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2012年11月

2012年11月28日 (水)

宮城武久さんが塙 保己一賞(第6回)受賞

 『朝日新聞』(埼玉版、20121128日付け)で「平成24年度塙 保己一賞(第6回)の貢献賞の受賞者」に、NPO視覚障がい者支援協会 ひかりの森の理事の<宮城武久(みやぎたけひさ)氏 つばき教育研究所理事長(68歳・埼玉県越谷市)>の名前が発表されていた。

 

おめでとうございます。

 

 埼玉県のHPをみると以下のように紹介されていた。

 

 http://www.pref.saitama.lg.jp/site/hanawa/hanawa24.html

 

 

 

・昭和57年、つばき教育研究所を設立し、視覚障害、知的障害、肢体不自由などの障害のある子供に対し、一人一人の発達に応じた教育を行っている。

 

・長年にわたる教師経験から、障害のある子供の成長を促す独自の学習理論・指導方法を開発し、教員の研修、学校・施設等での講演活動を行っている。

 

 

 

 121128miyagi668

 

 

 

 

 


 このつばき教育研究所には、NPOにするための相談を受け、一度訪問したことがある。東武伊勢崎線の新田駅から車で78分ほどにある一軒家でスタッフは3人ほどいたのではないか。

 

 発達支援の教育内容は、同研究所のHPを見てほしい。

 

 http://www.geocities.jp/soka_tsubaki/

 

 

 

 宮城さんは、ひかりの森がつくられたときから「歩行訓練」の指導を盲導犬と一緒に(いまは2代目)、毎週、木曜日に行っている。歩行訓練の後の講話は、当事者なみならず、ボランティアやスタッフに絶大なる人気がある。

 

 ある人は、宮城さんの講話にひかれて参加している人もいるという。という私も2回ほど聞きに行った。話は、一人ひとりの成長と取り組みを評価し、またはそのどきの話題を歴史的に文学的に話して、「そうか」と聞き手の心をつかむ。

 

 

 

 宮城さんとは、数年前、「ひかりの森・大洗での泊り込み合宿」で夜遅くまで酒を酌み交わたことがある。翌日、早朝に自宅に電話し、家族の方に「ご苦労さん」的な話をしていたのを記憶する。あんなにお酒を飲んだのに、と思った。

 

 お酒は大好きな方で、毎月、第一木曜日に越谷駅近くで飲み会を開催している。ここも人気の場所で、川口や千葉などからも視覚障がい者の当事者・家族の参加者がいて、ワイワイやっている。

 

よく飲み、よく話す。その傍に盲導犬が静かに座っている風景は、一度、見てほしい。

 

 

 

 これからもお元気で! おめでとうございます。

 

 

 

 

 

▽追記:越谷発―宮城武久さんの講演会
2013.12.08

 

 

 

http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-667b.html

 

 

 

 

 

▽追記:盲導犬を傷つけないで―ロービジョン友の会アリスなどが呼びかけ

 


http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-c2a9.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2012年11月23日 (金)

中川雄一郎さんのHPをオープン

  ▽追記(2015.09.17

 

  スマホ向け「中川雄一郎のページ」

 

  http://e-kyodo.sakura.ne.jp/nakagawa/sp/smartphone.html

 

 

 

 中川雄一郎さん(明治大学政経学部教授)が協同総合研究所の理事長になった時(2000年)、私は以前、日本生協連医療部会(現日本医療福祉生協連)の雑誌『健康せいきょう』の編集をやっていたこともあって、医療生協さいたまの『けんこうと平和』紙(10万部発行)を中心とする広報に参加した。

 自分としては、ほとんど協力もできない状態だったので、申し訳なく思っていた。

 その間の話は、別に書きたいと思っているが、「レイドロー報告」がきっかけになって、日本協同組合学会が創立されたとは、今回の作業で初めて知った。

 
 

  121123nakagawa
   

  ▽201457日現在のアドレスは下記です。

 

   http://e-kyodo.sakura.ne.jp/nakagawa/index.html

 

今では協同組合学会の関係者の誰もが知っている事実であるが、日本協同組合学会設立に大きなインパクトを与えたのは、アレグザンダー・F.レイドローが―世界の協同組合人のために著し―第27 ICA(国際協同組合同盟)モスクワ大会に提出し採択された報告書『西暦2000 年における協同組合』(『レイドロー報告』)であった。そのことは、レイドロー報告の特徴の一つとして―レイドロー報告の第Ⅴ章で展開されている―「四つの優先分野」のなかの「第2 優先分野:生産的労働のための協同組合」が取り上げられているように、設立大会でも石見報告を通じて「労働者協同組合」が取り上げられたことに見て取れるのである。にもかかわらず、設立大会のエピソードの一つとして私の脳裏の片隅に今でも時として現れるのだが、80 年代に入ってもなお日本の協同組合人や協同組合研究者の一部は労働者協同組合(ワーカーズ・コープ)について「未だしの感」があった、と私は思っている。それでもその後、モンドラゴン協同組合の発展やイギリスをはじめ西ヨーロッパで展開されている労働者協同組合の歴史と現状を正確に認識しようとする協同組合人や研究者が次第に増えてきたのも、やはり『レイドロー報告』の影響があったからであろう(「日本協同組合学会第30 回大会とレイドロー報告」、中川雄一郎、『非営利・協同総合研究所いのちとくらし』所報、No.32 2010.10.31

 


 さて、御本人は照れていたが、「CiNiiの論文検索 中川雄一郎」で大学院のころの論文が読める。

  http://ci.nii.ac.jp/search?q=%E4%B8%AD%E5%B7%9D%E9%9B%84%E4%B8%80%E9%83%8E&range=0&count=20&sortorder=1&type=0

 

 同時代に編集者として出発した人間として、わが師・中林賢二郎先生に「協同組合の歴史的・社会的位置」について質問したのは、1980年代初頭で、イギリスに留学して帰ってきたころにやっと先生は「協同組合と労働運動」について書こうと思っていたようだ。しかし執筆がままならず、残念ながら1986年の1月に亡くなってしまった(この話は、京都大学名誉教授・池上惇先生の『仕事おこしのすすめ』、<シーアンドシー出版、1995>をまとめる作業をしていたときに聞いた話だ。池上先生は同時期にイギリス留学をしていて、懇意になっていたとのこと)。

 

 中川先生は、もうすでに1970年代初頭に、論文を書き始めていたのだ。ぜひ、若い研究者の人にはおすすめだ。


 国連の決めた「国際協同組合年」の2012年にUPできたこともよかった。


 今回は、更新情報として、以下をUPした。

『レイドロー報告』30 周年、中川雄一郎、非営利・協同総合研究所いのちとくらし所報、No.29 2010.02.20

日本協同組合学会第30 回大会とレイドロー報告、中川雄一郎、非営利・協同総合研究所いのちとくらし所報、No.32 2010.10.31

シリーズ『非営利・協同Q&A』誌上コメント(その4、最終回)、出席者:富沢賢治(研究所顧問、聖学院大学大学院教授)、中川雄一郎(研究所理事長、明治大学教授)、坂根利幸(研究所副理事長、公認会計士)、角瀬保雄(研究所名誉理事長・顧問、法政大学名誉教授)、司会:石塚秀雄(研究所主任研究員)、非営利・協同総合研究所いのちとくらし所報、No.36 2011.02.28

 

 

2012年11月21日 (水)

野田首相の思想と行動・その2――松下政経塾とは―Ⅱ

 坂本龍馬の「船中八策」をまねて、最近出された大阪維新の会・「「維新八策」最終案の全文」(日本経済新聞WEB版、2012.09.01)を読んでみた。

 衆議院議員数を半数にする、憲法を改正しやすくする、ことなどをうたっている。

 http://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXNASHC3103B_R30C12A8000000

 

 
 

 下に掲げる「志士の会の『日本プライド構想』には、以下のような十一の政策」(『襤褸の旗――松下政経塾の旗』出井康博著、飛鳥新社、20122月)があるが、橋本維新の会の思想とほとんど変わらないことがわかる。

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第一策 首相公選制 日本のトップマネージャーは、国民の手で選ぶ

第二策 地域主権  地域主権国家をつくり、地方をイキイキさせる

第三策 安全保障  自国の安全に責任をもち、国際平和を支える国に

第四策 情報公開  「知る権利」に立脚した情報公開の徹底を

第五策 司法改革  時間とお金のかかる裁判をなくす

第六策 税制改革  国民に富を残し、意欲の湧く税制に

第七策 規制撤廃  経済規制を撤廃し、日本経済に活力を

第八策 民営化   民営化を徹底的に進め、国の贅肉をとりのぞく

第九策 社会保障  自助努力を「主」とする、社会保障制度を

第十策 教育改革  百花繚乱の教育化企画で、独創的な子どもを育てる

第十一策 環境保全 環境に責任をもち、人類の未来に貢献する

 

 著者のジャーナリストの出井さんは、《「第一策」の「首相公選制」以外は、総花的でわかりにくい。志士の会が目指す方向を理解するためには、政策の前に書かれた「はじめに」という以下の文章の方が明快だ。》として、下記の文章を引用している。

 

〈現在の日本は自由主義という仮面をかぶった「社会主義国」といっても過言ではありません。戦後の日本に築き上げられた官僚主導中央集権型システムは、官民を一体化し、敗戦で壊滅的な打撃を受けた日本を、戦後三十年もたたないうちに世界の経済大国にまで成長させました。この事実は賞賛に値するものであり、私たちは先達の努力に心から感謝します。しかし同時に、日本に成功をもたらしたそのシステムこそが、日本を「社会主義国」化し、戦後最大の危機に陥れていることも認識すべきだと訴えます。

(中略)私たちがいま取り組もうとしているのは、日本を仮面をかぶった「社会主義国家」から素顔の「自由主義国家」に改造することであり、日本そして日本人にプライドを取り戻すことです。それはまさに「二十一世紀の維新」とも言える大事業となるでしょう。私たちは、その大事業のブループリントを「日本プライド構想」としてここに提言したいと思います。恐らく多くの人は、私たちのこの提言に反発されることと思います。政治家がこれを唱えたならば、敵を増やし、落選することもあるでしょう。

それでも私たちは提言します。それが日本を救う道だと信じているからです。そして、いま反発をもつ人にも、いずれは、賛同いただけると信じているからです。〉(同書、p96

 

 昔、「日本は私たちの目標とする社会主義国だ」と書いた中国の研究機関があったことを記憶している。中国の権力集団が目標とするのが日本で、日本の権力をめざした人たちが「離脱」をかかげる、不思議な関係だ。

 


 話を戻して、大阪維新の会の目標と、野田首相の思想が一致しているのは、志士の会のメンバーが橋下次期首相候補のブレーンとして参加しているからだ。

 そのメンバー表は、下記の通り。

 《中心メンバーは、日本新党初当選組の野田佳彦、山田宏、長浜博行である。(中略)他のメンバーは、鈴木康友(一期、浜松市長)、海老根靖典(二期、藤沢市長)、河井淳一(二期、首相政務秘書官)、小田全宏(四期、NPO法人「日本政策フロンティア」理事長)、勝又恒一郎(八期、民主党衆院議員)、市村浩一郎(九期、民主党衆院議員)、中田宏(十期、前・横浜市長)など。さらに塾以外から、日本新党当選組の河村たかし(現・名古屋市長〉や中村時広(現・愛媛県知事)なども加わって、総勢十数名で構成された。》

 

 

 1997年ごろのメンバーだが、そのなかの山田宏、中田宏の両メンバーは、最近、日本創新党を解散し、日本維新の会から衆議院に立候補すると報道されている。

 



 野田首相が「民主党のマニフェスト」にはなかった消費税増税やTPPを推進しているのは、「エリート官僚政治からの離脱」をかかげた民主党を内部から食いちぎり(官僚主導中央集中型システムの離脱を言葉で言いながら)、「志士の会」が掲げた政治戦略を広げているからだ。

 

このような「くらしやふくし充実の側」にたつ政治から自己中心の政治を実行する姿は、労働組合を内部から食いちぎり、企業の経営権を乗っ取ったインフォーマル組織の手法と同じだと思う。

 

反権威主義でもういちど、企業と労働組合、自治体・政党の姿を見直したいものだ。

2012年11月20日 (火)

越谷のオナガ

 日曜日(20121118日)、2階のベランダの前を一羽の鳥が、サーっと飛んでいった。昨年も見たオナガだった。

 

 近所の農家の屋敷林で、数羽飛び回っていた。望遠カメラで少し待っていたが、手前の庭に止まったので撮影した。

 

 ここにUPする。

  越谷の地には、農家の屋敷林が残っているので、このような鳥が生息しているのだろう。

 

 

 

 オナガ(尾長、学名:Cyanopica cyana)はスズメ目カラス科に分類される鳥類の一種

 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%8A%E3%82%AC

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  ◇前掲ブログ:オナガが近所(越谷)に8羽も(2012年4月)

 

2012年11月18日 (日)

野田首相の思想と行動――松下政経塾とは―Ⅰ

 以前、有田芳生さん(民主党参議院議員)のブログ(有田芳生の『酔醒漫録』、2010/01/30)で民主党の構造は、3層あるという分析・渡辺治教授の最終講義――(《「悩みながらの構造改革派」(指導部)、「民主党による利益誘導型政治」(小沢グループ)、「個々の福祉政治実現型」(長妻、山井など)と腑分けする。渡辺さんの表現では「頭部」「胴体」「手足」である。私がこれまでも主張し、これからも取っていくスタンスは「福祉政治実現型」だ》を読んだことがあるが、「松下政経塾」出身者は、「悩みながらの構造改革派」なのか、よく分からなかった。

 

  http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2010/01/post_d9f7.html

 

 

 

 菅直人が首相になったときは、図書館から『政治家の人間力――江田三郎への手紙』(責任編集・北岡
和義、明石書店、20071012日)を借りてきて一読したが、「1960年代の構造改革派」のようには決してならなかった。

 

 http://www.eda-jp.com/saburou/30-100/index.html

 

 

 

さて「松下政経塾」というのはなんのか? 知りたくて、この間、ジャーナリスト・出井康博さんが書いた2冊の本『松下政経塾とはなにか』(新潮新書、2004年11月)、『襤褸の旗――松下政経塾の研究』(飛鳥新社、2012年2月)を読んでみた。

 

前者は松下幸之助を中心に書かれており、巨額な資金が出され、政治家養成を試みた話が中心だった。記憶に残ったのは、「無税国家論」だ。

 

後者の本では、野田首相の「志士の会」のときのアピール文(『日本プライド構想――コンセンサスの政治より、信念の政治を』、1997年)が掲載されていたので、ここに引用しておく。原典をインターネット上で検索したが、今の段階では調べきれていない。

 

なんと、司馬遼太郎文学を下敷きにした「安サラリーマンの処世術」の文章ではないか。

 

 

 

〈日本が危ない

 

 この国の危機を、我々はもはや見過ごすことができない。新しい時代の扉を開き、新しい日本を築くため、若い力が立ち上がる時が来た。

 

 長引く景気低迷は解決の緒すら見えず、国民の不安は日に高まるばかりである。国家財政は破綻の一途をたどり、このまま放置すれば、そのツケは次世代が背負うことになる。政・官・業の癒着は目に余り、続発する不祥事は、わが国指導者たちの質的劣化の現れである。未来の日本を担うべき子どもたちは刹那の海でおぼれ、健全な精神を失おうとしている。

 

 事態は深刻である。しかるに、国を導くべき指導者たちは時代認識に暗く、国の将来を見定めたビジョンをもたない。政党は相変わらず政権をめぐる醜い争いに明け暮れ、政治家は議席を守ることに汲々とし、官僚は保身のために前例主義と省益とでしか物事が決められない。

 

 もはや座視している時ではない。誰かが先陣をきって立ち上がるべき時である。このまま時を空費していれば、この国はたちまち深い奈落へ落ちてしまうだろう。「持ち時間」は僅かしかない。時代はまさに二十一世紀の大晦日である。溜まったほこりを払い、こびりついた汚れを拭う「世紀の大掃除」は、国力がまだ残っている今こそ取り組まなければならない。

 

我々がめざす理想の社会は、他人の自由を侵さない限り個人の自由が保証され、またすべての人に機会の平等が約束された『自由社会』である。それは個人が自己責任のもとに、自身の人生を自由に選択できる、『夢と志の生きる社会』である。国会の役割は最小限にとどめ、個人の活動や生活に介入してはならない。

 

しかし現在の日本は、網の目のように広がる規制や厚く堆積した既得権益が、国民の自由な経済活動や社会活動を阻害していて、理想とは逆の閉鎖社会に陥っている。こうした状況を打開し、理想を実現するためには、国のしくみを根本から変えるような大胆な改革が必要である。

 

国家財政に寄生する業界を排除し、グローバル・スタンダードに基づいた、透明で公平な経済システムを構築し、活力に満ちた新規企業が次々と育つような土壌にしなければならない。次代に借金を残さないため徹底的な行財政改革を行い、効率的な国家経営を可能にする体質に改めなければならない。霞ヶ関が自由な経済活動を過度に統制したり、地域に根ざしたまちづくりにまで深く介入するような集権体制を破砕し、自由と機会に満ちた経済社会、分権型社会を創らなければならない。

 

また、人々が最期まで安心して暮らせる、自主自立を前提とする豊かな福祉社会を築かなければならない。自然と環境を守り、地球を美しい姿のままで後世に残さなければならない。戦後教育の至みを根本から見直し、子どもたちの心の中にナイフが巣食うような社会と決別しなくてはならない。

 

時代の端境期に生きる我々は今、歴史的決断を迫られている。もはや弥縫策の積み重ねでは、次代に輝かしい未来を招来することはできない。日本のしくみを根底から変える、まさに革命ともいうべき劇的変化を成し遂げるしかない。それが担えるのは、特定の利益にとらわれない、利他の精神に溢れた政治集団だけである。自己を犠牲にしても他人や社会のために尽くすという強い意志こそが、時代が求める改革者の要件である。

 

すべての国民に考えてほしい。「特定の集団や特定の地域の利益代表が、数多く国会に送り込まれるのはなぜか」と。それは国家から自立した多くの人々よりも、国家に甘えすがる一部の人々の声の方が大きいからだ。国民の諦めと無関心とが、国民不在の古い政治体質の延命に手を貸していることに気付いてほしい。この国のかたちや自分たちの未来を決めるのは、国民の自覚ある行動と賢明な選択でなければならない。国民が主体である。真の民主主義国家を共に築こう。互いの自由を尊重しあい、主権者としての責任を自覚する真の主権在民国家を共に創ろう。

 

徳川幕府の末期は、政治、経済、社会など、すべての面に至みが生じていた。それらを一掃し、新しい国家建設をめざして一群の若者たちが立ち上がった。その先頭に立った坂本龍馬が姉に送った手紙に、「日本を洗濯致し申し候」という言葉がある。明治維新とはまさに、命を懸けて国を救おうとした若者たちの純粋な利他の精神が、日本という国の丸洗いを可能にした大事業だったのである。翻って現在の日本も、幕末同様、国の様々なシステムが機能不全に陥り、構造改革の必要に迫られている。再び国を丸洗いすべき時が来たのだ。

 

 

 

「いま一度日本を洗濯致し申し候」これが私たちの志である。

 

 

 

ここに、名もなく地位もないが、ただひたすらに日本再生のため、「二十一世紀維新」に身命をささげようという改革者の結集体として、「志士の会」を結成する。

 

志を同じくする人々は老若男女こぞって結集してほしい。日本をよくするために、力ある人は力を、知恵ある人は知恵を、資力ある人は資力を、是非、私たちに貸してほしい。

 

若い力の疾風と心ある国民の怒涛とが重なった時、必ずや新たな歴史が開くと確信している。

 

 

 

 出井さんは次のように一言語っている。

 

《以上が、当時四十歳だった野田が執筆した文章だ。

 

「志士の会」という名称が象徴するように、野田らは明治維新に強い憧れを持っていた。趣意書には、坂本龍馬の有名な言葉も引用されている。つまり、自分たちこそ現代の「龍馬」だというわけである。このメンタリティこそ、野田に限らず、「松下政経塾」の真骨山なのだ。

 

力の入った文章だが、かなり自己陶酔的でもある。幼いといえば、幼い。ひとことで言えば、空疎なのだ。》

 

 

 

これでは、あの60年代末の東大闘争をくぐり抜け、自民党政治を動かした「ハイパワーエリート官僚勢力」とその末裔に勝てるわけがない。

 

消費税もオスプレイ配備もTPPもエリート官僚の指図で、動かされるはずだ。

 

 

 

 次の総選挙が始まっているが、石原慎太郎閣下や橋下次期首相候補にしても、「30年前の司馬遼太郎文学」を超えたキーワードで語ってほしい。

 

 「関が原」「義経」「坂本龍馬」「翔ぶが如く」をしこたま読んで、酒場でおだ上げて、1970年代から1980年代に語っていた人たちはすでに「鬼籍」に入っている人が多い時代なのだから!

 

 

2012年11月12日 (月)

イギリス調査旅行――小越洋之助のページ更新

27年ぶりにイギリス訪問を果たした小越洋之助さん(國學院大學名誉教授)の「イギリス調査旅行」(2012910日~16日:London &Manchester) をUPした。

 「小越洋之助のページ」の更新をしました。

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/ogoshi/ogoshi-index.htm

 イギリス調査旅行(2012910日~16日:London &Manchester

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/ogoshi/ogoshi-london.htm

 

 

 私も1995年にマンチェスターで開かれた「ICA総会」(国際協同組合同盟)に関西生協連主催の「ヨーロッパ・ツアー」(スイス、ドイツ、フランス、イギリスの消費生協調査)の一員で参加して訪問している。

 当時、イギリスは不況時代だったが、犬連れの青年の「おもらいさん」や町中のオフィスに「貸し事務所」のポスターが見られ、「ロッチデールの家」(下記の「明治大学政経学部教授・中川雄一郎さんのページ」の写真)訪問より、その風景が記憶に残っている。

  http://e-kyodo.sakura.ne.jp/nakagawa/nakagawa-index.htm

 

 マンチェスターでは、ある博物館を見学したが、巨大な蒸気機関が展示されていた。ここが「産業革命発祥の地」であるという解説を読み、資本主義を主導したツールを見てきた。

 日本の青年・女性の多くがこの実像を見て、「IT時代」に生き抜くワーカーズになってほしい。今の日本だけが社会(歴史)ではないことを感じるはずだ。

 

 さて、小越さんは、そのレポートのなかで訪問したある研究者のこの発言を引用している。

 「フランスでは1968年に大抗議活動が起こり、労働組合・市民の動員があり、工場占拠やゼネストが起こった。その後労働者保護のさまざまな法律ができ、全国一律最低賃金制の導入で、その水準も平均賃金の65%まで引き上げられた。人々が立ち上がり、法律が改正されたことが大きい。イギリスでは労働組合の組織の仕方にも伝統的な違いがあり、『法律を変えろ』という要求を多く打ち出すよりも、自分たち労働組合の権利を求める方に重きを置いた。サッチャー政権のときに労働組合への攻撃があり、労働者保護がどんどん剥奪された。炭鉱労働者のたたかいが敗北したことが非常に大きな違いを生み出した。炭鉱労働者の労働組合は1年間のストの結果、大敗北した。その敗北が、労働組合にとっても、国民にとっても、自分たちは自分たちを守れるほど強くないという考え方を植え付けてしまったのではないか」と。

 日本をどう見ているのか。語っていただきたいものだ。

 

論文一覧

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/ogoshi/ogoshi-ronkou.htm

 

以下のページをPDFにして、UPしました。

20121111

職務昇進と賃金体系、『国学院経済学』、第29巻第12号、1981

「新しい賃金論」への注文――連合評価委員会中間報告に寄せて、『賃金と社会保障』、No.1356200310月下旬号

ナショナル・ミニマム問題―2004春闘・状況の見方、『賃金と社会保障』、No.136320042月上旬号

2004年・年金改革法をどう見るか、『賃金と社会保障』、No.137220046月下旬号

「雇用形態の多様化」と労働条件――非正規雇用の激増と雇用不安のなかで、連載特集 現代日本の労働問題(1)、『政経研究』第92号、20095月号

20121106

イギリス調査旅行(2012910日~16日:London &Manchester

PDF:「非正規雇用の賃金水準と最低賃金制」(『協同の発見』、協同総合研究所、第179号、2007.6

2012年11月 9日 (金)

困ったもんだナショナルセンター「連合」――芹澤寿良のページ更新

 ナショナルセンター「連合」について、その動向はマスコミの報道による以外、情報がないが、朝日新聞が伝える「脱原発」の民主党議員に圧力をかけている姿は、「原子力村の一員としての電力総連」の姿を浮き彫りにしている。

 

 芹澤さんは、以下の論文で次のようにまとめている。

 2012年10月11日、静岡県御前崎市の中部電力浜岡原発の再稼働の是非を問う住民投票条例案が静岡県議会で否決されるという結果となった。『朝日新聞』は、12日付の記事で県議会に中部電力や経済団体から否決を求める働きかけがあったと報道したが、その内容は、電力総連と中部電力労組の民主党系会派議員に対する「選挙」問題を利用した圧力を加えて否決させたというものであった。その記事(「住民投票 電力業界の壁 浜岡再稼働 県議に働きかけ」)の部分を紹介しておこう。

 「民主党系県議の一人は9月中旬、中部電労組の幹部2人の訪問を受けた。“浜岡原発は安全対策に最善を尽くしている。条例案に反対して欲しい。”前回選挙で支援を受けた県議は“16万5千人の重みと迷ったが、反対した”という。

 別の県議は、電力各社の労組でつくる電力労連の幹部からこう言われた。“浜岡には中部電の社運がかかっている。もし、それを否定するような行動をとれば、裏切り者とみなす”。直近の選挙では、電力総連の県内の基礎票は5千ほど。ある県議は“よほど選挙に自信がないと、電力総連の意向は無視しがたい”と打ち明ける。

 この記事によると、10月3日に経団連の米倉弘昌会長を訪問し、“県議がどう判断するかも重要”と牽制しており、こうして民主党系会派20人中住民投票条例の修正案に名を連ねたのは7人で、残る大半は反対にまわったとのことである。

 反・脱原発の立場の人々は、住民意思の最良の民主主義的意思決定方式のこうした妨害、破壊行動を会社とともに電力総連や労働組合運動に怒りとともに絶望的な不信感を覚えるであろう。

 

連合運動の動向を分析し、提言を続ける芹澤さんが「世論に背を向け、民主党政権に追随 第12回大会から1年間の連合運動――エネルギー政策・原発問題をめぐる動向」(金属労働資料、201210月号)を書いたのでUPした。

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/serizawa/index.htm

 

 この論文の柱は以下の通り。

Ⅰ 民主党政権の三年間―マニフェストの修正、民意無視の政治を推進

 Ⅱ 東京新聞(「こちら特報部」)の『連合政権批判に背 問われる存在意義―勤労者全体の代表、世論喚起を』その他の連合批判

Ⅲ 野田内閣の反国民的政策の強行と連合の追随、容認

Ⅳ 3・11以降の原発問題をめぐる連合の混迷と幅広い脱原発運動の発展

Ⅴ 連合の「エネルギー政策総点検・見直しPT」による「新たなエネルギー政策」の策定―曖昧な「ゼロ目標」と再稼動容認

Ⅵ 政府の『革新的エネルギー・環境戦略』と連合中央委員会におけるエネルギー政策をめぐる意見

 

 先進資本主義諸国、G8各国にあるナショナルセンターでは世界最低のナショナルセンターではないかと思う。これほどヨーロッパを訪問する研究者が多い時代、なぜ比較研究がされないのか。

 「社会的労働運動」を標榜したいなら、まず地域社会での協同の運動をやってほしい。

 

 ただし、「平和運動センター」に参加する自治労や日教組、JR総連などが、沖縄や岩国で「オスプレー配備反対」の運動をしているのも事実だ。そのエネルギーを、地域における非正規労働者組織化に力を注いでほしい。

 

小越洋之助さん(國學院大學名誉教授)のイギリス調査報告

 

http://e-kyodo.sakura.ne.jp/ogoshi/ogoshi-london.htm

 

   

2012年11月 5日 (月)

『デフレ不況脱却の賃金政策』(小越洋之助監修、労働運動総合研究所編)を寄贈されて

▽追記【書評と紹介】2015828日)

 

『デフレ不況脱却の賃金政策』(小越洋之助監修、労働運動総合研究所編、新日本出版社、201210月――評者・丹下晴喜『経済』、20133月号)

 

この本(新日本出版社、2012年10月、定価2000円〈税別〉)のすべてを紹介できないが、第1章で展開する「日本だけが主要国で賃下げ!」「賃金低下の実態」(定期給与の抑制、非正規雇用の増加)「賃金低下が内需低迷・円高を招く」。しかし一方「大企業の内部留保は異常な増加」と論説・データなどからよく分かる。

 

 私からすれば、連合の誕生(1989年)や日経連の「新時代の『日本的経営』」(1995年)の政策実行移行の大変化だと思う。

 

 

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 本書の主な目次を以下に掲げる。

第1章 日本の経済・社会における賃金の位置(小越洋之助・村上英吾)

 第1節 日本の賃金をめぐる問題状況

第2節 日本企業のグローバル化と賃金

第2章 賃金水準決定の仕組みと搾取形態の構造変化(金田豊)

 第1節 貸金水準抑制の仕組みの変化刃

第2節 大企業の搾取形態(職場支配)の構造変化(金田豊)

補論 トヨタの賃金体系(佐々木昭三)

第3章 男女間賃金格差にみる女性労働の実情(上田裕子)

第4章 デフレ不況脱却、均等待遇をはかる賃金政策(伊藤圭一・上田裕子)

 第1節 賃金政策の基本的視点

 第2節 均等待遇実現のための「同一価値労働同一賃金」原則

第5章 賃金政策と雇用・社会保障政策との関連(金田豊、小越洋之助)

 第1節 賃金と雇用政策との関連

 第2節 賃金と社会保障政策との関連

 

この中で友人の上田裕子さん(現代ルポルタージュ研究会・一橋大学大学院社会学研究科博士課程後期)が執筆している、第4章の“第2節 均等待遇実現のための「同一価値労働同一賃金」原則”をもっと展開して、まとめてほしいと思った。

 「全労連のスタンス」(p156からp159)について論述しているが、以下のような提言をしている。


 
「全労連のこのようなスタンスは、現在の労働運動と資本の力関係を客観的にみれば次善の策であり、主張の多くは現状を踏まえているもので説得力がある。しかしながら、職場で低賃金と賃金差別に苦しむ非正規労働者あるいは女性労働者が、同一価値労働同一賃金原則を、労働条件の改善を図るための強力な手段と感じ、大きな期待をこめて運動をすすめている現実とは温度差があるように思われる。すでに述べた懸念事項を踏まえつつ、ナショナル・センターとして同原則を認め、同時に賃金向上の運動をすすめる方針を打ち出し、個々の労働者の心に響く労働運動に踏み出す時ではないかと考える」


 その上で、「商社に働く女性の会」の『商社における職務の分析とペイ・エクイティ』や「兼松の事例」などのたたかいと分析を通じて、『「同一価値労働同一賃金」原則の日本の具体化に向けて』をまとめている。

 他の論文は、ぜひ購入して学んでほしい。 

イタリア映画『人生、ここにあり!』が越谷に登場

1年ほど前から、友人の岡安喜三郎さん(現協同総合研究所理事長)から薦められていたイタリア映画・『人生ここにあり!』が、越谷に登場する。

「協同まつりinこしがや」(ブログ:共に学び・働く―「障害」というしがらみを編み直すで紹介)の実行委員会で話は聞いていたが、ワーカーズ・コープの波が、やっと越谷にも伝わってきている。

 

 

映画『人生、ここにあり!』上映会とパネルディスカッション

日時・会場:2012年12月16日(日)、文教大学越谷キャンパス

開 場:  12時

上 映:  13時~

パネルディスカッション:15時20分~

料金:当事者500円、一般1000円

講演者:朝日雅也氏(職業リハビリテーション学会会長)

主 催:越谷市の精神医療と福祉を考える会

後援:越谷市、越谷市社会福祉協議会、教育委員会、文教大学学園NPO法人コンポ

問合せ:南埼玉病院 今野・大泉TELO48・965・1151

 

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  (クリックしてください)

 

ささえあいコミュニティ生協新潟(高齢協)などが昨年(12月11日)実施し、岡安さんの講演も行った案内チラシがあるので紹介したい。

 

2008 年にイタリアで大ヒッしたトこの映画は、精神障がいの人たちが差別や偏見を克服しながら仲間とともに仕事おこし、人生を取り戻していく実話がもとになっています。人間讃歌、まさに「人生ここにあり」です。それを実現したのはワーカー

ズコープという協同組合です。

ヨーロッパでは、こうした市民や社会的弱者、労働者が自ら出資し、一緒に働いて収入を得る協同組合が無数にあり、地域で様々な役割を担っています。

ここ新潟でも、生活保護受給世帯の急増や、高い自殺率、若年無業者の問題など社会問題が深刻化しています。地域ニーズに応じた仕事と就労の場を自分たちでつくろうとする、この新しい協同組合について、今回の上映をきっかけにに皆さん

と理解を深めていきたいと思います。」

 http://sasaeai.digi2.jp/pdf/11121101.pdf#search='%E4%BA%BA%E7%94%9F%E3%81%93%E3%81%93%E3%81%AB%E3%81%82%E3%82%8A+%E5%B2%A1%E5%AE%89%E5%96%9C%E4%B8%89%E9%83%8E'

 

 この情報は、昨日開催した「NPO視覚障がい者支援協会・ひかりの森」が開いた、「あなたの目は大丈夫ですか」(平成24年度「市民医療講演会」(しらこばと基金助成事業))で、越谷市の青年市議・橋本哲寿さんからいただいた。

 世の中ぐるっと回って、私に来た。ふくしや協同の場面では、世代交代が着実に進んでいる。

 


◇追加ブログ(13.09.25)

 

イタリアの社会的協同組合を紹介――菅野正純のページを増補更新 

 http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-1441.html

 

越谷から明治大学、イギリスへ
http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-891d.html
越谷から弱視の方、ロービジョンの方へ
http://okina1.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-1314.html

◇「現代と協同」研究会からのお知らせ

 

 富沢賢治のページ(一橋大学名誉教授)

 

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/tomizawa/tomizawa-index.htm

 

 中川雄一郎のページ(明治大学政経学部教授)

 

 http://e-kyodo.sakura.ne.jp/nakagawa/nakagawa-index.htm

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