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2016年7月31日 (日)

「日本型産業別組合の可能性」を追求――小林宏康さんの問題提起

「現代労働組合研究会のページ」で、小林宏康さん(元JMIU副委員長、現在はJMITUに名称変更)の問題提起を取り上げてきたが、今回で3本目だ。

 

  労働組合運動の再生・強化と日本型産業別組合の可能性、特集●労働運動の再生と産業別組織の課題、「労働総研クォータリー」、2015年夏号(20157月発行) 小林宏康[3]

 

 非正規・未組織労働者の組織化と産業別組合の強化―すべての労働者のための労働組合へ―、労働総研クォータリーNo.7677、小林宏康[2 ]

 

 全国金属―JMIUの産業別統一闘争―「日本型産業別組合の可能性」について産業別組合組織(単産)研究Ⅰ、労働組合研究部会 ディスカッション・ペーパー、小林宏康[1]

 

 いずれも以下のページにUPしてある。

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/sorezorenoroudou-4.htm

「現代労働組合研究会のページ」TOP

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/union-top.html  

 

 

この論文の柱立ては、以下のとおり。

 

 1 労働組合運動の現状をどう見るか

1)労働戦線の再編・新自由主義的改革と労働運動

   〈戦後労働運動史上最大の画期、労働戦線の右寄り再編〉

   〈新自由主義的改革・新日本的経営と再編後の労働運動〉

2)連合春闘による春闘の形骸化と全労連・国民春闘

 〈70年代前半までの春闘、その到達点〉

   〈「経済整合性論」と労働戦線の再編〉

 〈連合春闘と春闘の形骸化〉

   〈だれが国民春闘の到達を引き継いだか〉

 

 2 労働運動再生の契機と課題

1)社会的諸矛盾の激化と労働運動再生への契機

 〈「貧困と格差」の増大と「たたかう労働組合」の可視化〉

   〈一致する要求での共同行動の前進〉

   〈安倍政権の2つの暴走と労働運動の再生〉

  2)春闘再生の課題と国民春闘再構築の展望

   〈春闘再生への動きと安倍「官製春闘」〉

〈なぜ・いま、全国的統一賃金闘争=春闘の再生なのか〉

   〈統一闘争を強めるため特に重視する3つ〉

   〈ストライキでたたかえる組織をどう増やすか〉

   〈全国組織、地方・地域組織の課題〉

   〈年功賃金と終身雇用制をどうとらえるか〉

 

 3 産業別組合組織の役割と課題

1)日本の労働組合をどうとらえるか

 〈産業別単一組合をめざす運動の挫折〉

   〈西欧の労働組合に関する一面的図式的理解〉

   〈日本の労働運動を担うのは裸の企業別組合ではない〉

  2)「日本型産業別組合」の可能性―その方向と課題

   〈企業別組織を基本単位とする産業別組織〉

   〈産業別組織の強化と企業別組織の弱点克服〉

  3)労働運動の主な領域における産業別組織の役割と機能

   〈賃金・労働条件の維持・改善をめざす統一闘争の組織〉

   〈企業の倒産・「合理化」から労働者の雇用と生活を守るたたかい〉

   〈産業・業種、仕事のあり方に対する取り組み〉

   〈組織の強化・拡大をめざす取り組み〉

 むすびにかえて 連合体から単一組織へ

 

 関心がある方は、ぜひ〔3 産業別組合組織の役割と課題〕を読み込んでほしい。

 

 その中の注に、本ブログで紹介してきた故中林賢二郎さんの残された論文に対して、以下のように書かれている。

 

 10)全金に注目した研究者の1人、中林(1979)は、全金の産業別統一闘争において地域共闘(産別内の、また産業を越えた)が重視されて いることを評価し、企業別団結と産業別団結との2つの団結原理で成り立ち、しかも前者が優先する日本の労働組合に、地域的団結原理を持ち込む必要を強調した。またその視点から一般労働組合を重視した。中林(1985)では、企業内労働市場に封鎖されない労働者の増大などを理由に、職種別(職能別)労働組合への組織化を提起している。企業を越えた地域的団結の重視、業種・職業を団結軸として重視することに異論はないが、中林が、企業別組合を基礎とする日本の産業別組合の可能性について、企業別組合の組織的弱点の克服についてどう考えていたのか、私にはなお理解の届かないところがあり、注記にとどめた。

 

 

  上のような議論は、角度は違うが、このブログで紹介した「長崎造船社研・左翼少数派労働運動の軌跡」〔201510 9 ()〕の当事者から、フランスの一九六八年五月ゼネストに関連して、「日本の企業別組合はフランスの産別労組が勝ち取った職場内活動権より前進している」という主旨の批判(『左翼少数派労働運動――第三組合の旗をかかげて』、三一書房、19731月、p391~p394)が書かれている。

 

両者ともに実践家としての批判なのだろうか。

 編集子は、「職場の団結」プラス「地域の団結」プラス「職種別・産業別団結」の社会連帯型ユニオンづくりを、日本国憲法に基づく方向で進むことを願っている。

 

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