以下、5本を「現代労働組合研究会」のサイトにUPした。
労働組合については、運動史・歴史的に判断して読んでほしい。脇田憲一、樋口篤三両氏は故人になっているが、これは「Windows95」以前の労働組合史《その3》だ。
要宏輝さん(元連合大阪副会長)の文章は、全金大阪から連合に参加した当事者の思いが出ている。
今話題の維新・「ハシズム」(橋下大阪市長)に、連合がなぜ一致して抵抗できない構造にあるのかが、理解できる。
全労連の人ではないが、ユニオンショップ制や「労働組合選択の自由論」を展開しているのを2本紹介する。
第一は現在も「労働運動は社会の米・野菜・肉だ」を書き続けている毎日新聞労組・新聞労連出身の元都労委労働側委員の戸塚章介さんのブログに書かれていたものだ。戸塚さんは、出版物として『ロストユニオンに挑む』(共同企画ボォーロ 1680円)を書いていることも発見した。
第2の牛丸修さんの文章は、このブログで紹介した電機労働者ペンの会発行の『からむす』誌上に発表されているモノ。「沖電気の職場を明るくする会」(OAK)の松謙さんからいただいたものだ。
大企業労働者の苦悩が読みとれる。
しかし、「労働組合の選択の自由」をインターネット上で調べたら、全労連・自治労連の宣言が出てきた。そこには、自治労連はこうして誕生しましたと、あっさりと自ら歴史を下記のように書かれている。
“1980年代、政府・財界主導による国民・労働者犠牲の臨調・行革攻撃が激しくなる中、当時の総評・自治労は、これを支持し推進する「反共・労使一体、体制擁護」の路線に屈服し、「連合」に吸収合併されました。
こうした状況と「労働者・国民の利益を守るまともな労働組合運動を」という期待と運動の高揚の中で、激しい反共・分裂組織破壊攻撃をのりこえ、「労働組合選択の自由」の権利を行使して自治労連は1989年3月17日結成されました。“
これまでのような企業別組合を前提にして、その覇権(労働組合の執行部の争奪戦)を競うのではなく、地域別・産業別・一般労働組合づくり(故中林賢二郎法政大学教授の研究・発言)のなかで、連合・全労協・全労連のそれぞれが組織拡大で切磋琢磨するのが、本来の労働組合づくりなのではないか。
ましてや海外進出をし、多国籍企業になった巨大企業の中核(=コア)の部分に限定した正規労働者の労働組合は終焉を迎えているのではないか。
「非正規労働者35%時代」において、民間(鉄鋼、電機、金属、食品、IT系、航空・旅・食品サービス産業)や公務部門(自治労系)、昔の公労協(国労、全逓、全電通)職場も、その非正規労働者の組織化を実現したとき、そしてその横にワーカーズコープや社会的サービス協同組合(ふくし生協や高齢協)が町々に生まれたら「労働組合のルネッサンス」が起こるのではないか。
現代労働組合研究会のHP
7 私たちの労働組合運動史論・あれこれ 2012/02/19 new
連合よ、正しく強かれ――「連合」労働運動の過去・現在・未来 要 宏輝(元連合大阪副会長)
対抗戦略としての社会的労働運動 ――脇田憲一(労働運動史研究者)
高野実思想の継承と発展を――戦後労働運動二回の大高揚とその反動 樋口篤三(元「労働情報」編集長)
「労働組合選択の自由」を論ずる 明日へのうた――労働運動は社会の米・野菜・肉だ(戸塚章介のブログ)
日本的労働組合論――ユニオンショップ協定の問題点――牛丸修(『からむす6号』1996年)