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2013年8月 7日 (水)

「内山光雄さんを偲ぶ」を寄贈されて

 総評時代(「連合」ができる前)、「労働組合活動家」という人たちがたくさんいた。高度成長期の社会で、大学への入学率が1割を超えていなかった時代だ。

 八幡製鉄所、石川島造船、三菱造船長崎などの著名大企業労組はもちろん、国労、全逓、全電通などの公共企業体労組、新聞・民放などのマスコミ労組、各地の地方自治体・私鉄労組など、生涯にわたって「労働者」に止まった(管理職層は別の階層)人たちが、「労働組合活動家」になった。

 

 その時代、内山光雄さん(私鉄総連副委員長、総評副事務局長などを歴任、2010年没)は北陸の地(北陸鉄道)から、『幹部闘争から職場闘争え――北陸鉄道労組の経験を中心として』(1954年)や『職場闘争・職場オルグ――続:幹部闘争から職場闘争へ』(1959年)を書いて、今流に言えば「労働組合活性化の指針」を世に訴えた。

後にベストセラーとなった『組合活動家ノート』(1965年)、『新組合活動家ノート』(1973年)を書いた(以上の本は、労働旬報社刊)。

 

 内山さんは「職場の組織づくりとして職場闘争をつよめ、 産業別統一闘争の組織化も積極的に追求し、のちの春闘の基礎づくりを私鉄総連を中心に発揮したリーダー」だ。

 『追悼文集 内山光雄さんを偲ぶ』を読むと、16人の方が文章を寄せられている。兵頭釗さんや高木郁朗さんは知っているが、私たちの先輩の小松善雄さんが『職場の労働運動』の編集経過を書いているので、いつか紹介したいと思っていた。

 

 裏方で何回か春闘講座で実務をやった経験があるが、内山さんはたいへん大柄の人で、豊富な経験をわかりやすく話し、圧倒された思い出がある。御本人に聞いたことがあるが、話のつかみや展開などは落語を学んでいたようだ。

単産研究として「私鉄総連の研究」(1970年代後半)を企画したときに、お世話になった(この文集では、高木郁朗さんが書かれている)。

その後、「観光労連の研究」を企画して、ツーリスト職場に何回かレジュメ作りでお伺いした記憶があるが、それも内山さんのアドバイスだったことも思い出した。

しかし「文集」を読むと、生涯にわたって「内山学校」をみずから開いて、組合活動家を育てていたことがよくわかる。

 

内山さんは、1970年代には妹さんが労働教育センターをつくり、その後の出版物はほとんどセンターから出すようになった。

内山さんの書かれた本Amazonによる)

 

評伝として『はじめに人間ありき―内山光雄と戦後労働運動』(池田 実・前川 清治著、労働教育センター、2002年)がある。

 

連合、全労連、全労協に分かれている今、新しい「ユニオン活動家ノート」を書き、ナショナルセンターを超える人づくりを追求する人材が出てくるのだろうか。

編集子としては期待したい。

 

『追悼文集 内山光雄さんを偲ぶ』

 『追悼文集 内山光雄さんを偲ぶ』(20121119日、「内山光雄さんを偲ぶ」編集委員会、総評退職者会気付、03-3251-0311

 

   目次

 

  内山さんのことども             兵藤 釗

 

  生涯の教師としての内山光雄さん     高木郁朗

 

  大地を踏みしめた天与のオルグナイザー  山本 博

 

  『職場の労働運動』のこと        小松義雄  

 

  地域闘争に遺した偉大な足跡       粟森 喬 

 

  職場活動こそ人間がいる         渕上貞雄

 

  内山光雄さんのご逝去を悼んで      越田智宏

 

  追悼の辞                渡邊國衛 

 

  道南バス会社更正法下の闘いと組合員読本づくり 大谷浩

 

  職場総点検運動             井田隆重 

 

  面白うて やがて身に泌む 内山節    高橋征夫

 

  内山光雄さん追悼            高橋 均

 

  自主管理社会の原典を学ぶ        佐々木啓之

 

  観光労連育ての親、そして上司として   北岡孝義

 

  “職場”と“人間”に徹した指導者       瀧井葉二

 

 

 

  感謝の言葉 在り日を偲んで       内山一枝

 

 

【参考】ブログ・シジフォス「内山光雄さんの無私の生き方は凄かった」(作成日時 : 2011/09/26 07:25

  http://53317837.at.webry.info/201109/article_28.html

 

 

   ▽追記(2015.07.20 19:15) 『路面電車を守った労働組合』―総評の伝統は消えていない

 

     http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-54c2.html

 

 

 

 

 

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