国内産直を重視した『PROSUME』(プロシューム)の発刊
編集子は、1980年代の末ごろ、縁あって2冊のカラーページ入りでムック形式のページものを編集したことがある。
1冊目は『TALK東京』(1986年12月、 『TALK東京Ⅱ』が1987年3月)と題する「都職労」(当時は自治労東京都職員組合)編の「東京都知事選挙に向けて企画されたモノ」で「B5判」の50ページのもの。
企画の狙いは、「若い人たちに都知事選に関心を持ってもらいたい」という組合側の要請を受けて、制作したもの。
椎名誠さんに登場していただくようなものでいいのかと、担当者を通じて企画プランを出したら、「スーっと」と通ったのでこちらがびっくりしたことを思い出す。
2冊目が『PROSUME』(プロシューム、1988年7月30日発行)だった。当時、大阪・吹田市に組合員が5万人ほどの小さな生協があり、「産直を軸に国産の食」にこだわって「輸入食品にふりまわされない消費者づくり」を市民生協の根本に置いた商品政策を持っていたので。「それではやりましょう」と企画したものだ。
個人的には、『いのち永遠に新し』(住井すゑ、櫛田ふき、矢島せい子、石井あや子他、1985年08月)の編集で作家の住井すゑさんと出会い、「土と水に根ざした人間(言い方がちょっと違うが)と出会わない編集者はダメだ」と言われたことが、頭にこびりついていたのだった(並行して『わたしの童話』[1988年12月、現在、新潮文庫になっている]の編集をしていた)。
ちなみにこの2冊と『手記 じかたびの詩―失業と貧乏をのりこえて』(全日自労・建設一般/早船ちよ編、 1980年8月)、『おふくろたちの労働運動』(全日自労・建設一般/早船ちよ編、 1986年7月)などの本を一緒に作ったのは、松沢常夫さん(現「日本労協新聞」編集長)だ。
『 PROSUME 』では、まずレジュメの作り方からみなさんに相談しながらすすめないとテーマ・課題が十分見えていない状況で仕上がったものが、下記のような柱建てのものだ。
B5判・50ページほどのモノ。
月刊の『PROSUME』(プロシューム)を編集したのは、1989年からだった。まさかそうなるとは思わなかった仕事である。
先日、神保町の農文協農業書センター(現在、農業関係書でこれほどの出版物があるのかと驚いた)を見てきたので、昔の仕事だが、WEB上にUPしたく、制作した。
東京都千代田区神保町2-15-2 第一富士ビル3階(神保町交差点脇サンドラッグCVS神保町店様3階)、TEL03-6261-4760
海外モノを安易にCOOP商品として販売する生協の動向への批判を込めて、以下のページにUPした。
『PROSUME』(プロシューム)〔B5判、50ページ、大阪よどがわ市民生協発行・労働旬報社編、1988年7月30日発行〕
どうなる農業・どうする食糧 五眼で見た日本の農業と食糧 二宮厚美
「食」と「暮らし」と「農」にこだわる
嘩峻淑子/中林貞男/レオナルド熊/寿岳章子/山田達夫
ルポ・日本列島すみずみ産直ネットワーク
北の大地・離農の国にたしかな息吹●北海道十勝・折笠農場グループ 矢吹紀人
希望をつくりだす協同のネットワーク●和歌山県・紀ノ川農協の“顔の見える産直” 今崎暁巳
いとおしんで作って いとおしんで食べる●滋賀県・愛知中部農協の“農業好き”仲間づくり 小山乃里子
土づくり・人づくり・地域づくりの産直運動●大分県・下郷農協 二宮厚美
パイン自由化の大波のもとで●レポート沖縄から 池原秀明
どうする日本の農業・食・暮らし
増田れい子/渋谷定輔/亀田得治/村上昭子/宮村光重/田代洋一/河相一成/小林節夫
インタビュー:日本の伝統食からまなぶ 宮本智恵子
暮らしのなかから食生活をつくりかえる 私たちの食卓からみた「暮らし」つくりかえ 姫野恭子
共同購入配送車のふれあい
レポート消費者の立場から 輸入食品は安全で、安心か? 大嶋茂男
FOOD’S NOW 食文化のなかから食品と農業を考える 二宮厚美
いま生協の商品政策が問われている 産直の力をさらにひろげて 柴田光郎
「プロシューム」定価=500円
1988年7月30日発行 発行人/山田達夫
発行/大阪よどがわ市民生活協同組合
編集・発売/㈱労働旬報社
〒112東京都文京区目白台2-14-13
STAFF 編集●飯島信吾/矢吹紀人/NEOPLAN
デザイン●河田純/阪本正義/古賀孝和
イラスト●しらはまみちよ/ときわまさゆき/藤巻央滋/皆川正次
写真●共同通信/連合通信/カメラ東京サービス
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