ボランティアと協同労働――黒川俊雄さんのHPを更新
黒川俊雄さん(慶應義塾大学名誉教授)が、「ボランティア」について論じていたのを、不明にも知らなかったのでHPを更新増補した。
「ボランティア、協同労働、そしてCC共済」、協同の發見 2003年7月 第132号、協同総合研究所
「ボランティア、協同労働、そしてCC共済―2」、協同の發見 2003年8月 第133号、協同総合研究所
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/kurokawa/kurokawa-index.htm
その柱建ては、以下の通り。
書いた経過は、亡くなった中田宗一郎元専務理事(日本労協連)が「CC共済」をつくろうとしていた時期に勉強会を行い、その前提に、「ボランティア論」を展開したようだ。
内容は、ぜひ一読してほしいが、「協同労働の担い手は、雇用労働者ではなくて農漁民、自営業者、中小企業者に近い」「低賃金構造を克服するナショナル・ミニマムの軸となる最低賃金制の法制化が重要な課題になってきている」という論理展開は、知らなかった。
協同労働の担い手が、自らの使命として「NPOのボランティア労働」と「非正規労働者の賃率」を規制する「ナショナル・ミニマムの軸となる最低賃金制の法制化」の役割をもっているという、黒川教授の提起は、地域社会のコミュニティづくりと「社会的労働運動」をリンクすることの今日的意味を示唆している。
国際的にはILO94号条約があるが、自治体労働者の「公契約における公正労働基準の確保」をめざしていることともリンクする課題ではないか。
1、ボランティアとは何か
2、ボランティアはなぜ始まったのか
3、ボランティアから協同労働が始まったのはどうしてか
4、資本が労働を使う資本主義の下で労働が資本を使う協同労働の担い手はどんな問題にぶつかるのか
5、協同労働の担い手は、雇用労働者でなくて農漁民、自営業者、中小企業者に近い
6、農漁民、自営業者、中小企業者に低所得世帯が多い根本的な原因は何か
7、農漁民、自営業者、中小企業者に低所得世帯が多くなるように「市場経済」全体の仕組みを歪める土台になっているのは雇用労働者の低賃金構造である
8、「市場経済」全体の仕組みを歪める土台になっている低賃金構造を克服するナショナル・ミニマムの軸となる最低賃金制の法制化が重要な課題になってきている
9,「市場経済」全体の仕組みを歪める土台になっている低賃金構造を克服する共同行動のなかで、空洞化しつつあるコミュニティを再生する土台をつくるのがCC共済である
つづいて、イタリアの社会的協同組合に詳しい、田中夏子さんの「日本における女性たちの仕事おこし調査」から連続する課題意識を、上記HPに一緒に掲載した。
・担いながら創る、創りながら変える、田中夏子(都留文科大学)、協同の發見 2004.1 No.138
(黒川俊雄さんの上記論文「ボランティア、協同労働、そしてCC共済」を受けて、田中夏子さんが執筆されたものです)。
« 全労連を担う人たち(2)――現代労働組合研究会のHP | トップページ | 「協同まつりin こしがや~商店街に行こう」 »
「「現代と協同」研究会」カテゴリの記事
- 「日英社会的企業比較研究センター」の保存ページ。(2024.09.24)
- 『WEB版:労働者協同組合への招待(1992年版)』をUPしました。(2024.07.26)
- 「西村一郎さんの偲ぶ会」は無事、開催されました。(2024.07.02)
- 「ワーカーズコープ・センター事業団の35年」(各論編)を読む。(2024.06.03)
- 「故西村一郎さんの偲ぶ会と新しい本・出版の記念する会」を開こう。(2024.03.20)
« 全労連を担う人たち(2)――現代労働組合研究会のHP | トップページ | 「協同まつりin こしがや~商店街に行こう」 »
コメント