柴野徹夫さんの「本のメッセージ」を紹介
大先輩ジャーナリスト・柴野徹夫さんのパワー全開
――『鬼――沖縄のもの言う 糞から金蠅』(金城実・柴野徹夫共著)
1冊の本が送られてきた。
大先輩のジャーナリスト・柴野徹夫さんが書いた本だ。
作家の森村誠一さんの文章が投げ込まれていて(失礼ですが)、そこには、「重い本である。本も重いが、内容が、さらに重い」と書きとめられている。
たしかに、横・25㎝、縦・22㎝、192ページ、重さは?(家庭用調理のハカリでは量れず)。
「いま貧困と戦争に反対する鬼になろう」「沖縄から世界が変わる」「アジアから“平和の風“をおこそう」「憲法9条は大黒柱」と訴えている。
内容はぜひ手に取ってみてほしいが、彫刻家・金城実さんのすさまじい鬼気せまるとしか表現しようがない沖縄で製作されている彫塑群(すごい!)を基本に、後半はジャーナリスト・柴野さんの「今こそかたっておかねばならない、命ある限り果たさねばならないと常に肝に銘じていることを精魂込めて形にし、したためた」文章を中心に構成されている。
本書から外れてしまうかもしれないが、柴野さんの原初的体験を初めて知った(同書、161ページにつぎのような文章がある)。
“ぼくが、「京都・働く仲間たちの手帳の会」という集まり(サークル)を起ち上げ、同人誌『僕らを見てくれ!』を編集・発行するようになったのは、その頃(一九六〇年)だった。働く若者たちの閉塞、鬱屈した胸のうちを詩、日記、手紙、写真、まんが、スケッチ、楽譜など、それぞれの得意な方法で表現してもらい、編集した。/ガリ版刷り、タイプ印刷に始り、ついには活版印刷にまで成長したこの文芸雑誌は、一九七五年まで続いた。”
そのころとは、“彼ら(都会に呼び寄せられた、高度成長期の金の卵)の間で静かなブームを呼ぶ二つの雑誌があった。/ひとつは、『人生手帳』。薄っぺらな月刊誌で、その読者たちよって「緑の会」というサークルが各地に展開されていた。/今ひとつは、『週刊わかもの』(のちに月刊『グラフわかもの』に)という雑誌で、各地にその読者会サークが、作られていった。”
私たちの先輩から語り続けられていた話が、文章として久しぶりに出会った。インターネット上には、なかなか出てこない話だ。
時代が回って、本書を発行した「憲法9条・メッセージ・プロジェクト 代表 安斎育郎 編集統括柴野徹夫」に集う面々は、50年後の新規「僕らを見てくれ!」と、今、さまざまな出版活動、「しゃべり場」づくり、「勉強会」づくりに励んでいる。
本書は、製作支援金2000円。
申込先は、下記のHPのサイトへ。
「憲法9条・メッセージ・プロジェクト 代表 安斎育郎 編集統括柴野徹夫」のHP
http://www.k3.dion.ne.jp/~k-9mp/index.html
プロフィール柴野徹夫(上記、同書より)
1937年京都市生まれ。59年京都教職員組合専従書記を経て、73年、新聞記者に。89年、50歳でフリージャーナリストに。82年度日本ジャーナリスト会議奨励賞受賞。
いらい22年間、「山猫軒シンポ」主宰(大津市仰木の里の里山の仕事揚で、隔月のシンポジウムを継続中)。
04年9月、「憲法9条・メッセージ・プロジェクト」(略称K9MP。代表・安斎育郎・立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長。日本の主権者意識を耕す草の根市民活動のタネをまくのが目的)を起ち上げ、事務局・編集統括。
一昨年夏いらい毎夏、イラク帰還米兵アッシュ・ウールソン君を招き、世界の平和と憲法を守る「全国縦断講演キャラバン」を精力的に敢行、各地に影響を広げる。
全国どこの「つどい」「しゃべり揚」へも出かけ、学習・講演活動に邁進。
2009年クリスマスから新年にかけては、若者たちを含めた一行11名でパレスチナのガザへ激励・取材に出かけ、ありのままの世界の姿を自分たちの目で見てくる。
◇K9MPが編集・発行する評判の「魔法のブックレット」は、16点を数え、全国各地の草の根市民運動を励ましている。ほかに注目の単行本『現代の万葉集 巻の1』、『異議あり!』(アン・ライト著の日本語版)刊行・普及などでも注目される。
▼主な著書
「日本の貧困」(新日本出版社)、「原発のある風景」上・下巻(未来社)、「京の花いちもんめ」、「ぼくらは戦争が好きだった」(朝日文庫。森村誠一・本島等共著)、「まんが原発列島」、「ルポルタージュは世界を揺るがす」(大月書店)、「ぼくが医者をやめない理由」(ろうじゅん)、「そこに原発があるけれど」(あゆみ書房)、「まんが原発列島」(大月書店)ほか。
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