18歳からの現代社会入門――「五十嵐仁のページ」を更新
五十嵐仁先生(法政大学大原社会問題研究所教授)の「ブログ 五十嵐仁転成仁語」は人文科学・社会科学部門では著名なもので、さまざまな人に読まれている。
その中の論攷部門を、「五十嵐仁のページ」で再UPしている。
PCだけでなく、青年(女性)たちに人気のあるIpadやスマホでも読めるように、InDesgin(DTPソフト)で「46判・PDF」ページづくりをしてきた。
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/igarashi-index.htm
その作業をしていて、実は『現代社会入門』というべき、高校生や大学生が読んでほしいテーマが描かれていることに気がついた。
たとえば、「大阪条例問題と現代社会の貧困」の中で、以下のように述べている。
「それは貧困化の増大と格差の拡大が生み出した社会意識の変化であり、自分たちより恵まれた人たちを引きずり下ろすことによって溜飲を下げるという「うっぷん晴らし政治」(内橋克人「貧困の多数派 歯止めを」『朝日新聞』2012年1月8日付)への傾斜や「引き下げデモクラシー」(丸山眞男)の浸透という問題である。(中略)
貧困化とはいわゆる「負け組」の増大であり、格差の拡大とは「勝ち組」との差の拡大である。このようななかで、「負け組」による「勝ち組」に対するねたみと憎悪が拡大し「うっぷん晴らし」する以外に解消されない閉塞感が蔓延した。その対象として選ばれたのが、公務員であり教員だったのではないだろうか。
これらの階層は、一般の「負け組」からすれば、安定し恵まれていると見られている。生活苦のなかで、それらの人々の安定性を脅かし、地位を失うリスクを与え、給与を引き下げることによって、自らと同じ水準の苦労を味わわせたいという気分が高まっていく。これが丸山眞男の言う「引き下げデモクラシー」であり、公務員や教員をスケープゴートとして、このような「劣情」に訴えたのが橋下氏だったのである
ここから、「内橋克人? 丸山眞男?」という疑問や「引き下げデモクラシーって何?」という疑問が生まれてくる。高校・大学で学ぶ者にとって、学びへの欲求を引き出してくれる。
青年(女性)よ、自らの高校・大学を疑うべし!
そして戦後の時代に、「樋口篤三」のような生き方をしていた人がいたことを発見してほしい。
五十嵐先生は、朝日新聞などのマスコミが持ち上げた「吉本隆明」を批判する数少ない社会批判家で、おもねるそぶりも見せていない。
最近の主な論文・論攷の御案内 (別ページへ) 新着情報 2012.07.11追加
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/igarashi/ronkou.htm
大原社会問題研究所と増島宏先生 (「ブログ 五十嵐仁の転成仁語」―掲載2011年12月13日)
福島第1原発事故と脱原発社会に向けての政治の責任 (立教大学で開催された第16回東京科学シンポジウムの予稿集) (「ブログ 五十嵐仁の転成仁語」―掲載2011年12月5日)
戦後のエネルギー・原子力行政と政治の責任(『季刊 労働者教育』 No.143、2011年11月号)
大阪条例問題と現代社会の貧困
(『教育』2012年7月号)
2012.07.02追加
選挙制度改革をめぐる動き(「法と民主主義』、2012年5月号(No.468)) 2012.06.28追加
樋口篤三遺稿集『革命家・労働運動家列伝』(第1巻)、『オルグ・労働運
動・戦略』(第2巻)『大原社会問題研究所雑誌』第643号(2012年5月号)
衆院倫理選挙特別委員会での意見陳述(5月26日付『しんぶん赤旗』)
「左翼」は並立制を受け入れるべきか(「フォーラム21」、27号、2012年4月28日から31日)
労働運動の社会的役割と今日的課題(月刊『全労連』、第182号(2012年4月号)
なぜ、誰も吉本隆明の責任を追及しないのか
(『革新懇話会』八王子革新懇の機関紙、2012年3月25日)
新自由主義改革に抗する教職員組合の役割(『クレスコ』、No.131、2012年2月
今の情勢をどう読み、どう行動するか(『労農のなかま』No.533、2011年11月)
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