最賃裁判への支援を――下山房雄さんのHP更新
下山房雄さんのサイトを編集するために、「NPOかながわ総研」のホームページを読んでいたら、下山さんが「神奈川最賃千円裁判傍聴記」を書いていることが分かった。
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/simoyama/index.html
サイトでは、友人たちへのメールを紹介をしていたので、つながった。
http://e-kyodo.sakura.ne.jp/simoyama/120430kanagawa-saitin.pdf
まず「最低賃金制裁判」のサイトを紹介しておきたい。
最低賃金裁判サイトへようこそ
最低賃金裁判ニュース
神奈川県労連 最低賃金裁判事務局によるブログです。日々の状況の変化をお伝えしていきます。
下山さんは、「神奈川最賃を千円以上に決定するよう労働局長に求める行政裁判が神奈川労連イニシアで起こされた。これを支援する意味で、私は裁判毎回傍聴と決意し」て、傍聴記を書き始めている。
第1回目の記事(2011年12月)には、下記のような文章が掲載されている。
“まず、原告68名から二人の切実な陳述。「女手一つで3人の子を育てる」のに収入が少なくて「悔しくて、夜中、河原で一人、大声で叫んだ」鈴木さん、今年2月の手取りが14万円を切ってしまったタクシー運転手の平野さん。それから、厚労省が行っている最賃と生保基準の比較技法の五つの誤りを指摘する田淵弁護士の各論的弁論、ついで、わが国法定最賃水準の国際的貧困、生活保護基準を満たさぬ状況を指摘する大川弁護士の総括的弁論、が為された。被告=国側は「本件訴えを却下するとの判決を求める」と、理由も示さずに言う異例の対応であった。”
下山さんがどうしても行けないときは、後輩(NPO神奈川総研の岡本一さん)や知人(國學院大學・小越洋之助さんなど)が傍聴記を書き始めている。さらなる友人・知人ネットワークの広がりを期待する。
公共職場の「官製ワーキングプア」などといわれる女性や青年たちの職業事情、派遣社員の賃金、民間のパートさんの低い時間賃金のベースを放置しないためにも、労働組合を名乗る陣営が率先して参加することが求められている。
私の住む越谷市の官製外郭団体の時間賃金は、たしか780円だった。自治労(連合)の最強の組合の一つといわれる労働組合の奮起(政治潮流をのりこえて統一行動の推進)をここでも期待したく発信する。
閑話休題
黒川俊雄さん(慶應義塾大学名誉教授)が若い時に書いた『賃金論入門』(青木書店、1956年)のあとがきに、“いわゆる革命的最低賃金論をとなえて、資本主義およびアメリカの占領下における最低賃金制の実施を否定また軽視する議論をおこなったが、現在最低賃金制の実施が日本の労働組合および労働者階級の緊急の課題となってきているとき、もはや問題にはされなくなってしまった。
現在日本の労働組合および労働者階級が問題にしなければならないのは、幅広い統一行動によって最低賃金制をどのようなかたちで確立するかということにほかならない。このことについてすでに真剣な討論が開始されているが、「総評最低賃金制討論会議事録」(総評)および「賃金引上げのための討論集会議事摘要」(総評)などが参考にされるべきであろう。“と書いている。
前者のすさまじい“誤謬”(戦後直後だけではない)と後者の「総評」のとりくみは、すべての労働組合・ユニオンが学ぶ価値があるのではないか。
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