰ.戦後日本の組合組織化運動-3つの時期と展開形態
1.戦後初期
2.高度成長期
3.ポスト高度成長期
Ⅱ.論点とその検討
1.組織論上の原則
2.未組織労働者の組織化
3.機能論と労使関係政策
むすびにかえて
本論文は、「戦後日本における労働組合の組織化の主要な戦略と運動を取り上げる。対象とする時期は、 1945年から2000年前後までである。まず前半でその経過を跡づけて、後半でそのなかから組織論上のおもな論点をひろいあげ、若干の議論をしてみる。そうすることによって、組織化の歴史的な脈絡と、その戦略の意味、組織化運動の成果と問題点について検討するための材料を提示したい」として書かれたものである。
編集子は、そのなかの「日本における一般労働組合」について、若い世代に伝えたいと思っている。
▽2015.03.19「日本の労働組合運動の新しい構図」――『経済科学通信』(2012年8月号、No.129)
イギリスの運輸・一般労組(TGWU)研究の第一人者として長年研鑽している浅見和彦さん(専修大学教授)が、基礎経済科学研究所(京都)の『経済科学通信』(2012年8月号、No.129)に「日本の労働組合運動の新しい構図」を発表し、下記のように、労働組合組織化の方向を提案している。
長年、労働組合衰退化の悲鳴に近い声を聞いている一人として、説得的提案をしているので、ぜひ多くのユニオンリーダー・労働組合活動家、労働問題研究者に読んでほしい。
全体の柱立ては、以下のように多岐にわたって論じられている。
Ⅰ 労働組合運動の現段階――台頭する新しい構図
(1)ポスト工業社会と大企業の労働者
(2)公務・公共部門の労働者と労働基本権
(3)中小企業の労働者と運動諸形態
(4)伸張する技能職・専門職の労働組合
(5)非正規労働者の組織化の前進―1980年代以降
Ⅱ 労働組合運動の改革をめぐる論点と課題
(1)労働者の諸階層と労働組合
(2)労働者組織の二重性―労働組合と企業内労働者組織
(3)「産業」・「地域」・「職場」のトライアングル
(4)企業内労働者組織の今日的な確立と改革
(5)労使関係機構と協約による労働・社会改革
(6)求められる<有機的連帯>の戦略的構想力
著者は、以下のように労働組合組織強化の方向と展望を、提案しているが、編集子自身も「次の世代」に伝えていきたい「未来の希望をつくる労働組合像」だと確信している。
労働組合組織を確立・強化するには、ナショナルセンターが指導性を発揮し、一方で、「産業・業種・職種」の線に沿って、①産業別・業種別・職種別地方組織と全国組織の強化、
②「産業」と「地域」の“交差点”への事業所別・企業別組織の結集、③個人加盟の労働組合組織(一般労働組合の産業別・業種別・職種別の 部会・支部、産業別労働組合の地域支部、地域ユニオンなど)の拡大・新設、④これらによる産業別・業種別・職種別の団体交渉機能の形成、⑤組織合同がおこなわれなければならず、また他方で、「地方・地域」のローカルセンターを確立・強化しなければならない。「職場」は、こうした「産業」(業種・職種)と「地域」(地方)を結んだ底辺と二つの線に支えられた頂点であることが必要なのである。
▽既出[2013年3月19日 (火)]
現代労働組合組織論を追求する浅見和彦さん――現代労働組合研究会のHP・ⅩⅥ
http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-1929.html