レイドロー報告とシチズンシップ、協同組合運動の哲学――中川 雄一郎のページ更新
昨年(2012年)は、「国連の国際協同組合年」だったが、どうも新たな進展はなかったようだ。
その昔、「国連の国際高齢者年」(1999年)の時には、現場にいたので「アメリカ退職者協会」(AARP)の紹介した本を出版し(『AARPの挑戦』)、東大人脈のつながりで「天声人語」にも取り上げられ、話題になったことや「高齢者協同組合づくり」に向けての雑誌編集にもタッチしていたので実感があったが、いま現場にいるひとたちはどうなのだろう。
そこで中川雄一郎教授(明治大学)の論文を読みたくて、国会図書館に行ってきたが、キーワードとして、「レイドロー報告」「シチズンシップ」「協同組合運動の哲学」について、理解を深めた。
とくに「シチズンシップ」について、中川教授が〔グローバリゼーション、ヒューマン・ガバナンス、それにシチズンシップという「三つの構成概念」を基底とした「シチズンシップ・アプローチ」〕⇔「レイドロー報告」・「国際協同組合運動の哲学」について展開しているので、読み解いてほしい。
この問題意識を深め実践したとき、「協同組合」「非営利・協同事業組織」「社会的企業」とその担い手たちは、コミュニティのなかで「互恵的な理念」と「自治、権利、責任そして参加」をになうことができる、と大きく問題を提起している。
越谷(埼玉県)から協同組合をみるとき、県レベルの市民生協がなくなり「○○」という名前になり、昔の共同購入車(いまは個配車か)の名前も変わってしまっている。
わが家はクラブ生協(平田牧場の肉も求めて)だが、この小さな生協の方が「シチズン生協」ではないかと今は思っている。
ひるがえって、日本の労働組合の混迷は、あらゆる運動潮流の違いを超えて、このようなキーワードが発見されていないことから、次の世代にとって、学ぶ欲求がうまれていないのではないか。
労働運動・社会運動版の「レイドロー報告」を求めたい。
「中川雄一郎のページ」のご案内
高年齢者の雇用・就労と社会的企業 (特集 高齢者雇用の課題を解く)、中川 雄一郎、季刊労働法―(236)、125―136、2012―01
国際協同組合運動の哲学――グローバリゼーションとシチズンシップ(特集 新協同組合ビジョン研究・緊急特別座談会「東日本大震災とTPP」)―― (協同組合運動の哲学)、中川 雄一郎、協同組合経営研究誌季刊にじ(635)、12―29、2011
協同組合運動の哲学――シチズンシップと協同組合(特集新協同組合ビジョン研究)、中川 雄一郎、協同組合経営研究誌季刊にじ
(633)、6―26、2011
レイドロー報告の想像力――協同組合運動の持続可能性を求めて (特集 「レイドロー報告」から30年――国際的協同組合運動の課題と展望)、中川雄一郎、協同組合経営研究誌季刊にじ(629)、24―42、2010
『非営利・協同Q&A』誌上コメント(その4 ・最終回)富沢賢治、中川雄一郎、坂根利幸 [他] いのちとくらし研究所報第36号、
20―47、 2011―09―20
日本協同組合学会第30回大会とレイドロー報告、中川雄一郎、非営利・協同総合研究所いのちとくらし所報、No.32、 2010.10.31
シチズンシップと非営利・協同 (特集現代社会の転換と福祉・労働・経済)、中川 雄一郎、いのちとくらし研究所報
(28)、2―12、2009―09―15
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