すすむ最賃裁判、そして戦後史――下山房雄のページ更新
▽追記(2015.09.30)スマホ向けHPの入り口
二つのテーマを更新した。
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/simoyama/120405simoyama.htm
書評:梁田政方著『三鷹事件の真実に迫る』松本善明著『謀略』、NPOかながわ総研「研究と資料」№174―2012年10月刊「読書の扉」―稿案
神奈川最賃千円裁判傍聴記(六)、NPOかながわ総研「研究と資料」№174―2012年10月刊―稿案
前者は、戦後史に関わる問題、後者は「現代」に関わるテーマ。
最近、私の知り合いから「清掃ビルメンの現場労働者の賃金が、埼玉県の最低賃金759円だ」といわれて、「ウーン!」と唸って、なんとかしたいと願う。
「最賃ニュース」(NO.11、2012年 8月22日
)に「8月8日の裁判」で陳述したシングルマザーの声が掲載されていたので、ここにUPしておく。どこにもいる女性の発言だ。
http://www.kctu.jp/saichin-blog/120808_saichin_news11.pdf
法廷では20歳の息子と19歳の娘を持つシングルマザーの方から陳述がされました。
夫は12年前に家を出ていき2年後に離婚。生活費・子どもの養育費は払われませんでした。なんとかヘルパーの資格を取って働き,病院の助手・事務パートなどをして手取りで15~6万円程度。育ち盛りの2人の子どもを養っていくには全く足らず、大手電機メーカーで派遣社員として働くようになり手取りも17~8万円くらいなりました。しかし,平成22年3月にこの会社を派遣切りされ,その年の8月にようやく病院のパート事務員の仕事を見つけ,時給は900円で,午前8時30分から午後5時まで週5日働いています。ひと月の給与は,交通費を入れて手取り13万円程度にしかなりません。1月や9月など,休みの多い月は10万円くらいしかもらえません。仕事に家事にと体は辛いですが,祝祭日に働けず,給料が減ることの方が何よりも辛いことです。
私は,ここ10年くらい,自分の洋服を買った覚えがありません。また,子どもたちにも満足な小遣いをあげることができません。娘は,昔,「薬剤師になりたい」と言ってましが、結局公務員むけ専門学校に入りました。娘の性格からして,私や母に気を遣って,専門学校に進んで早く就職する道を選んだのだと思います。娘にそこまで気を遣わせてしまっていると思うと,情けなくてたまりません。2人の子供はそれぞれ奨学金を年間120万円借り学費に充てています。長男は,私立大学の理工学部に行っており、5年間在籍することも珍しくなく,約600万円の借金を背負って社会人になります。子どもの教育にはお金を惜しみたくないという思いはありますが,大きな借金を負わせる形で私の収入の少なさのしわ寄せが子どもたちにいっているのです。
私は,時給900円で毎日働いても,家族3人が自立して生活できないのであれば,いっそ仕事を辞めて生活保護をもらった方がよっぽど楽だし,収入もいいのではないかと考えるときもあります。でも健康で,働くことにやりがいもあり,仕事はやめません。でも,その働いている人の最低賃金が生活保護よりも低いということは,誰がどう考えてもおかしいと思います。でも生活保護を切り下げてその逆転現象を解消すべきだと言うような人もいますが,理解できません。
私は,私たち家族は何も贅沢な生活をしたいと言っているのではありません。家族3人が自立した生活をしたい,自分の生活は自分で築きたいと思っているだけです。そのためには,やはり生活の基盤である収入をあげなければ実現できません。最低賃金をあげてくれなければ今の生活は変わらないのです。裁判官におかれましては,是非私たちの気持ちや生活の現状を酌んで,最低賃金を1000円以上にする判決を出して欲しいと思います。
《追加しました》 20140101
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