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2011年2月

2011年2月26日 (土)

福岡のふくし生協から学ぶ――PARTⅡ

 さいたま高齢協の増田アツミ理事長と全国高齢協の坂林専務理事他のメンバーが、福岡のふくし生協を訪問したのは、2月19日(土)から20日(日)。
 2月23日(水)のさいたま高齢協の理事会で「ショックを受けた」と語る増田理事長(中身はご本人の原稿ができあがるはずなので)。
 インターネット上にその訪問レポート(「宿泊サービスにも取組む福岡高齢協の活動」)が全国高齢協のHP上にもう掲載されている。すごい。

 詳細に書かれているが、具体例のその1は、宅老所という形を積極的に取り入れた最初の事業所・けいちくのほのぼの村。まったくふつうの民家が最初だ。
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 注目したいのは、ひまわり福祉サービスの事例紹介をここで引用したい。
 「居宅介護と訪問の事務所があり、同時に障害者の方が利用するケアホームがありました(写真7)。ケアホーム(共同生活介護)は主として夜間の生活を援助する自立支援法にある仕組みで、この2月1日にオープンしたばかりです。
 現在お試しを含めて5、6人が共同生活を行っているということでした。部屋を見せてもらいましたが、それぞれ自分の好きなものを持ち込み、個性のある部屋になっていました。このケアホームの建設に5600万円が投資されました。その多くを、障害者を抱える家族が拠出(出資)しています。子どもたちの将来のケアを含めた安心を高齢協に託したということです」
 まったくすごい。
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 福岡のふくし生協では、小規模・多機能+宅老所ケア(高齢者支援)にプラスして、ケアホーム(障がい者の生活支援)をつくりだしている(子育て支援も始まっている様子がある)。そして、まじりあいの福祉を実行している事実。
 全国の高齢協は、「福祉を主たる事業とする」と定款上、宣言している(厚生労働省の指導のはずだ)が、どうも十分、意識化され、十全に実践されてこなかった。しかし今からでも遅くはない。
 
 全国高齢協の当該ページは、下記のアドレスへ。
 http://kourei.roukyou.gr.jp/category/news/340

2011年2月25日 (金)

福岡ふくし生協から学ぶこと

 先日(2月19日)、福岡ふくし生協を主題とした「心と心のつながりで ふくし生協と生きる」のビデオ(DVD)鑑賞会を開いた。
 参加者は少なかったが、さいたま高齢協の関係者のメンバーだった。

 少ない人数の中、このビデオを制作した伊藤宏一さん(メディアワーカーズ・ジャパン代表)から、自らの学生運動の経験や映画「病院で死ぬということ」の企画・プロデュースの思い出、日本生協連を中心とした文化面でプロデューサーとして活動したときの話、そして本ビデオをつくった思いが語られた。
 このビデオの解説をしながら(バグがあったようで途中でフリーズしたので)、高齢協運動は、二つの流れがあったことを、ハタと思い知らされた。

 福岡は「ふくし生協(高齢者ふくし生協)」を前面に押し出し、福祉を主たる事業(高齢者と障害者の生活支援)を、誠実な高齢者と若い世代(ワーカーズコープ)の事業感覚・エネルギーを連結して地域で担う協同組合だった。
 具体的には、地域住民が主たる働き手になり、通所のデイサービスと宅老所ケア(訪問介護はもちろん行っている)を地域で展開し、事業を確立し、統一的に経営を担う。
 地域の運営委員会では、事業所のメンバーと高齢者の支援者が車の両輪として、協議・議論して、地域の話と事業をまとめている。

 
 私の経験だが、あるとき、さいたまコープのフェスタ(越谷総合公園多目的運動場で開かれた)に参加して、さいたま高齢協のチラシを配った時、ほとんどの人から「私はまだ高齢者じゃないもの」といわれた。しまいには、40代の女性グループから「私はヘルパーをやっているの。定年になったらね」といわれた。
 越谷市の広報で「ヘルパー2級の資格を取って、介護にチャレンジしませんか」と掲載したとき、問い合わせがあったのは、残念ながら40代から50代はゼロだった。
 「名は体を表す」という格言どおりの反応だ。

 また地元の視覚障がい者のNPOの事務局を担っているので、ときどき高齢協の話題をして、「障がい者が生きられるユニバーサルなまち・地域は、高齢者も生きやすいまち」について、話すことがあるが、「高齢協がなぜ?」という顔をされる。

 高齢協の目標に「福祉 生きがい 仕事おこしをになう」 ということで、これまでも数多くの定年を迎えた男性市民が来ては、離れて行った。高齢協を提案した当時(1980年代後半)の「定年」は、まだ60歳ではない時代だった。しかし「起業」の困難さは、いまもかわらず、成功例が少ない。 
 「仕事おこし」の主体になるというのは、ビジネス社会を経験した高齢者が知恵を持っていても、並大抵ではない。その原因に一つに、福祉をになう本人たちのニーズのなさと無関心があったのではないか。

 私たちがやっている取り組みは、市民からは「高齢者の 高齢者による(定年) 高齢者のための生協」というイメージで、いまひとつ共感と、新しい担い手が出てこない要因をみずからがもっているようだ。

 亡くなった友人の、菅野正純さん(協同総合研究所元主任研究員)が、生前に書いていたことを思い出す。

 ▽「高齢協は、自らの人生を切り開くために、労働者協同組合(現役世代)が軸になり、高齢者・障がい者・子育て世代と複合的に協同して、福祉の地域社会を実現するための協同組合を目標とする」→障がい者が自立して生きられるまちは、高齢者も生きられるまち。
 ▽ 「格差と分断の高齢期ではなく、社会を支える高齢者になるために、新しい福祉社会を実現する運動を起こす」→一人ぼっちの高齢者をなくす。  
 (「さいたま高齢協の明日のために」という文も、別掲した。ご参考までお読みください)。
  http://e-kyodo.sakura.ne.jp/candc/essaytop-new.htm

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 ビデオ(DVD)の申し込み先:1枚、1000円(消費税込み)。
 高齢者ふくし生協:TEL092-282-1431
 http://www.fukushiseikyou.jp/

 または、メディアワーカーズ・ジャパン
 TEL03-3768-0328

       

2011年2月 6日 (日)

福岡の福祉生協のビデオ鑑賞会にご参加を

 映画「病院で死ぬということ」(市川準監督、1993年)をプロデュースした知人の伊藤宏一さんから、何枚かのDVDがメール便で寄贈された。

 そのうちの1枚が「日本で最大の高齢者・福祉生協」になった福岡ふくし生協のルポルタージュ・ビデオだ。
 地元でも、下記のように「さいたま高齢協・シニア越谷」で、鑑賞会をしようと早速、決めた。

 ▽15カ所の小規模デイサービス、老人給食センターをつくり、お泊りのできる「宅老所ケア」をめざす、日本最大の「高齢者・福祉の生協」誕生物語。もちろん訪問ヘルパー事業も展開。
 ・と き 2月19日(土)、PM2時から
・ところ 越谷コーププラザ(新越谷駅または南越谷駅下車7分)、TEL048-989-2301
・会 費      無 料
・上映時間     55分
・ビデオ制作 伊藤宏一さんのお話(予定、映画「病院で死ぬということ」プロデューサー、メディア・ワーカーズ)

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民家を改修して「宅老所」づくり


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福岡福祉生協とは:日本で最大規模の高齢協。福岡高齢協の08年3月末の組合員数は4,913名(現在は6000名余)、出資金は1億6,000万円、年間供給高が約8億円(同12億円)と、日本で最大規模の高齢協です。95年に設立され、99年に生協法人の認可を受けました。
粕屋老人給食センターを含めて地域福祉事業所が16カ所あり、ケアプラン、訪問介護、訪問看護、障がい者支援センター、デイサービス、小規模多機能ホーム、短期宿泊、弁当配食、ふくし相談、生協サービスの事業を行っています。
福岡高齢協の事業所の最大の特徴は、15カ所すべてが民家活用型の事業所で、その多くは組合員が提供したものであることです。「宅老所ケア」を重視し、6カ所の事業所が短期宿泊を、15カ所の事業所がデイサービスを実施しています。また、すべての事業所でふくし相談にとりくんでいます(日本高齢協連合会HPより)。

日本高齢協連合会
http://kourei.roukyou.gr.jp/

 
 さいたま高齢協
 〒359-0041 所沢市中新井1-134-15  TEL 04-2942-1444
  http://e-kyodo.sakura.ne.jp/maati/index.htm

2011年2月 5日 (土)

NPOひかりの森が「市民向け・眼に関する講演会」を開催

 既報のように「地域活動支援センター・ひかりの森」を運営するNPOひかりの森が、次のように、「市民医療講演会」を開きます。
 
 テーマは、 「白内障、緑内障、糖尿病網膜症、網膜色素変性症、黄班変性症など目に関する一般的な病気について学ぶと共に、ロービジョンについての理解を広く市民の人たちに実施する」としている。

 眼に関するお悩みを持っている越谷界隈の市民のみなさん、参加しませんか。

・と き 平成23年3月13日(日曜日)、【開場:午後1時10分】
・ところ 越谷市中央市民会館(東武伊勢崎線越谷駅東口下車徒歩7分)、4F
・会 費 無料

・講 演 「あなたの目、大丈夫ですか」(講師 独協医科大学越谷病院眼科医師・江口万祐子先生)
・講 話 「医療とひかりの森の連携」(講師 独協医科大学越谷病院眼科・ロービジョン外来・視覚障害相談担当 杉谷邦子先生(視能訓練士))
・デモストレーンョン「安全で安心できるガイド」(ひかりの森メンバー・スタッフ)
・主 催 NPO法人視覚障がい者支援協会・ひかりの森
      越谷市弥生町1-9山崎ビル2F
      TELO48(962)9888

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