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2015年9月13日 (日)

ユニオン・ショップ、労働組合の選択の自由、連合内「閉じこもり論」、連合内「階級的民主的強化の担い手論」をめぐって

 今から30年前、1980年代の労働組合運動で大きなテーマになったのは、一つは総評解散・連合化という「労働戦線統一」の流れのなかで、戦後、当たり前と思ってきた「企業内組合とユニオン・ショップ制」が労働者を苦しめる役割を持っていたこと。

 

 2つ目は、労働組合運動のリーダーの思想潮流別に、「連合内閉じこもり」(日本社会党の旧社会主義協会系で自治労、日教組など)と連合内「階級的民主的強化の担い手論(日本共産党の大企業活動家向け)――反動的労働組合のなかでも、労働者大衆の利益のために活動するという不動の原則を堅持し」 (党大会決議案)――が主張されていたこと。

 

 前者は、総評系の人たちが、苦し紛れに「自らは分裂主義者ではない」と叫ばざるを得ない論理批判をしなければならず(ユニオン長崎・中島義雄稿、前史としての全造船石川島分会・佐藤芳夫著『あたりまえの労働組合へ』19734月)、後者の批判者は「労働組合選択の自由」論、「複数労働組合加盟」論を主張せざるを得ない状況だった。

 

編集子も『ドキュメント日本航空―国民の翼をめざして』(1982年)の編集時には、日本航空第2組合内部に多数の「共産党系活動家」がおり、いつかは第一組合の「小倉執行部系の日本航空労組」に加盟してくるのではないかと思ったことがあるが、そうではなかった。そののち、日本航空職場で働いていた後輩から生々しい「もぐり込み戦略」を取材した経験がある。

 

 1985年に解決した沖電気争議団の「未来を語る会」(名称は別)で、「抑圧して切り捨ててきた沖電気労組とは別に、日本国憲法にもとづいて新しい労働組合を作る権利がある」という発言をしたとき、猛然と「レーニン主義」の論理(上記の「反動的労働組合内部からの階級的強化」論)で批判してきた方は、もうすでに鬼籍に入っている。

 

 さて、連合内加盟労組の平和運動センターの活動について、また勤労者福祉活動などの役割を果たしている人たちがいることも認めるし、すでに国際的には「世界労連の喪失状況」やアメリカ・韓国労働組合運動の活性化なども伝えられている。

 

 「もぐり込み戦略」をリードした政党幹部もすでに現役ではなくなっている現在、「日本憲法にもとづく労働組合宣言」をつくる人が出てもいいのではないか。

 

 思想潮流別の「労働組合伝導ベルト理論の終焉」こそ、若い世代が担う新型ユニオン・労働組合運動の有効化にとって、最大のポイントだと思う。

  ユニオン・ショップ、労働組合の選択の自由、連合内「閉じこもり論」、連合内「階級的民主的強化の担い手論」をめぐって

 

20150910日:150905日:(168)書評:河西宏祐著『企業別組合の理論 もうひとつの日本的労使関係』、下山房雄、1990.10、東大・経済学論集56巻3号→河西の企業別少数派組合論の展開を積極的肯定的に評価する。

 

20150907日:連合内閉じこもり戦略を貫く理由――「ノート 社会主義協会派『連合運動 20年の検証と労働運動の課題』を読んで」、全国労組交流センター自治体労働者部会事務局、2010/7/25() 午後 2:01

 

20150907日:木下武男の「企業別組合」肯定論批判―『格差社会にいどむユニオン――21世紀労働運動論原論』(花伝社、2007920日)

 

20150828日:大企業の共産党活動家への文書――経営支部の一部同志たちによる「連合」組合からの脱退と別組合結成の問題について(2000117日、神奈川委員会)

 

20140510日:労働組合の併存とユニオンショップ協定の効力――本四海峡バス解雇事件に関連して 本多 淳亮(大阪市立大学名誉教授)

 

20140202日:労働組合とユニオンショップ協定――横須賀三浦地域合同労働組合(よこさん合同労組、2013.7.5

 

2013年06月20日:「第3節 企業別組合とユニオンの連帯」――日本における 「福祉国家」 と労使関係、中京経営研究 第22巻 第1・2号、165、中京大学 経営学部教授・猿田 正機

 

20121228日:企業別組合をどうとらえるか――古くて新しい問題、「わが国労働組合の組織問題」、『現代の労働と生活Ⅲ 労働組合の民主的変革』、深井龍雄(黒川俊雄編、19853月、労働旬報社)

 

20120819日:私たちの労働組合運動史論・あれこれ 対抗戦略としての社会的労働運動 ――脇田憲一(労働運動史研究者)、日本的労働組合論――ユニオンショップ協定の問題点――牛丸修(『からむす6号』1996年)

 

20120707日:ユニオン・ショップと労働組合――全国一般東京東部労組

 

20120707日:郵政労働者ユニオンのめざすもの――ユニオン長崎・中島義雄

 

20150910日:郵産労との統一についての私見――200962日、長崎・中島義雄

 

20120219日:書評:『ロストユニオンに挑む』(福岡県「弁護士の読書」より、2005914日)

 

20120219日:「労働組合選択の自由」を論ずる、「明日へのうた―― 労働運動は社会の米・野菜・肉だ。」、戸塚章介のブログ

 

20120219日:目次:『ロストユニオンに挑む――フランス労働運動から学ぶこと 』(戸塚章介著、共同企画ボォーロ、1680円、200412月)

 

 若い世代が愛用する「スマホ向け」ページを作ったので参照してほしい。

 

 現代労働組合研究会のページ・スマホ向け

  http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/sp/smartphone.html

 

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