小越洋之助さんのHPをオープン――現代労働組合研究会ⅩⅢ
この20年間の日本における賃金問題は、賃金水準、最低賃金制から年功賃金、女性賃金(性差別賃金論)、非家族賃金論、非正規賃金論など、さまざまの問題が生起している。その割には、研究者や労働組合運動家の側は、反撃のイニシャチブを取れていない状況は、目に見えている。
本サイトに収録した小越洋之助さんの「年功賃金と性差別賃金」、「雇用壊し・賃金壊しー市場原理主義者の論理とその問題点」、「成果主義人事の理念と現実」などを読んで、資本の意図、労働側の対応、研究者側の見解、本来のとらえ方(小越さんの考え)を学びあってほしい。
「小越洋之助のページ」の柱は、「小越洋之助の仕事(単行本)」「小越洋之助のProfile」「小越洋之助の論文・書評」「小越洋之助・私の趣味」だ。
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/ogoshi/ogoshi-index.htm
しかし問題がやや複雑なのは、春闘の敗北(1970年代末から)以後、会社側の一方的な賃金管理が進行したもとでの賃金問題として、「労働者間の内部配分」的議論が出ていることだ。
また、地方公務員の賃金水準が、地場労働者のそれとの比較で、「大阪の橋下市長閣下」などから「バス労働者が700万以上もとっている」という声の大きさに市民が共鳴している「引き下げ民主主義」の時代にある。
「連合」主導の労働組合運動の下、労働組合の役割の低下がどの人から見ても歴然としているのに、対抗する人たちの声がまだつながっていない。選挙の前に労働組合活動家の養成を! と願わずにはいられない。
▽主なサイト収録論文・書評
【書評と紹介】『国民的最低限(ナショナル・ミニマム)保障』(黒川俊雄・小越洋之助・真嶋良孝・増田正人/大月書店2010年)――湯川順子、総合社会福祉研究、第39号、2011年12月
【書評と紹介】『終身雇用と年功賃金の転換』(小越洋之助著)、片岡洋子、大原社会問題研究所雑誌、第578号、2007年1月
公契約法・条例制定の意義・現状・課題――公正なグローバル化へ向けての対抗戦略 (特集 いまこそ! 公契約)、小越 洋之助、賃金と社会保障 、第1502号、2009年11月
「年功賃金と性差別賃金」『研究機構インフォーメーションサービス』第73号、自治労連・地方自治問題研究機構、2007年1月
【書評と紹介】 遠藤公嗣著『賃金の決め方――賃金形態と労働研究』、小越 洋之助、大原社会問題研究所雑誌
第568号、2006年3月
「成果主義人事の理念と現実」、労働法律旬報、第1591・1592号、2005年1月上・下旬号
「不安定雇用・労働条件格差拡大と労働組合の役割」、賃金と社会保障、第1384号、2004年12月下旬号
特集 社会制度の「世帯単位から個人単位へ」とは 賃金・税制・社会保障 「世帯単位」から「個人単位」への大潮流をどう読むか、小越
洋之助、賃金と社会保障、 第1327号、 2002年8月
貧困ライン・最低賃金制・リビングウエッジ――アメリカ・イギリスの動向と日本の読み方 (特集
最低賃金制の考察――米・英・日本 所得保障のナショナル・ミニマム 試論的問題整理(2))、小越 洋之助、賃金と社会保障
第1311号、 2001年12月
「雇用壊し・賃金壊しー市場原理主義者の論理とその問題点」、賃金と社会保障、第1267号、2000年2月上旬号
「オランダにおける就労インセンティブ政策と社会保障」、国立社会保障・人口問題研究所、海外社会保障研究、Winter,1998年
「労働市場の弾力性(フレキシビリティ)について」、國學院経済学、第37巻3・4号、1990年
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