コンセプトを変えてHPが引用されることは本意ではない
数ヶ月前から、編集子が編集・制作している「インフォーマル組織の過去・未来」(現代労働組合研究会のHP)へのアクセスが日本各地に広がっている。なぜだろうと思ったら、以下のブログで紹介されていた。
「憲法とたたかいのblog――労働者のたたかいの歴史、そして憲法について動画とあわせて追求していくブログです。」
http://blog.livedoor.jp/kouichi31717/archives/11284491.html
以前は別のページにUPされていたが、現在(2014.08.14)、「右翼的潮流の形成とたたかいの視点=現代労働組合研究会のHPから(作業中)◆◆右翼的潮流の形成とたたかいリンク集」(2014.08.14)として以下のように再整理してUPしてある。
http://blog.livedoor.jp/kouichi31717/archives/2014-08-14.html
◆◆現代労働組合研究会から
現代労働組合研究会のHPが、日本の労働運動の右翼的潮流の形成、右翼的潮流とのたたかいでは、さまざまの論文、資料を掲載している。この財産をここでは紹介したい。
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/111210roudou-index.htm
◆「芹沢寿良のページ」
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/serizawa/syakaikagaku.htm
◆「インフォーマル組織の過去・未来」
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/informal.htm
は、右翼的潮流がどのように形成されたのか、たたかいの視点など貴重な論文と資料が掲載されている。
編集子としては拡散され、ありがたいのだが、「右翼的潮流とのたたかい」というネーミングには、同意できない。
「右翼的」の反語は「左翼的」となるが、左翼の側からインフォーマル組織の分析を追究したのではなく、1970年代を中心にした「企業社会」=会社の労働者統合・ビヘイビアの一環として、このインフォーマル組織を利用して、労働組合を乗っ取り、労働者の競争を組織し民主主義的・良心的労働者を差別した事実(はたまた法人経営を乗っ取り、ちんまり経営陣に納まっている人々)を連載したものである(下山房雄さんの「1965年説」を基軸にした分析はもちろん参考にした。『現代世界と労働運動――日本とフランス』、御茶の水書房,1997年1月刊)。
1970年代には、大月書店などの出版物に『右翼的潮流』克服とうたわれたものがあったが、なにか自分たちだけはわかっていて、「前衛的」と主観的にとらえ、職場の組合員のこころをつかめず、会社側・当局側の孤立化戦略に巻き込まれた編集物だな、と思っていた。
また高度成長経済から低成長社会、バブル社会が進展し、「日本的経営賛歌が跋扈したビジネス社会」、「自己実現の理論を教えられ、富士政治大学などで訓練され、左翼的人生への優位性に浸った人々」、昇進昇格的人生の担い手として競争社会を生き抜いた多くの「団塊の世代」の心情は、政治的信条でははかり知れない「心の闇」があった。その心をつかんだのが「インフォーマル組織」だ。
ふりかえって今崎暁巳さんが1977年に書いた『三菱帝国の神話――巨大企業の現場・労働者群』(今崎暁巳著、1977年2月、労働旬報社)(PDF復刻版)を今回読み直したが、「三菱帝国の支配のアミ――ピラミッド支配を支える考え方・組織とその実践」と「新労」について書かれているが、「右翼的」などと概念規定はしていない。
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/imazaki/index.htm
五十嵐仁さんの「労働組合は働く人々の経済的利益の実現と擁護をめざす大衆団体であって革命組織ではない。したがって、資本主義に敵対するものではなく、その正常な機能を維持するために必要なものである。しかし、日本の労働組合の多くは、会社に癒着したり、過度に協調しすぎるため、このような機能を果たせなくなっている」(今日の政治社会情勢の激変と労働組合運動の課題、基礎経済科学研究所の『経済科学通信』2014年5月号(No.134))という視点に共鳴する。
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/ronkou.htm
右翼的潮流という用語から、インフォーマル組織と変化したながれについては、「▽三宅明正「インフォーマル・グループ小史̶横船「二八会」史料から̶」(『市史研究よこはま』第14 号、2002 年)に詳しく説明されている(「インフォーマル組織の過去・未来」のページ)。
労働組合運動を思想潮流でとらえ分析する方法論については自由だが、身も知らずの編集子に押し付けることだけはやめてほしい。
編集子は、さまざまな産業・地域で、「労働組合と企業社会の劣化をすすめたインフォーマル組織!」から脱皮し、「産業・企業内での労使対等原則を確立し、企業社会の民主的改革と日本国憲法が打ち出した基本的人権を実現し、地域社会の福祉の増進、さまざまな社会的排除をゆるさない社会的運動(ワーカーズコープ、ワーカーズ・コレクティブ、NPOなどと協同する)の担い手に育つ」ということを願っている。
▽追記 今日(2014.12.10)下記のページを読みましたら、以下のような断り書きが入っていました。
http://blog.livedoor.jp/kouichi31717/archives/11284491.html
現代労働組合研究会のHPが、日本の労働運動にかかわるさまざまの論文、資料を掲載している。以下のアドレスで見てほしい。日本の労働運動を研究する上で欠かせない財産ともいうべきHPとなっている。このなかの2つのページを紹介したい。詳しくは、現代労働組合研究会のHPを見てほしい。当ブログで現代労働組合研究会のHPの恣意的な引用をして紹介したこと、現代労働組合研究会HPの編集者にお詫びしたい。引き続き現代労働組合研究会の財産を紹介させてほしい。
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/roudou/111210roudou-index.htm
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