戦後70年と私! 戦争しない社会をつくる――富澤賢治さんの思い
▽追記(2015.09.17)
スマホ向け「富澤賢治のページ」
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/tomizawa/sp/smartphone.html
昨日届いた(2015年8月14日)『日本労協新聞』(日本ワーカーズコープ連合会)に、富沢賢治さんの「ワーカーズコープ、非営利・協同の組織を広げて力をつけ 戦争しない社会をつくる」というインタビュー記事が掲載されていた。
安保法制の成立をめざす安倍首相への怒りが、大学生から高校生まで広がっている今、シニアも含めて広範な国民が「戦争を再び起こさせない」と声を上げている。その社会状況への批判的精神を共鳴したインタビューだ。
富澤さんは祖父母の住む浜松に疎開をして、「機銃掃射」(航空機に搭載された機関銃で上空から地上へ攻撃する)を受けた体験を話しているが、戦後の人間の変わりように自己嫌悪を感じた時代があったようだ。
ご本人は、その自己を解放するために勉強したと下記のように語っている。
《先生の言うことも世の中の考え方も180度変わって、私は人を信用できなくなりました。人というものが分からなくなり、自分自身に対しても自分が分からなくなりました。》
《初期のマルクスから読み始め、『経済学・哲学草稿』まで読むと、目からうろこが落ちたという感じがしました。『経済学・哲学草稿』が、私の考え方の整理に大きく役立ちました。
私は大学院生の頃、キリスト教の論文を多く書いていましたが、マルクスがキリスト教とどういう関係があったかということを調べて論文に書いたら、経済思想史学会に認められました。
私がかかえていた問題は、自分だけのものかと思っていましたが、そうでもないと理解したのは、その時です。自分の仕事が社会に評価されると、自分がやるべき仕事はこういうことなのかと、すこし見えてきました。自分が何か仕事をして、その仕事を人がどう評価するかが分かると、その人と自分との関係がつながってきます。そして、自分の立ち位置が分かり、自分のアイデンティティがはっきりしてくるのです。
自分を取り戻すためには人のために何かを創るという仕事が必要だということが、分かってきました。
自分のために、また、人のために創造的な仕事をするということがいかに大切かということを学問的に追究することが、その後の私の研究課題になりました。
その研究成果をまとめたものが私の博士論文『唯物史観と労働運動――マルクス・レーニンの「労働の社会化」論』(ミネルヴァ書房、1974年)です。 》
「富沢賢治のページ」には、「富沢賢治の初期論文集」のページがあり下記の論文が、今読める。ぜひチャレンジ精神で読んでほしい。
E.フロム著『マルクスの人間概念』、一橋論叢、日本評論社、1964.03.01
ヒューマニズムと階級闘争理論、一橋論叢、日本評論社、1964.11.01
初期マルクスとキリスト教(一) : 少年マルクスとキリスト教、一橋論叢、日本評論社、1964.12.01
弁証法における主体の問題 : 初期マルクスのヘーゲル批判、一橋論叢、日本評論社、1965.06.01
初期マルクスとキリスト教(二)、一橋論叢、日本評論社、1965.02.01
エゴイズムのイデオロギー的特質(一) : エゴイズムの論理、一橋論叢、日本評論社、1965.12.01
エゴイズムのイデオロギー的特質(二)、一橋論叢、日本評論社、1966.08.01
マルクスのイギリス植民地主義批判、経済研究、岩波書店、1968.01.15
エンゲルスの一九世紀末イギリス労働運動論、一橋論叢、日本評論社、1969.01.01
マルクスの世界史像にかんする最近の研究 ‐とくに山之内,淡路両氏の研究について、経済研究、岩波書店、1971.07.31
山中隆次『初期マルクスの思想形成』、経済研究、岩波書店、1973.04.30
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