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2016年1月22日 (金)

紀ノ川から「産地直送」で週1回の朝市づくり――元紀ノ川農協・西浦正晴さん

 「柴田光郎のページ」にUPした記事(2016.01.20)だが、以下に再録したので広く読んでほしい。

 

 高齢者の買い物難民は社会的テーマだ。

 農林水産省のHPでも、以下のように報道している。

 食料品アクセス(買い物弱者・買い物難民等)問題ポータルサイト

  http://www.maff.go.jp/j/shokusan/eat/syoku_akusesu.html

 「我が国では、高齢化や単身世帯の増加、地元小売業の廃業、既存商店街の衰退等により、
過疎地域のみならず都市部においても、高齢者等を中心に食料品の購入や飲食に不便や苦労を感じる方(いわゆる「買い物難民」、「買い物弱者」、「買い物困難者」)が増えてきており、「食料品アクセス問題」として社会的な課題になっています。

食料品アクセス問題は、商店街や地域交通、介護・福祉など様々な分野が関係する問題であり、国の関係府省、地方公共団体の関係部局が横断的に連携し、民間企業やNPO、地域住民等の多様な関係者と連携・協力しながら継続的に取り組んでいくことが重要です。」

 

市民生協が何を目標として事業をしているのか、皆目見えない今、玄関前で新鮮で産地がわかり、生産者の顔が見える野菜を中心とした「朝市」事業が都会で広がれば、新しいコミュニケーションの場になることは間違いない。

大阪での実験が関東に広がることを期待して、紹介したい。

 

昔取材した、房総食料センター・多古町旬の味産直センター・埼玉産直センターや関東の農民連などのどなたかが、気が付いてやりはじめたら、東京・埼玉でも「面白い産直運動」が再生してくるのではないか。

 

この日も紀ノ川産の新鮮な野菜・とれたての果物など40種類近く。

 2016118日(月)、朝7時すぎに「和歌山・紀ノ川産の新鮮な野菜」を運んで、柴田家(大阪府吹田市寿町1-14-17)に来た人がいる。
 1980年代に、関西圏・四国の市民生協と提携し、紀ノ川農協をつくりだした「西浦正晴」(68)さんだ。
 話を聞くと、大阪圏で当面「100軒」の民家の敷地で、「朝市」を開催できるシステムを構築しようと走り回っている、ということ。
 現在は、柴田光郎さんにも協力をしてもらい、始まったばかりだが、すでに5軒ほどの知り合いネットワークで始まっているとのこと。

 柴田佳代子(68)さん(主催者)は「家の周りで野菜を手に入るのは、スーパーしかない。毎週、身近で紀ノ川産の新鮮な野菜が買えるところがあれば、高齢者にはありがたいのよね」と話す。
 「産地直送だから安心だし、それに買いに来てもらうご近所さんとも、日ごろの何気ない会話ができて、話が弾み仲良くなれる」ともいう。

 西浦さんは、「買い物難民に対応して、小型トラックでスーパーの商品を運ぶ事業を見て、ワシがやれる仕事は、新鮮な野菜を直接、消費者に運ぶことだ」とハタと気が付いたと。
 仕入れは、産地にいっぱいあるとれたての野菜・みかんなどの果物と従弟がやっているスーパーから仕入れることができるし、嗜好品としての安全な卵(「ノニジュース」を飲ませた卵)など人気があることも発見した。
 
 この日は野菜など40種類ぐらいのアイテムを並べ始めた9時過ぎには、ご近所さんが5人ほど「これなに?」「どんなふうに食べるの?」という会話が始まった「商い」が、行われた。
 買う人と産地を明らかにして販売する人の「顔が見られる」事業が、始まっている。
 1970年代から1980年代にかけて市民生協が伸びた時代の「共同購入の班での分かち合いの場」の再現を見た。

 西浦さんが「近所のコミュニケーションが広がる場になり、“小さな産直の事業”が大阪中に広がっていったら、面白いのでは」とニコッと語ってくれたので、期待したい。

 

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  △地域のパソコン好きの人が作ってくれたチラシ。 

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