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2014年7月28日 (月)

「モンドラゴンの光と影」を一挙にUP

  「ファゴール倒産」(2013年10月)ニュースで関心が高まったスペイン・モンドラゴン。30回近いスペイン・バスク訪問を体験している著者が、その歴史、アリスメンディアリエタの協同組合哲学、「モンドラゴンの神話」などを分析し、今日の「市場競争と失敗」から協同組合論として何を学ぶかを提言する。

 

「石塚秀雄のページ―モンドラゴンMCC」

 

編集子としては、以下のような「アリスメンディアリエタの理論闘争」の一部を、昔、協同総合研究所づくりに参加したとき、味わった経験がある。

しかしアリスメンディアリエタのスケールの大きいたたかいは、見事なものだ。その問いの意味を著者は、「革命後にどのような労働生産形態を考えているのか、どのような社会システムを考えているのか」と解している。

 

徐々に拡大しつつあるモンドラゴン協同組合にたいして、政治的批判が旧左翼や新左翼、ETA(「バスクと祖国と自由」、民族自立政治組織。現在では一般的にはテロリスト組織と見なされている)などからの批判がなされ、アリスメンディアリエタはそれへの理論的な対応を迫られました。

旧左翼とは主としてマルクス・レーニン・スターリン主義者たちで、労働者協同組合にたいしていまでもなされるような批判をしてきました。すなわち、労働者協同組合は、階級闘争を否定するプチブルの運動であり、労働者を搾取し、私的所有を肯定しているという批判です。アリスメンディアリエタが政府から、協同組合運動による地域振興を理由に労働金メダルが授与されたことも批判されました。アリスメンディアリエタは神学や哲学の勉強の中で、ヘーゲル・マルクス的系譜の理論、マルクスの「経済哲学手稿」、マルクスの協同組合論とレーニンの協同組合論の違いなどをよく理解していました。しかし、一方、批判者たち自身は自らのよってたつべきそれらの理論をあまり知らなかったのは、アリスメンディアリエタにとっては不幸なことであったことでしょう。

 また労働組合主義者からもモンドラゴン協同組合に対して批判が行われました。アリスメンディアリエタは労働組合主義を認めていましたが、労働の問題は労働組合主義だけでは解決しないと考えていました。つまり社会での働き方は賃労働だけではないと考えていました。つまり、働く人々には農民・漁民・自営業者・協同組合労働者など多用な形態があると考えていました。また、バスク独立派といわれるETAは、1965年に武装闘争派(ETA6)とそうでない派と分裂しましたが、ETA6からはモンドラゴン協同組合は「労働者階級とバスク民族への二重の裏切り者」と批判されました。また新左翼とは、新マルクス・レーニン派、トロツキスト派(トロツキーはソビエト赤軍総司令官だった。亡命先のメキシコでスターリンにより暗殺される)、毛沢東派(文化大革命支持派)などですが、彼らからはモンドラゴン協同組合は「スペイン新植民地主義の手先」と批判されました。これらの批判はいずれも労働者協同組合の存在について否定的なものでありましたが、一方、彼らが彼らの革命後にどのような労働生産形態を考えているのか、どのような社会システムを考えているのかは、アリスメンディアリエタに対して明らかにはできませんでした。

 

モンドラゴンの光と影

《第1回》協同組合研究誌〔季刊にじ〕、石塚秀雄、JC総研、2013年夏号、No.642

 1 初めにバスクにありき

 2 モンドラゴンの概要

 3 スペインにおける協同組合の歴史

 4 スペインの協同組合の形成

 5 労働者協同組合としてのモンドラゴングループ

 6 バスク協同組合運動の思想的背景

《第2回》協同組合研究誌〔季刊にじ〕、石塚秀雄、JC総研、2013年秋号、No.643

 1 アリスメンディアリエタ小伝

 2 アリスメンディアリエタの協同組合哲学

《第3回》協同組合研究誌〔季刊にじ〕、石塚秀雄、JC総研、2013年冬号、No.644

 1 モンドラゴンの世界的影響力

 2 「モンドラゴンの神話」

 3 「協同組合とコミュニティ―モンドラゴンから世界へ」

 4 社会の持続的発展をめざして

《第4回》協同組合研究誌〔季刊にじ〕、石塚秀雄、JC総研、2014年春号、No.645

 1 モンドラゴンの大きな躓き

 2 家電部門での市場競争と失敗

 3 債権者会議のゆくえ

 おわりに―失敗に学ぶ

  モンドラゴンの評価、協同組合論の再検討事項

 

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