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2015年5月21日 (木)

アベノミクスは国民をどこにもっていくのか――その5・里山資本主義の提案

20089月のリ―マンショック後、アメリカ経済がダウンし、「日経平均株価も大暴落を起こし、912日(金)の終値は12214円だったが、1028日には一時は6000円台まで下落」(ウィキペディア)したのはつい最近だ。

 『里山資本主義――日本経済は「安心の原理」で動く』(藻谷浩介他著、角川書店 、20137月)を書いたNHK広島のプロデュ―サ―の井上恭介さんは、その「マネ―資本主義」の取材から「経済100年の常識」破りから始まり、里山に行きついたとしている。

 

 同行者は、『デフレの正体』(発売日:20100609日、角川書店)を書いた藻谷浩介さん。

藻谷さんは『デフレの正体』で「現役世代人口の減少、日本の問題はここにある!」として、反アベノミクス系研究者として著名。

WEB上で「日本紙幣をジャブジャブ刷り、国債を買い、株式市場に流し込む」野蛮な「リフレ派」の人たち(『アベノミクスとTPPが創る日本』、浜田 宏一著、講談社、201311月ほか)から攻撃されている。

 

 

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『里山資本主義』の導入部は、「岡山県真庭市」、標高1000メ―トルの中国山地、人口は5万人。製材業を営む従業員200人ほどの企業が大転換をすすめていた、というレポ―トから始まっている。

 それは「木質バイオマス発電」「石油に代わる燃料・ペレット」「1960年代まではエネルギ―はみんな山から来ていた」ことを再認識した。

つぎは「21世紀の新経済アイテム・エコスト―ブ」の紹介し、「過疎を逆手に取る」農業・人のつながりの発見者がいる。

 

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 続きは本書で。

 

藻谷さんは、「不安・不満・不信に決別を、日本の本当の危機・少子化への解決策」を展開して、市民への安心づくりを呼び掛けている。

 

最終総括

「里山資本主義」で不安・不満・不信に訣別を 日本の本当の危機・少子化への解決策

 

繁栄するほど「日本経済衰退」への不安が心の奥底に溜まる/マッチョな解決に走れば副作用が出る/「日本経済衰退説」への冷静な疑念/そう簡単には日本の経済的繁栄は終わらない/ゼロ成長と衰退との混同―「日本経済ダメダメ論」の誤り①/絶対数を見ていない「国際競争力低下」論者――「日本経済ダメダメ論」の誤り②/「近経のマル経化」を象徴する「デフレ脱却」論――「日本経済ダメダメ論」の誤り③/真の構造改革は「賃上げできるビジネスモデルを確立する」こと/不安・不満・不信を乗り越え未来を生む「里山資本主義」/天災は「マネ―資本主義」を機能停止させる/インフレになれば政府はさらなる借金の雪だるま状態となる/「マネ―資本主義」が生んだ「剃那的行動」蔓延の病理/里山資本主義は保険。安心を買う別原理である/剃那的な繁栄の希求と心の奥底の不安が生んだ著しい少子化/「里山資本主義こそ、少子化を食い止める解決策」「社会が高齢化するから日本は衰える」は誤っている/里山資本主義は「健康寿命」を延ばし、明るい高齢化社会を生み出す/里山資本主義は「金銭換算できない価値」を生み、明るい高齢化社会を生み出す

 

 

地域・地方・人づくりを大事にする「資本主義のすすめ」は、民主的改革の運動の一環だ。

編集子も、1980年代から1990年代に「地産地消」「生産者と消費者をむすぶ農業・畜産業」「田舎暮らしから都市の暮らしを見直す」というコンセプトで、ある市民生協の生活文化情報誌づくりや本づくりを体験したので、里山を基軸とする農業は人間回復のキーになる事業だと確信している。



 またバイオマス発電、小規模水流発電(マイクロ水力発電)、太陽光発電などは、若者が地域で働くことのできる大事なエネルギー産業。



 青年の働く場を国内でどのようにつくっていくのか、「株高・飽食のアベノミクス」に対抗する大事なテーマだ。

 

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