困ったもんだナショナルセンター「連合」――芹澤寿良のページ更新
ナショナルセンター「連合」について、その動向はマスコミの報道による以外、情報がないが、朝日新聞が伝える「脱原発」の民主党議員に圧力をかけている姿は、「原子力村の一員としての電力総連」の姿を浮き彫りにしている。
芹澤さんは、以下の論文で次のようにまとめている。
2012年10月11日、静岡県御前崎市の中部電力浜岡原発の再稼働の是非を問う住民投票条例案が静岡県議会で否決されるという結果となった。『朝日新聞』は、12日付の記事で県議会に中部電力や経済団体から否決を求める働きかけがあったと報道したが、その内容は、電力総連と中部電力労組の民主党系会派議員に対する「選挙」問題を利用した圧力を加えて否決させたというものであった。その記事(「住民投票 電力業界の壁 浜岡再稼働 県議に働きかけ」)の部分を紹介しておこう。
「民主党系県議の一人は9月中旬、中部電労組の幹部2人の訪問を受けた。“浜岡原発は安全対策に最善を尽くしている。条例案に反対して欲しい。”前回選挙で支援を受けた県議は“16万5千人の重みと迷ったが、反対した”という。
別の県議は、電力各社の労組でつくる電力労連の幹部からこう言われた。“浜岡には中部電の社運がかかっている。もし、それを否定するような行動をとれば、裏切り者とみなす”。直近の選挙では、電力総連の県内の基礎票は5千ほど。ある県議は“よほど選挙に自信がないと、電力総連の意向は無視しがたい”と打ち明ける。
この記事によると、10月3日に経団連の米倉弘昌会長を訪問し、“県議がどう判断するかも重要”と牽制しており、こうして民主党系会派20人中住民投票条例の修正案に名を連ねたのは7人で、残る大半は反対にまわったとのことである。
反・脱原発の立場の人々は、住民意思の最良の民主主義的意思決定方式のこうした妨害、破壊行動を会社とともに電力総連や労働組合運動に怒りとともに絶望的な不信感を覚えるであろう。
連合運動の動向を分析し、提言を続ける芹澤さんが「世論に背を向け、民主党政権に追随 第12回大会から1年間の連合運動――エネルギー政策・原発問題をめぐる動向」(金属労働資料、2012年10月号)を書いたのでUPした。
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/serizawa/index.htm
この論文の柱は以下の通り。
Ⅰ 民主党政権の三年間―マニフェストの修正、民意無視の政治を推進
Ⅱ 東京新聞(「こちら特報部」)の『連合政権批判に背 問われる存在意義―勤労者全体の代表、世論喚起を』その他の連合批判
Ⅲ 野田内閣の反国民的政策の強行と連合の追随、容認
Ⅳ 3・11以降の原発問題をめぐる連合の混迷と幅広い脱原発運動の発展
Ⅴ 連合の「エネルギー政策総点検・見直しPT」による「新たなエネルギー政策」の策定―曖昧な「ゼロ目標」と再稼動容認
Ⅵ 政府の『革新的エネルギー・環境戦略』と連合中央委員会におけるエネルギー政策をめぐる意見
先進資本主義諸国、G8各国にあるナショナルセンターでは世界最低のナショナルセンターではないかと思う。これほどヨーロッパを訪問する研究者が多い時代、なぜ比較研究がされないのか。
「社会的労働運動」を標榜したいなら、まず地域社会での協同の運動をやってほしい。
ただし、「平和運動センター」に参加する自治労や日教組、JR総連などが、沖縄や岩国で「オスプレー配備反対」の運動をしているのも事実だ。そのエネルギーを、地域における非正規労働者組織化に力を注いでほしい。
小越洋之助さん(國學院大學名誉教授)のイギリス調査報告
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/ogoshi/ogoshi-london.htm
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