『現代労働組合組織論』(中林賢二郎著、1979年刊)の今日的意味
▽追記(2020年9月 6日 (日)):『続・現代労働組合組織論』の本づくり
http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2020/09/post-48dd2d.html
1980年代に向けて中林賢二郎先生が分析した『現代労働組合組織論』(1979年6月刊)について、労働組合の組織率が低下してきている現在、若い世代に読み直してほしいと願って、本書の半分ほどをPDFでUPした。
中林賢二郎のページ (PDFで読めます)
そして大月書店版の『労働組合組織論』(日本の労働組合運動 5、1985年6月刊)の「企業別組合と現代労働組合運動の組織論的課題」については、出版社が別なので今の段階ではUPできないが(追加訂正、PDFで読めるようにしてあります。18.05.01)目次を掲げた。
同論文で中林先生は、1980年代の労働組合運動で解決が求められていた「6 企業別組合克服の組織論的課題」の柱として、「総評組織綱領草案と春闘、新しい客観的・主体的条件、組織論的課題」を書き、その実現に向けた提言をしていた。
3番目の「組織論的課題」こそが、「労働組合選択の自由」を説いたもので、「現代労働組合研究会のHP」をつくりだした大事な課題意識だ。
その部分だけは、以下、UPしておく。
中林賢二郎のページ (PDFで読めます)
目次(全ページ)
1970年代の労働組合運動の到達点をどうみるか
原題:第1章 現代労働組合運動の現状と課題
第一章 労働組合運動の現状と課題
一 わが国労働運動の現状
二 構造不況下における運動の高揚と停滞
1 組合員数の増減
2 ヨーロッパにおける闘争の前進.
三 わが国における闘争発展の阻害要因は何か
1 考えられるいくつかの要因
2 わが国労働組合運動のもつ闘争エネルギー
四 ヨーロッパ諸国とわが国の組合の組織形態と運営方法のちがい
1 組織形態と運営のちがい
2 新しい情勢への組織形態の適応と組合民主主義の強化
五 わが国労働組合運動おける組合民主主義と地域共闘の強化の課題
現代労働組合組織論の提起
原題:第六章 わが国労働組合運動の組織論的課題
――未組織の組織化と地域共闘
一 現代労働組合運動の一般的諸課題
二 同盟と総評の組織方針
三 組織論的視点の再検討
四 未組織の組織化と一般労働組合
l イギリス運輸一般労組の影響
2 未組織の組織化の必要性
3 組織化の条件の成熟
五 産業別組織内における地域的団結の強化の課題
六 地域共闘の強化と統一戦線
むすび
1970年代におけるイギリス運輸一般労働組合から学ぶ
原題:補論 イギリス運輸一般労働組合の教訓と一般労働組合の課題
一 はじめに
1 当面する組織化運動の問題点
2 建設労働や清掃労働に起こった変化
二 イギリス運輸一般の組織化運動と教訓
1 運輸一般労働組合の発足
2 今日の運輸一般労働組合
3 建設労働者の組織化過程
4 運輸一般労働組合の組織化運動の教訓
(1) 職業別労働組合の成立と限界
(2) 半熟練・不熟練労働者の組織化の条件の拡大
(3) 建設産業と半熟練・不熟練労働者の組織化
5 運輸一般労働組合の階級的強化
6 一般労働組合の組織形態
(付) 主要労働運動関連統計指標
『日本の労働組合運動』の刊行にあたって
第二巻の課題と構成
一 企業別組合と現代労働組合運動の組織論的課題 中林賢二郎
はじめに
1 労働組合組織の現状
大企業の組合員数の減少/中小零細企業労働者の組織化の進展
2 企業別組合運動後退の諸要因
3 企業別覿織形態の特異性
職業別組合/一般労働組合/産業別労働組合/企業別組合/企業別組合の会社組合化
4 歴史にみる資本と企業別組合
日経連の企業別組合礼讃/戦前のエ場委員会と労働組合しめだし/自主的工場委員会か会社組合か
5 企業別労働組合の成立と企業別組合諭
日本人論/年功的雇用関係との関連/階級闘争的視点/戦後企業別組合の成立/労働者階級のなかの特殊な層と企業別範合/下請支配の構造
6 企業別組合克服の組織論的課題
総評組織綱領草案と春樹/新しい客観的・主体的条件の成熟/組織論的課題
◇追記 以下を参考にしてください。
「労働組合選択の自由」を論ずる 明日へのうた――労働運動は社会の米・野菜・肉だ(戸塚章介のブログ
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