「芹澤壽良さん(高知短期大学名誉教授)のオーラル・ヒストリー」をUP
前々から、「《日本鉄鋼産業労働組合連合会本部書記》芹澤壽良オーラル・ヒストリー」をUPしてほしいといわれていましたので、青木宏之先生のご了承を得てUPした。
芹澤壽良のページ
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/serizawa/index.htm
《日本鉄鋼産業労働組合連合会本部書記》芹澤壽良オーラル・ヒストリー
平成26年度 日本学術振興会科学研究費補助金[基盤研究(B)]
研究成果報告書【課題番号:23330115】
聞き手:青木宏之(高知短期大学准教授)
【目次】
はじめに 2
<第一回オーラル> 3
戦後初期、激動下の中・高校生時代 3
1950年代前半期における早稲田大学での学生運動 4
労働法研究会での野村平爾先生との出合い 6
労働組合の実態調査から学ぶ 8
鉄鋼労連への就職 10
初期鉄鋼労連の「組織文化」 14
労働組合主義の形成過程:執行部の変化 17
鉄鋼労連本部書記局内の左派有志グループ「月曜会」 23
1950~60年代の「合理化」反対闘争 25
① 闘う鉄鋼中小労組への支援と組織化の取り組み 25
② 合理化闘争委員会の設置と基本方針の提起 26
③ 要員調査交流会議 27
鉄鋼業における1959年の賃金闘争 32
1959年賃金開争における淀川製鋼労組の電源ストライキ戦術 32
三井三池開争支援の鉄鋼労連オルグ団活動 34
1950~60年代の鉄鋼労連の政治的運動 35
総評「家族ぐるみ・地域ぐるみ闘争」路線の意義 37
鉄鋼労連のIMF・JC加盟と大企業労組における組合役員選挙制度の変化 41
鉄鋼労連のIMF・JC加盟問題をめぐって 43
IMF・JC加盟後の賃金闘争の変化 44
「長期賃上げ目標」の設定、「経済整合性」論からの春闘の推進 45
宮田義二氏の総評変質戦術と労働戦線「統一」運動 45
<第二回オーラル> 47
1951年、結成直後の鉄鋼労連運動一労働法制改定、破防法反対闘争 47
1952年の破防法反対、労調法(緊急調整制度導入)反対闘争 49
砂川事件(1957年)とハガチ一事件(1960年)
50
尼崎製鋼、日本製鋼室蘭の「ぐるみ」闘争の展開 51
労働協約による権利獲得闘争 54
労働組合主義の形成と役員選挙制度の変化 58
「鉄鋼労連合理化闘争指導要領」 61
産業別労働協約闘争の取り組み―時間短縮関での一定の成果 64
生産性向上運動への対応 67
日本特殊鋼、山陽特殊鋼などの会社更生法下の闘争支援 69
職業病・安全衛生対策・労働災害をめぐる取り組み 70
芹澤氏略歴
はじめに
本報告書は、日本鉄鋼産業労働組合連合会(現在は基幹労連の一部門)の書記局で活躍された芹澤寿良民のオーラル・ヒストリーである。
経歴にある通り、芹澤氏は早稲田大学で労働法を中心に法学を学んだあと、プロパー職員として鉄鋼労連に採用され主に調査関係の仕事に携わった。退職後は労働者教育にかかわり、その後、
高知短期大学に赴任し教育者・研究者となっている。本報告書では芹澤氏の鉄鋼労連時代の経験を中心に聞き取りを行った。
芹澤氏は企業籍を持たないプロパー職員として鉄鋼労連の運動にかかわってきた。そのため、たとえば中小労組への支援、政治運動への参加、鉄鋼労連の組織文化、企業を超えた協約闘争や要
員闘争などの幅広い論点について、本部書記局に在籍していた氏ならではの僻撤した視点から語られている。また、左派としての立場から労働組合主義路線の問題を指摘しながらも、同時に、
それが単なる協調主義ではなく、テーマによっては労働組合としての機能を果たす場面もあったと評価している点は印象的であった。こうした芹澤氏の客観的な視点は、上述のように調査、研
究、教育などに深くかかわってきたキャリアとも無縁ではないと思われる。
本オーラル・ヒストリーの実施、報告書の作成にあたって科学研究費補助金〔基盤研究(B)〕(題目:「戦後労働史におけるオーラルヒストリー・アーカイブ化の基礎的研究」、研究代表者:
梅崎修)からの助成を受けた。ここに記して感謝申し上げる。
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