久米郁男:「日本型労使関係」賛美論を批判する――五十嵐仁のページの更新
編集者がその研究者・作家・ライターさんの出版物をつくるとき、まず「なぜ今出すのか」「売れるかどうか」という社の企画会議をクリアしなければならないが、最低限、著者の研究レベル、類似の出版物の動向、レジュメ(コンテンツ)検討、などの作業をしなければならない。
原稿が上がってきたときには、書かれている内容の吟味、間違い、他の著者の主張点との関係などを勉強して、OKを出すように出版社の編集者ならばする。
私が五十嵐先生に「久米さんたちの本づくりに編集者がかかわっていないのですかね。めちゃくちゃですね」とメールしたら、怒ったように“「めちゃくちゃ」なのは、編集者ではなく、久米さん自身の主張でしょう。編集者もお手上げなのではないでしょうか。久米さんの本に対して、私以
外、組合活動家を含めてほとんど批判の声が上がらなかったのは大変意外であり、ガッカリしたものです。”と書かれてきた。
その本が、久米郁男『日本型労使関係の成功』(有斐閣、1998年)、水口憲人・北原鉄也・久米郁男編著『変化をどう説明するか:政治編』だ。
昔、「五十嵐仁の転成仁語」に10回分に分けて連載し、「表題は次のようになっています。①日本の労働者の賃金について、②1990年代における日本の労働者の賃金について、③日本の労働者の労働時間について、④失業率と雇用保障について、⑤デュアリズム論の検証、⑥時期区分の問題性―「新自由主義的攻勢」への無視、⑦「権力資源」論と「政治的機会構造」論、⑧残されたいくつかの疑問点、⑨「日本型労使関係」は「成功」しなかった、⑩何故このような研究が生まれたのか。」と書かれている。
「日本型労使関係」賛美論を批判する――久米郁男『日本型労使関係の成功』についての批判的論評[政治経済研究所『政経研究』第73号(1999年11月)]
http://www.e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/120830kumeikuoron.pdf
五十嵐仁先生から「この論文については、すっかり忘れていました。これは、日本労務理論学会の第10回全国大会での共通論題「メガコンペティション下の雇用・労働問題の変容(1)競争と管理」での報告です。その後、『労務理論学会研究年報』第10号(2000年12月10日)に掲載されました」と連絡があり、UPした、
「五十嵐仁のページ」(論攷編)には、もう2本、下記の書評と学会報告もある。
http://www.e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/ronkou.html
久米郁男『労働政治』『大原社会問題研究所雑誌』No.562・563(2005年9・10月号)
https://oisr-org.ws.hosei.ac.jp/images/oz/contents/562-07.pdf
「学会報告:労働政治の構造変化と労働組合の対応――政治的側面からみた労使関係の変容」(『大原社会問題研究所雑誌『No.580/2007.3)
https://oisr-org.ws.hosei.ac.jp/images/oz/contents/580-05.pdf
はじめに
1 久米郁男『労働政治』の問題点
2 90年代以降における「労働政治」の主体の変化
3 90年代以降における構造とパフォーマンスの変化
4 分析と暫定的結論
むすび―最近の変化と今後の展望
http://www.e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/120830kumeikuoron.pdf
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