中野晃一さんが語る“市民の側からみた「連合って何?」”
新潟県知事選以降、ナショナルセンター「連合」の会長が、マスコミにたびたび登場して、参議院選挙の萌芽的・部分的勝利を勝ち取った「野党共闘」にくさびを打ち込もうとしている。そのど真ん中のテーマが「民共」間の引きはがしがテーマだ。
しかし、市民レベルの政策合意をすすめ、民主主義の力を発揮し始めた人たちの代表的な政治学者が、きっちり発言し始めていることに敬意を表したい。
日本的企業社会に負けてしまった労働問題研究者より、的確な発言だ。
中野さんの「連合って何?」をUPしたサイトは、以下のように「”SEALDs POST”を譲り受けたもの」と書かれている。一部には「2015年安保闘争」と称された「安保法制反対」運動のエネルギ―が持続していることがわかる。
“POST” は、政治と私たちの距離を近づけるためのウェブサイトです。
“POST”は、「リテラシー・サイト」として政治や社会の考え方の一つの参照点となるとともに、読者の皆さまと共に学び合う場であることを目指していきます。
ところで “POST” は、”SEALDs POST”を譲り受けたものです。ウェブサイトの譲渡にあたり、元々はドメインを変更する予定でしたが、時間や予算の都合上難しいため、当面はsealdspost というドメインのまま運営していくこととなりました。サイト名は、“POST”
となります。今後は幅広いイシューを取り扱い、様々な方・団体とのコラボを企画していきます。
COLUMN
November.18.2016
連合って何?(上智大学教授:中野晃一)
文:
中野晃一/編集:POST編集部
http://sealdspost.com/archives/5046
民進党の支持母体、連合。でも、この前の新潟県知事選では、その連合は与党候補を推してました。うーん、よくわからない・・・。
左派やリベラルのあいだでは、連合に対する不信が高まっています。でも、それでいいのかしら。ここでは、日本の政治にとってものすごく重要なはずなのに不思議な存在、連合について、上智大学の中野晃一先生に解説していただきます。
まずは、その連合の基礎となっている労働運動についてのお話から。
中野さんは、以下のような柱建てで書かれている。
連合のなりたち
連合内部の多様性
総がかり行動の意義
私たちにできること
連合幹部の突出的背景として、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」などが形成された危機感から、数々の発言があることを示唆している。
「総がかり」の結成と、それに危機感をもつ連合右派を中心に考えていきたいと思います。
安倍政権のもたらした平和憲法の危機に際して、その確執を乗り越えるようになってきました。こうして2014年12月に発足されたのが、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」なのです。
これは画期的なことです。というのも、自治労や日教組など連合左派が下支えする「1000人委員会」と、全労連(自治労連や全教を含む)など共産系の諸団体が構成する「憲法共同センター」。この二つが、無党派市民の平和運動である「解釈で憲法9条壊すな!実行委員会」と、文字通り「総がかり」で憲法破壊阻止へと力を合わせるようになったのですから。そしてこの総がかり体制は、立憲野党(民進党、共産党、自由党、社民党)による、野党共闘体制の社会的基盤を準備することにもなりました。
しかし、だからこそ「総がかり」の動きは、連合右派の反発と警戒を招いています。右派出身の連合会長をはじめ、「連合」が野党共闘に反対し、横やりを入れるような言動を繰り返すのはこのためでもあります。
そして「私たちにできること」の中で、“私たちにできることは、連合や民進党の右派が改憲勢力に合流することをくいとめつつ、連合左派を応援し、連合内外における発言権の強化を後押しすることです。そのためには、労働運動全体にもっともっと女性や若者ら非正規雇用の人びとや、「サービス残業」の蔓延や過労に追い込まれている働き手すべての声を届けて、働きかけ、変えていくことが必要条件となります。”としている。
話は飛ぶが、地元の民進党系を支える市民運動の人たちと話をしていて、「自らの運動の成果としての比例区1175万票余の得票で一番利益を受けたのが、連合系の組合幹部の参議院議員選出だ」という事実を知らなかったことだ。
http://www.asahi.com/senkyo/senkyo2016/kaihyo/C01.html
連合系の企業内組合集団だけで、1175万票余の得票はあり得ない。市民が知らないだけだ。
連合に物申す、民進党を支持する市民グループができてもおかしくない。
読みやすいように「PDF」ファイル化したいが、どうか。
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